これまでの研究テーマ
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在来作物のブランディング・産地形成のプロセスと仕組み
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作物の育種、品種転換とその地域的・空間的諸条件について
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イノベーションの地理学、進化的アプローチによる農業地理学方法論の検討
私の問題意識
- 国内の食料安全保障の脆弱性および地域社会の衰退状況から、「農業がいかにして社会の変化に適応しつつ存続できるか」という問題意識をもち、研究を始めました。
- その後、そこから発展し、農業分野のイノベーションとその条件について検討するようになりました。博論の主要なテーマに据えました。
- 最近は、イノベーション形態の多様性や歴史依存性、まちづくり分野におけるイノベーションなどにも関心を広げています。
対象や方法論の特徴
- これまでの研究の枠組みの主たる特徴は、知識・技術・人材・ネットワークを農業の発展基盤に据えている点です。
- 地域的ごとに実に多様である農業の存続にとって、ローカルな生産知識の喪失は致命的となるほか、人材とコミュニティは、マクロな社会の変化に適応するための「イノベーション」を生むために不可欠です。こうした前提のもと、知識と人に着目し、フィールドワークを通じて農業の動態を解明する方法を開拓してきました。
- 一方でイノベーション・スタディーズの本流はハイテク産業ベースでしたので、農業分野から批判的に検討し、発信する必要があると感じています。また、市民レベルからのボトムアップの革新にももっと目を向ける必要があります。