夏の花です


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ハトムギ
Coix lachryma-jobi L. var. ma-yuen Stapf

イネ科 Gramineae


精白して種皮を除いた種子を局方ヨクイニンといい、利尿、強壮、イボ取りの効果があります。成分である脂肪酸エステルのコイクセノライドcoixenolideには免疫増強作用や腫瘍抑制作用があります。最近では肌の老化防止のため、健康茶として飲むだけでなく、美容液など化粧品にも含まれています。ハトムギが成熟してくると、ハトが好んで食べに集まってきます。河原などに生えるジュズダマは、ハトムギの母種で種子が固く押しても簡単にはつぶれないので、芯を抜いて民芸品などに利用されます。






エビスグサ
Cassia obtusifolia L.

マメ科 Leguminosae


熱帯地方に広く野生状態で分布し、薬用に栽培もされています。種子を局方決明子(ケツメイシ)といい、緩下、利尿、強壮薬とします。健康茶として知られる市販の「はぶ茶」の多くは、ハブソウではなく、エビスグサの種子です。アントラキノン類を含むので、高血圧や便秘に効果があります。中国ではハブ茶はハブソウの種子(望江南;ボウコウナン)を用います。


ニガウリ(ツルレイシ)
Momordica charantia L.

ウリ科 Cucurbitaceae


熱帯アジア原産で、中国、日本でも栽培されます。葉は皮膚病や火傷に用います。未熟果は油炒め、酢のもの、漬け物や天ぷらにして食べると、少しほろ苦くて美味しいです。また、完熟すると種子を包む果肉が赤くなり、甘く食用になります。果実を薄く切ったものを乾燥させ、お茶として飲むと糖尿病に効果があります。


ナタマメ
Canavalia gladiata DC.

マメ科 Leguminosae


インドから東南アジア、中国南部では食用に栽培されています。ナタマメの果実は長さが30センチにもなります。種子の乾燥したものを刀豆(とうず)、白刀豆(はくとうず)といい、排膿薬として蓄膿症などに用います。また、民間ではせきや病後の回復に用います。完熟した豆は有毒ですが、水煮のあと数時間水にさらせば、煮豆やきんとんなど食用にできます。若いさやを福神漬けの材料にするほか、炒め物にしたり茹でてドレッシングで食べることもできます。


ゴマ
Sesamum indicum L.

ゴマ科 Pedaliaceae


種子を食用とし、ゴマ油をとります。ゴマ油は軟膏の基材として紫雲膏や中黄膏に用います。種子の含油率は40-50%で、油料作物のうち最も高く、脂肪や蛋白質を多く含みます。ゴマ油は非常に良い天ぷら油とされ、他の植物油に比べて酸化変敗をおこしにくいのはリグナン類の抗酸化作用によるとされています。セサミノールやセサミンなどのゴマリグナンは健康食品としても注目されています。料理には火にかけて炒ったゴマを使います。




ヒメシロアサザ
Nymphoides coreana Hara

ミツガシワ科 Menyanthaceae


本州から九州、琉球、朝鮮、中国に分布します。朝は花が水面上に直立して開いていますが、昼頃には花茎が倒れて花もしぼんできます。同属植物であるガガブタやアサザの若葉は苦みがありますが煮て食用にでき、また解熱、利尿、消炎に薬用としても用いられます。


Dorstenia asaroides Gardner
クワ科 Moraceae


ブラジルの特産で、クワ科の草本植物です。現地ではカイヤピアー、アピイと呼ばれ、根茎をヘビの咬傷に用います。また、強壮、消化促進、解熱効果もあります。紫色の円盤状のものは果実で、熟すと種子が中から飛び出します。





Dorstenia contrajerva L.
クワ科 Moraceae


Dorstenia属は、熱帯を中心に約170種が知られますが、この種類は熱帯アメリカに分布し、温室で観賞用に栽培されます。奇妙な形をした果実は、熟すと多数の白く透明な種子を四方八方に飛び散らします。発芽率が非常に良いので、温室の中ではびこり雑草化して困りものです。根茎を発汗、解熱、下痢止めに用います。乾燥した根茎はタバコの香り付けにも用いられました。


Aristolochia gaudichaudii
ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae


この植物のように花被筒が子房の上で柄のように細くなり、その先で球状に広がる特異的な形は、マダガスカル、オーストラリア、ニューギニア、インドから台湾、東南アジアに分布する種にみられます。本植物園におけるウマノスズクサ属植物の収集の一環として、インドネシアから種子を導入し、温室で栽培して開花しました。





Zippelia begoniaefolia Blume
コショウ科 Piperaceae


前回紹介したZippelia begoniaefoliaに果実ができました。果実の表面にはカギ状のとげがあり、動物などにくっついて運ばれます。



ケイトウ
Celosia cristata L.
ヒユ科 Amaranthaceae


観賞用に栽培されます。花序を鶏冠花(ケイカンカ)といい、止血、止瀉薬として用います。花の色が赤く鶏のとさかに似ていることから鶏頭、鶏冠という名があります。全草の陰干ししたものをいぶして、ネズミよけに用いられたこともあるようです。手前に見える黄色い花はハブソウです。



ノゲイトウ
Celosia argentea L.

ヒユ科 Amaranthaceae


種子をセイショウシといい、眼疾患に用います。全草および根をセイショウといい殺虫、解熱、止血薬として用います。また、切り花としても利用されますが、最近はいろいろな所で野生化しています。



 


ナツフジ
Millettia japonica A. Gray

マメ科 Leguminosae


関東以南の本州、四国、九州、朝鮮半島南部まで分布し、観賞用として庭園で栽培されます。ナツフジ属Millettiaに分類されていますが、現在は分子系統の研究がすすみ、帰属に関して再検討が必要であるとされています。





コガネバナ
Scutellaria baicalensis Georgi

シソ科 Labiatae


花は紫色ですが、根が黄色いことからコガネバナ、コガネヤナギといわれます。根を局方オウゴンといい、消炎、解熱、止瀉薬とします。baicalinやwoogoninなどのフラボノイドを含み抗炎症作用があります。黄連解毒湯や小柴胡湯など多くの処方に配合されますが、漢方薬の副作用が発現する場合、このオウゴンが原因になることがあるといわれています


ヒメガマ
Typha angustifolia
L.

ガマ科 Typhaceae

日本各地の沼沢、河川に分布し、ガマと同様に用いられます。花粉を蒲黄(ホオウ)といい止血薬とします。「因幡の白兎」の民話で、赤裸のウサギがガマの穂にくるまったのも、この止血作用のためだといわれています。