情報システム応用Ｉ

簡易データベース

情報システム応用Ｉ

演習パートのソースコードを掲載します．
IE利用の場合，[表示]-[文字のサイズ]-[小]を推奨します．

1. 記述の基本

2. ポインタを理解する

3. 構造体・ファイル入出力

4. 簡易データベースを作ろう

1. 記述の基本

2年次の復習
関数の定義（記述）のしかたをチェックする．
データ型の取り扱いに注意する．

p00.c

#include <stdio.h>
int func1(int);

int main()
{
    int hige1;
    hige1 = func1(10);
    printf( "\nNumber\t%d\n\n", hige1 );
    
    return 0;
}

int func1( int value )
{
    value = value * 2;
    return value;
}


自分で定義した関数の宣言

何はともあれmainから

（自動）変数の宣言






関数を定義する


値(int)を返す．上2行まとめて，return value*2; としてもよい．

データ型を変更して，小数点も扱えるようにしてみよう．
変更箇所が多いですね．

p00a.c

#include <stdio.h>
double func1(int);

int main(){
    double hige1;
    hige1 = func1(11);
    printf( "\nNumber\t%lf\n\n", hige1 );

    return 0;
}

double func1( int value )
{
    double ret;
	
    ret = (double)value * 1.7;
    return ret;
 
}


func1の型をdouble型とする（引数はint型のままにする）


hige1もdouble型に
右辺と左辺の型が一致してます
書式もdouble型に対応




関数を定義する



「型キャスト」で両辺の型が一致．（今回はその場しのぎ..）
値(double型)を返す

コメント：

func1とfuncl（最後をエル）が混在していたソースが多かった...
それはさておき，警告・エラーメッセージを見る， なぜ警告・エラーが発生したのか考えることをぜひ習慣付けてください．

2. ポインタを理解する

いよいよポインタの世界に入ります．
その１：”アドレス"を理解する．

p01.c

#include <stdio.h>

int main()
{
    int value = 10;
    int *a;

    printf("&value\t--> %p\n", &value);
    printf("&a\t--> %p\n", &a );

    a = &value;
    printf("*a\t--> %d\n", *a );

    *a = 25;
    printf("value \t--> %d\n", value );

    return 0;
}








value のアドレスを確認
a のアドレスを確認

valueのアドレスをaに渡す
（ポインタ変数aを経由して）valueの内容を表示する

（ポイント変数aを経由して）valueの内容を書き換える

その２：内容ではなく「アドレス」を受け渡す．
p00.c の派生バージョン

p02.c

#include <stdio.h>
int func1(int *);

int main()
{
    int hige1;
    
    hige1 = 10;
    func1( &hige1 );
    printf( "\nNumber\t%d\n\n", hige1 );
    
    return 0;
}

int func1( int *value )
{
	*value = (*value) * 2;
}


自分で定義した関数の宣言．引数の型に注意！

何はともあれmainから

（自動）変数の宣言

初期値を10としておく．
hige1のアドレスを func1 の引数とする．




関数を定義する．


*value（つまりhige1の値）自身を2倍に更新する．

その３：ポインタはやはりアドレス．
10 20 30 40 50 を表示させる．
普通の配列表現とポインタによる表現の違いを見る．

p03.c

#include <stdio.h>

int main()
{
    int value[5], i;
    int *a;

    for ( i = 0 ; i < 5 ; i++ ) { 
        value[i] = 10*(i+1); 
        printf("\n%d", value[i]);
    }

    printf("\n-----");
    for ( a = &value[0] ; a != &value[5] ; a++ ) {
        printf("\n%d", *a);
    }

    printf("\n\n");
    return 0;
}










配列表現 value[i]の内容表示


単なる境界線

ポインタ表現 value[i]の内容表示

その４：データの受け渡しと書き換えに利用する．
キーワードは「read only」と「writable」．

p04.c

#include <stdio.h>

void swap( int *suwa, int *haru )
{
    int value;

    value = *suwa;	
    *suwa = *haru;
    *haru = value;
}

int main()
{
    int a=5, b=10;
    printf("\n%d\t%d", a, b );

    swap( &a, &b );
    printf("\n-----");
    printf("\n%d\t%d\n\n", a, b );
	
    return 0;
}

swap関数を使って，二つの変数の値を入れ換えます．













入れ換え前

aとbのアドレスを渡す
単なる境界線
入れ換え後

その５：配列とポインタの関係を見る．
「メモリ領域の動的確保」を学びます．

p05.c

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main()
{
    int *hige;
    int num=10, i;

    hige = malloc( sizeof( int) * num );

    for ( i = 0 ; i < num ; i++ ) { 
        *(hige +i) = i*10;
        printf("%d\n", hige[i] );
    } 

    return 0;
}


mallocを使うためにインクルードしておく．





malloc関数を使ってメモリを確保する．
  確保する大きさは，int型(4or8バイト)サイズのnum倍．

hige[i]=i*10; と同じ．
*(hige +i) としても同じ

3. 構造体・ファイル入出力

構造体を理解しよう
typedefでオリジナルのデータ型を作る．

p06.c

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

typedef struct {
  char *name;
  int age;
  double height;
  double weight;
} Person;

int main()
{
    Person p[2];
    int i;

    for ( i = 0 ; i < 2 ; i++ ) 
        p[i].name = (char *)malloc( sizeof(char) * 30 );

    p[0].name = "Kawano";
    p[0].age = 34;
    p[0].height = 170.3;
    p[0].weight = 54.8;

    p[1].name = "Suwa";
    p[1].age = 36;
    p[1].height = 175.3;
    p[1].weight = 68.1;

    for ( i = 0 ; i < 2 ; i++ ) {
        printf("\n%s\t", p[i].name );
        printf("(%d)\t", p[i].age );
        printf("height: %.1lf\t", p[i].height);
        printf("weight: %.1lf\t", p[i].weight );
    }

    printf("\n\n");

    return 0;
}


mallocを使うためにインクルードしておく．

Person型の構造体を定義する．下記4つのメンバ．
  名前 （メモリ確保が必要）
  年齢
  身長
  体重




Person型の変数を2つ用意する．  



名前の格納用にに30バイト分．

データ変数の場合は「．」（ドット）を使ってメンバを参照する．

入力：キーボードではなく，テキストファイルから．
出力：モニタではなく，テキストファイルへ．
以下のテキストファイルを用意してください．（数値を2つ，タブ区切りで．）
- ファイル名： data.txt
- 1行目： 1 (TAB区切り) 20000

p07.c

#include <stdio.h>

void swap( int *suwa, int *haru )
{
    int value;

    value = *suwa;	
    *suwa = *haru;
    *haru = value;
}

int main()
{
  FILE *fp;
  char filename[100];
  int a, b;

  sprintf( filename, "data.txt");
  printf("[%s]", filename);

  fp = fopen( filename, "r");
  if ( fp == NULL ) {
    fprintf( stderr, "\n\n[%s] cannot open!\n\n", filename );
    return -1;
  }

  fscanf( fp, "%d\t%d", &a, &b );
  fclose( fp);

  swap( &a, &b );

  fp = fopen( filename, "w");
  if ( fp == NULL ) {
    fprintf( stderr, "\n\n[%s] cannot open!\n\n", filename );
    return -1;
  }

  fprintf( fp, "%d %d", a, b );
  fclose( fp);

  return 0;
}



swap関数．p03.c参照のこと．










※ FILE構造体へのポインタ（ファイルポインタ）．
   ・ファイル入出力に関する情報を管理する．



   
   
fopen関数でファイルポインタを取得する．readonlyモードで．
読み込みエラーの処理も忘れずに．




データを読み込む．
入出力操作の終了とともに，fclose関数で必ずファイルを閉じる．



writeモードでファイルポインタを取得する．





データを書き込む．
flose()を忘れずに．

4. 簡易データベースを作ろう

ファイル構成: para.h （ヘッダファイル）; tdss.c （メインルーチン）; sample.txt （データベースファイル）; ※ 同じフォルダ下で作成すること．
実現する機能: データベース・ファイル（テキスト形式）の読み込み; データの新規追加; データの削除; データベースファイルへの書き出し
オプション機能: データの修正; 検索（名前，身長の最大値など）

まずはヘッダファイル para.h を作ろう．

para.h

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
#include <math.h>

#define Max( x, y ) ((x)>(y))?(x):(y)
#define Min( x, y ) ((x)<(y))?(x):(y)

typedef struct person_tag {
  char *name;
  int age;
  double height;
  double weight;
  struct person_tag *next;
} Person;

ヘッダファイルを取り込んでおく．
新たにstdlib.h（標準ライブラリ）と
string.h（文字列操作ライブラリ），
さらにはmath.h（数学ライブラリ）を追加している．

最大値と最小値を求めるマクロ．


構造体を宣言する．
 名前．文字列
 年齢．整数型
 身長．実数型
 体重．実数型
 次の人のデータを指すためのポインタ
Personという名の"自作の"データ型を定義する．

構造体とは何ぞや？
「データを体系的に管理する」こと，「オリジナルのデータ型を定義する」ことを学ぼう．

p08.c

#include "para.h"

void main( )
{
 Person *value;

  value = malloc( sizeof(Person));
  printf("\nSize of *name\t%d", sizeof(value->name) );
  printf("\nSize of age\t%d", sizeof(value->age) );
  printf("\nSize of height\t%d", sizeof(value->height) );
  printf("\nSize of weight\t%d", sizeof(value->weight) );
  printf("\nSize of *next\t%d", sizeof(value->next) );
  printf("\nSize of Person %d\n\n", sizeof( Person) );
}

para.h を取り込む．



Person型のポインタ変数を宣言する．


とりあえず一人分のデータを用意する（メモリ領域確保）
以下，構造体のメンバーの大きさ（サイズ）を表示する．

いよいよデータベース本体のプログラミングに入ります．続きはこちら．

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