近年の科学技術の発展に伴い、我々が便利でより良い生活を実現できるようになった反面、有機合成化合物やエネルギーの生成などに伴う環境負荷が問題視され、これらの改善が必要不可欠となっています。特に最近では、ペットボトルやストローなどの身の周りで使われているプラスチックの海洋汚染問題やエネルギー生成に伴うCO2の排出の問題などは、生態系と環境の共生の観点から早急に改善する必要があります。
これらの問題を解決できる新規マテリアルとして自然由来の生体高分子(バイオポリマー)が注目されています。バイオポリマーには、水和形成、イオン輸送、トランスポーター、酵素反応などの様々な機能を有しているため、色々な機能性を持ったマテリアルを創製することができます。例えば、DNA、キチン、コラーゲンなどは水和形成により高いプロトン輸送を示し、光合成のPSⅡや酵素反応は新しいプロトンソースとなります。また、これらのバイオポリマーは自然環境中で分解されるので廃棄時の環境負荷が少ないことも特長の1つです。
これらのバイオポリマーを利用・応用することで環境に優しい新規エネルギー・デバイスを創製することができると期待できます。
我々の研究室では、このバイオポリマーの機能を引き出し、新しいバイオ燃料電池やバイオ素子(例えば電界効果トランジスタ)などのバイオデバイスの創製とそのメカニズムについて調べています。
共生機能材料学研究室