平成22年度科学研究費補助金(若手A)プロジェクト

プロジェクトの概要

1995年1月17日、阪神・淡路大震災が起こった。この未曾有の自然災害の前に人々はなすすべもなかった。傷病者は町中にあふれかえり、どこで治療をしてもらえるのか、どうすればよいのか分からなかっただろう・・・。

それ以降、この苦い教訓を得て、国レベルで災害医療への対策が整備され、各病院においても災害医療に対する訓練を自主的に行うなど「災害時でも地域に医療を提供する」心意気が浸透し、昨今の地震災害時でも効果を発揮している。一方で、大地震災害直後では、災害拠点病院が災害医療活動を展開できるに十分な機能を保持している事、さらに重傷者を迅速に被災地外病院へ搬送できる事が重要であり、特に被災者数が膨大になる都心部においては、その対策が十分であるか、脆弱性はないか、の検証は困難である。

そこで本プロジェクトでは、阪神・淡路大震災の資料から「傷病者搬送状況」を抽出して人的被害想定とし、現在の阪神地域における災害拠点体制の検証を行う。また、本ホームページを開設することで、一般市民向けに災害医療活動のわかりやすい紹介を行い、関係者向けには災害医療に役立つ情報を発信する。