明治維新に始まる日本近代国家の建設の中で、政府要人の服装も洋風化が進められ明治5年に宮中儀式の礼服として、太政官布告による大礼服制度が制定されました。
摂南大学図書館本館1階マルチメディアフロアに展示している大礼服は、明治末期から昭和初期にかけて全国各地で裁判所判事、部長、所長として活躍した橘川喜三次氏が着用していたもので、平成13年に同氏の孫にあたる橘川武宏氏(芦屋市在住)から本学に寄贈されました。
橘川喜三次氏は、作家・山本禾太郎(やまもとのぎたろう)が大正期に実在の刑事事件を題材にした推理小説「小笛事件」(こふえじけん)に実名で登場しています。
なお、昭和20年の敗戦により大日本帝国憲法とともに大礼服制度が廃止され、大礼服を着用する機会はなくなりました。
平成13年12月 摂南大学
参考資料:「日本洋服史 ―― 一世紀の歩みと未来展望」
※写真をクリックすると詳細部分についてご覧いただけます。