航空業界や観光ホスピタリティーに興味を持つ学生たちが、ANA総合研究所との連携授業を担当する塩﨑先生・沖中先生の引率で、関西国際空港の職場見学をしています。季節によって予定していた日程に気候条件などにより延期する場合もありますが、それでも待った甲斐のある非常に充実したプログラムとなります。(この記事では、対面で見学した年度の様子を紹介します。一部、現在では名称等、異なる場合があります。)
LCCのパワーを実感
関西国際空港にLCC向けのターミナル2が新しくできる、という年度には、まだ稼働準備中のオフィスにまで入れていただいて、文字通り裏側まで見学しました。今では、LCCのピーチ・アビエーションの業務について、保安区域にも入って見学が出来ます。その名称からlow costに注意がいきがちですが、従来の航空サービスとの違いは職務分担の工夫にもあり、それがサービスの圧倒的なスピードを生みます。入社してすぐに、さまざまな責任ある役割を任されることに、学生も興味を持ったようです。
安全な運行を支える数々の業務
ターミナル1では、ANAとANAが担当する海外の航空会社の業務について旅客カウンターや搭乗口で学びました。また、天気図が壁の一角を埋め尽くすステーションコントロール部門では、多数のモニター画面、空港に近づいてくる飛行機との英語の交信音など、生き物のように動く職場を実感しました。
客室部では、次のフライトに向けた乗務員のブリーフィングと呼ばれる会議が行われています。細かい気配りや対応の工夫が人から人へと共有され、また日英バイリンガルで業務を行うことに加えて、当日の行き先から推測できる搭乗客の多くが使う言語での挨拶を確認していることなどに驚いた学生も多かったようです。
参加した学生のコメント
「研修を受けることができてよかったです…私は元々グランドスタッフ(GS)にしか興味がありませんでした。しかし、他の仕事も教えていただけ、グランドハンドリングなど他の仕事にも興味が湧いてきました」
「自分のやりたいことなどが明確になりました」
「わかりやすく丁寧に説明してくださって、より一層ここで働きたい…働いて学びたいという気持ちが増しました」
「[搭乗するお客様に合わせて使える]言語が違う人をアサインしておくと、もしものときに対応できる、というのも初めて知りました」
「お客様からの満足できたという声がもらえるようにという点に焦点を置いて話し合いをしていたことが印象に残った…いつも快適に安全にフライトができているのは念入りなブリーフィングのおかげなんだと思った」
「空にいる人と陸上にいる人が1つになって初めて飛行機は飛べている」
在校生の中でも先輩と情報共有
最近の見学プログラムでは最後に若手社員と学生の座談会があり、就職に向けて学生時代にやっておけばよかったと思うことなどを、学生たちが直に尋ねることができました。このような見学会やインターンシップを経て、学内で授業外にも丁寧な個別指導を受けた4年生は、航空関連企業やホスピタリティ業界から内定をいただきます。そして、その経験をもとに、上級生が下級生に業界研究や就職活動の経験を共有する会が開かれます。