病理学研究室とは

研究内容

実験病理関係

糖尿病モデル動物を用いた研究 

糖尿病合併症(末梢神経障害)に関する研究

糖尿病末梢神経障害は、糖尿病合併症の一つで、高齢化に伴いその発症率は飛躍的に増加しています。障害の発生機序解明や治療の基礎研究には、
動物モデルが必須ですが、ヒトと同様の病変をげっ歯類で見いだすことは困難です。
われわれは、様々な糖尿病モデルラットやマウスを用いて、角膜や皮膚などを走行する末梢神経を解析し、
ヒト糖尿病病変との類似点や相違点をおもに形態学に研究し、糖尿病性末梢神経障害の増悪に関与する因子の評価を可能なモデルの開発を行っています。

糖尿病合併症(歯周病並びに齲蝕)に関する研究

“歯周病”と“う蝕”は、ヒトの歯科の2大疾患であり、異なる病原性細菌の感染により発症し、前者が歯周組織の炎症、後者が歯の炎症であり、病理発生が全く異なります。
糖尿病と“歯周病”ならびにう蝕に関して、多くの臨床研究が報告されています。歯周病が糖尿病合併症であるエビデンスは集積され始めているが、う蝕との関係には相反する報告があり因果関係は不明です。
そのため、糖尿病と“歯周病”ならびにう蝕の発生との関連を検索するための病態モデルの開発がもとめられています。我々は、多くの糖尿病げっ歯類モデルにおいて糖尿病でう蝕が発生することが明らかにしました。
さらに、その歯周病変はう蝕に伴う病変であり、“歯周病”でないこともわかりました。現在、う蝕を伴わない真の糖尿病性歯周病モデルを開発を行っています。

糖尿病、慢性炎症と発がんに関する研究

糖尿病による発癌リスクの上昇が臨床ならびに実験的に報告されており、その機序の1つとして慢性炎症が考えられています。また多くのヒトの腫瘍は、
慢性炎症と密接に関連して発生することが知られてします。我々は、様々な糖尿病モデルラットやマウスを用いて、糖尿病による慢性炎症の持続が発癌を促進することが明らかにしてきました。

非アルコール性脂肪肝炎に関する研究

非アルコール性脂肪肝炎は、アルコールを病因としないアルコール性肝炎に類似した慢性進行性肝障害で、脂肪肝から肝炎、肝線維化、脂肪性肝硬変を経て更には肝癌へと進行します。
NASHモデルは、多く作出されているが、ヒトのように肥満、脂肪肝、インスリン抵抗性、肝線維化、腫瘍を発症するモデルはほとんど存在しません。
われわれは、ヒトに類似したモデルマウスを開発し、この動物を用いて増悪化機序の解明、治療法の開発を行っています。

先天異常モデル動物を用いた研究

眼コロボーマに関する研究

眼球の構成要素の一部が欠損するコロボーマは、ヒト、イヌなどで発生し、視野狭窄や失明の原因となります。
われわれは、コロボーマを好発するラットやマウスを用いて、その病理発生について研究を行っています。

診断病理関係

動物(イヌ、ネコ、ラット、マウス、サル、フェレット、エキゾチック動物)の病理解剖検査、手術材料の生体検査(組織生検、細胞診断)をおこなっています。

病理解剖 

死亡あるいは瀕死となった動物を解剖し、肉眼的な検査をした後、病変部位を顕微鏡を用いて検査し動物の死因などを検査するものです。

生体検査 

生きている動物の臓器や組織を手術により採取し、顕微鏡によりその組織や細胞の病変を検査するものです。

歴史

1987年 摂南大学薬物安全科学研究所として発足 当初は安全性試験の受託機関としてスタート

1993年 安全性試験受託業務を終了

1994年 薬学部の一研究室となる。名称は摂南大学薬物安全科学研究所

1998年 卒業研究生への指導を開始

2002年 大学院生をはじめて受け入れる

2004年 名称を摂南大学薬学部病理学研究室と改称

2008年 3号館から6号館へ移転