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摂南大学 現代社会学部

都市型公園の利活用を考える
プロジェクトイベントの報告

学生の視点が

新しい可能性をひらく、

都市型公園再発見プロジェクト

概要 OVERVIEW

学生の視点が新しい可能性をひらく、
都市型公園再発見プロジェクト

overview

大阪に数多く存在する都市型公園は、子どもだけでなく、学生や高齢者など幅広い世代が利用できる公共空間である一方、利活用の方法にはまだ多くの可能性が残されている。今回のプロジェクトでは「都市型公園をより多様で、より役立つ場所にするにはどうすればよいか」をテーマに、公園を“集う場”“役立つ場”として捉え直す取り組みを行いました。学生たちは、幼少期には身近だった公園をフィールドとして捉えなおし、情報収集やグループでの議論、公園管理者の方とのディスカッション、公園の現地見学を重ねながら、地域連携やコミュニティづくりに必要な要素を探究。その成果をアウトプットする場として、扇町公園でイベントを実施し、都市型公園の新たな利活用の可能性を提案・発表しました。

背景 BACKGROUND

幅広い世代が集う都市型公園が直面する
課題とその可能性

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本プロジェクトは、大学・企業・行政をつなぎ、産学官連携によるものづくりを支援する一般社団法人テラプロジェクトの協力のもと実施されました。舞台となったのは大阪市北区に位置する扇町公園。学生たちは、公園の管理会社である大和リース株式会社の方から公園の成り立ちやこれまでの歩みについて学ぶと共に自ら現地調査を行い、都市型公園が抱える課題を多角的に捉えていきました。
テラプロジェクトの峯平氏は「公園の利用から遠のきやすいのが学生時代。だからこそ、学生が主体的に公園の利活用に関わることで、新たなコミュニティやこれまでにない価値が生まれるのではないか」と語ります。都市型公園をどのようにアップデートしていくのか——その問いを学生とともに考えたいという想いが、このフィールドワークに参加した学生たちにも伝わりました。

活動内容:フィールドワーク

FIELDWORK

プロジェクトメンバーは1年生で構成された合計15名。
活動期間は2025年5月〜2026年1月。扇町公園の研究・調査から始まり、2025年12月20日にはみどり(植・食)をPRする「みどりをたてまツリーつくり」イベントを実施しました。

イベント実施までの道のり THE ROAD TO EVENT IMPLEMENTATION

学生たちがカタチにした
都市型公園での挑戦

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扇町公園でのフィールドワークは、学生たちが実際に公園へ足を運ぶことが重要でした。第一印象は「思っていたより人が少ない」というもの。しかしその気づきは「学生になってから公園に行く機会が減った」という彼ら自身の声と重なったのです。
利用されていない理由は、公園そのものではなく、使い方を知らないことにあるのではないか。それなら誰もが楽しみながら参加でき、公園に足を運ぶきっかけになるイベントを実施しようということになりました。
議論を重ねるなかで浮上したのが、以前から提案として挙がっていた「ペットボトルツリー」のアイデアでした。学生たちは試行錯誤を繰り返し、約400本の使用済みペットボトルを再利用し、直径約1メートル、高さ約2メートルのクリスマスツリーを制作するという具体案にたどり着きます。環境への配慮と視覚的なインパクトを兼ね備えたこの企画は、ペットボトルという身近なプラスチックを使ってツリーを作ることで「これをどう使うか」「どう減らせるか」を考える、学生ならではの柔軟な発想が詰まったものでした。
試験的にツリーを組み立ててみると、完成までにかかった時間は約4時間。当日、限られた時間のなかで完成できるかどうか、不安がよぎる場面もあったと言います。それでも今回のイベントを成功させたいという想いは揺るぐことはなく、仲間同士で支え合いながら準備を重ねた学生たち。その姿に大和リース株式会社の坂本氏やテラプロジェクトの峯平氏も驚かされ、刺激を受けたのだそうです。こうして学生たちの熱意と挑戦が積み重なり、イベント当日を迎えることとなりました。

イベント当日、そしてその先へ ON THE DAY OF THE EVENT, AND BEYOND

都市型公園が生んだ
新しいコミュニケーション

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イベント当日を迎えた学生たちの胸には、期待と同時に大きな不安がありました。果たして子どもたちは集まってくれるのか、そして楽しんでもらえるのか。準備を重ねてきたからこそ、その想いは強かったと言います。しかし開始時間になると、公園には少しずつ子どもたちの姿が見え始めます。学生たちの説明に耳を傾けながら、子どもたちは一生懸命にペットボトルツリーの制作に取り組み、会場は次第に笑顔と活気に包まれていきました。
特に印象的だったのは、イベントがなければ生まれなかった学生と子ども同士の交流です。初めて出会った子どもたちに自然と声をかけ、協力しながら作業を進めるごとに学生たちはプロジェクトの枠を超えた価値を実感した様子でした。自分たちの企画によって生まれた光景を目の当たりにし、想像以上の感動が学生たちの心に芽生えたのでしょう。
また今回のイベントを通して、学生たちの公園に対する考え方にも変化が生まれました。都市型公園の利活用というテーマに加え、ペットボトルの再利用を通した環境問題やSDGsについても、実体験として深く考える機会となったようです。教室やキャンパスを飛び出し、多くの人とコミュニケーションを重ねるなかで、学生一人ひとりが大きく成長した本プロジェクト。社会とつながる学びが、ひとつのビジネスモデルとして成立し得ることを示した取り組みとなりました。

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都市型公園の課題に挑んだ経験が、
学生たちの行動と視点を変える

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イベントを終え、テラプロジェクトの峯平氏は学生たちの変化をこう振り返ります。「今回のプロジェクトを通して、学生たちは思考も行動も大きく変わりました」。同世代の仲間が挑戦する姿に刺激を受け、自らも一歩踏み出す。子どもと自然に関わる学生、イベントを円滑に進めるために裏方に回る学生など、それぞれが自分の個性を発揮しながら役割を見つける姿に感銘を受けたと言います。そしてその経験は将来どのような職業に就いたとしても、社会をより良くしようと考える原動力になるはずだと確信につながりました。
峯平氏は、大学時代にこそ社会と触れ合い、実践を通して学ぶ機会を積極的につくってほしいと願っています。公園という身近な公共空間を舞台にしたこの取り組みは、学生たちの成長とともに、これからも広がり続けていきます。

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現代社会学部特任助教

中澤 芽衣先生

※掲載内容は取材当時のものです。