地球観測衛星データと地理データを併用した緑の分布に関する比較法について
緑の基本計画などの策定には
広域的な視点から都市における緑の状態を調査・把握することが必要とされています
広域的な視点として土地利用面からの調査が一般的に実施されますが
対象となる「緑地」にはオープンスペースの意味が含まれているものの
植生の有無については明確に定義されていません
植生には
都市環境保全機能、レクリエーション機能、防災機能、景観構成機能
といった重要な役割があることから
土地利用の面に加えて植生の状態にも着目する必要があります
広域的な植生情報としては地球観測衛星データから
地表面の植生の被覆状態を表す緑被率が高精度に推定できるとの報告もあり
詳細な植生情報として緑被地の適用が期待できます
そこで本研究は、高空間分解能衛星データと地理データを対象として
土地利用としての緑地と、植生情報としての緑被地とを取り上げた上で
それらの分布状態を比較する広域分析法を検討しました
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◆緑地・緑被地◆
●緑地●
細密数値情報の土地利用項目から
森林・荒地等、田、畑・その他の農地、公園・緑地等を
緑地として採用し、緑地データを整備する。
●緑被地●
幾何補正、大気補正といった前処理済みの
Quick Birdデータを用いて作成されたNDVIと
土地被覆カテゴリーの代用として利用した土地利用データから緑被率を算定し
緑被率50%以上の箇所を緑被地、50%以下の箇所を非緑被地としてデータを整備する。
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◆分布状態の把握◆
地域における緑地の総面積が通常では用いられるが
緑地の量が同じでもまとまっている場合と、散在している場合では
担う役割が異なってきます
そこで
面積の大きさと、散在状態の両面から
分布状態を把握します
●緑地●
●緑被地●
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◆分布状態の比較◆
緑地と緑被地の分布状態を
面積の大きさと散在状態の両面から同時に比較します
面積の大きさ、または、散在状態について
緑地・緑被地それぞれの相対量を算出し
それらを同時に表現するためにグラデーションを使用しました
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今後は
比較を相対量で行う問題点を考慮し
分析を進める方針です。
つづく・・・