コース紹介
2年次進級時に「ビジネス経済コース」、「金融・不動産経済コース」、「地域経済コース」、「観光経済コース」、「国際経済コース」の5コースから1コースを選択します。ただし、選択したコースの科目だけでなく将来の目的や目指す職業、興味関心に応じて、他のコースの科目も自由に履修することができます。さらに共通プログラムの「経済データサイエンスプログラム」の科目を組み合わせることで、学びの可能性はさらに拡がります。
ビジネス経済
コース
デジタル化やAIでアメリカに遅れをとったことが日本経済の停滞の大きな一因となっています。かつて繫栄した製造業は新興国に追い越される業種が続出しています。また電子商取引やSNSが発展して、流通業やマスコミなどのサービス業も変化しています。さらには人口減少に伴う需要減少や労働力不足も生じています。こうしたなか日本経済の閉塞感を打ち破り、活力ある企業、豊かな日本経済を取り戻すことが望まれています。経済学の理論、さまざまな市場や産業の歴史と現状そして政策について学び、若者の斬新なアイデアを取り入れることで、ビジネス戦略の企画力と実践力を有する有為な人材となり、企業、産業や地域、そして経済全体の発展に貢献することが期待されます。

人材育成目標
製造業や流通業など諸産業における企業行動や市場分析、イノベーション、起業などについて学びます。合理的経済人を想定した従来の経済学に加え、心理学を駆使した行動経済学や実験経済学といった注目の分野も取り入れ、幅広く学修します。また、豊富な演習によって、経済の理論を実際のビジネスに応用するための手法を学び、実践的な人材の育成を行います。
卒業後の進路
製造業、流通業、サービス業、商社、銀行や証券、起業など
金融・不動産
経済コース
経済の血液ともいわれる金融は資金を貸し手から借り手に融通することで企業や経済の発展に貢献しています。また不動産は実物資産の最たるものであり、株式、債券、貨幣といった金融資産とともに、個人や企業、国の富の蓄積となっています。金融資産と不動産は資産の保有において代替的なものであり、現在は不動産の証券化も進んで、金融・証券業と不動産業は垣根を越えて一体化しています。金融と不動産の両方を学ぶことは現代の金融経済で強く求められているのに、なぜか大学教育では進んでいません。金融と不動産をともに学ぶことの意義はとても大きいです。このフロンティアに立ち、金融と不動産のプロフェッショナルとして社会で活躍することが期待されます。

人材育成目標
金融・証券ビジネス、不動産ビジネス、金融投資などについて学びます。また、ファイナンシャル・プランナー(FP)や宅地建物取引士(宅建)など、関連する資格取得の支援も行い、金融・不動産業界において即戦力となる人材を育成します。昨今、金融業と不動産業は融合しているため、セットで学修することによって多面的な学修が可能となり、より実践的な力を養います。
卒業後の進路
銀行や証券、保険、不動産業、建設業など
地域経済コース
高度経済成長のもとに社会の都市化が進んだ日本ですが、近年、経済活動のグローバリゼーションと少子高齢化により、地域社会は大きく変化しました。都市における活動の集積や世界経済との接合は、グローバルな視点を持ちながらもローカルな考察が必要とされています。世界市場で高い評価を受けている中小企業がある一方、海外との競争に痛手を受けている企業もあります。人口流出による過疎が進む地域では、自然環境を保全しながらも生活環境を整えることが重要です。日本は、高齢化の中で保健医療、育児・教育、休養・娯楽などの社会的基盤を構築し、地域を活性化させるという課題に直面しています。このような課題解決には大きなニーズがあり、若い人々の活躍が期待される領域です。

人材育成目標
経済学の知見を基盤として、経済活動の地域的な連関やその構造変動を理解し、地域社会の持続可能性を捉える人材、また自然・文化環境とコミュニティの中で維持される基盤を支えうる人材を育成します。さらに、地方自治体や地域の企業、金融、サービス業など、ダイナミックに拡大する産業のニーズに応えることのできる人材を養成します。
卒業後の進路
地方自治体、商社、金融、不動産、流通業など
観光経済コース
世界各地での観光需要が急増している現在、日本も世界中の人たちから訪れたい場所として注目されています。観光客は様々な土地を訪れ、観光行動による消費を行うため、観光によって少子高齢化や人口減少に悩む地方でも経済活動の活性化を期待することができます。関西は豊かな食文化や地域資源に恵まれており、外国からの観光客が増加の一途をたどっています。観光は余暇活動を充実させ、人生を豊かにするだけでなく、人々の交流を通して、平和を促進する産業でもあります。日本の課題解決の一助にもなることを期待されている観光はますますの発展が期待されており、人材育成も急務となっています。

人材育成目標
観光振興をいかに地域の活性化につなげるかを経済的・経営的な視点から考え、実践できる人材を育成します。特に、観光産業の実務的知識だけでなく、その背景となる地理・文化・歴史的知識の理解を深めるとともに、観光産業の経営面・経済面を理解し、その課題を解決しうる経済学的知見を修得した実践的に活躍できる人材を育成します。
卒業後の進路
旅行会社、ホテル、地方自治体、ウェディングサービス業など
国際経済コース
世界経済は、グローバルな金融恐慌などの試練を経ながらも振興経済大国の成長とともにダイナミックに発展し、急激なスピードで変化しています。日本の将来はこの変化に対応し、世界経済といかに連携していくかにかかっています。優れた技術と人的資源を有する日本には新しいビジネスチャンスがあります。国際協力を通じて人類の福祉の向上に貢献することが可能ですし、世界各地で人気を博しているアニメなどの日本の若者文化は、まさに日本にとってのビジネスチャンスと言えるでしょう。これらのチャンスを生かすためには、多国間にまたがる経済活動に焦点をあて、そのメカニズムを理解することが求められています。そして、日本が世界経済の中で再び存在感を示すことが期待されています。

人材育成目標
国際貿易、国際金融、国際協力、開発経済などに関する経済学の基礎理論を理解したうえで、海外でのフィールドワークなどの体験的な学修や研究活動を通じて、多様性への理解や視野を広げることを目指します。また、国際的なコミュニケーション能力を身に着けることを目的とした教育を行うことで、多様な国際社会の要請に応えられる実践的な人材を育成します。
卒業後の進路
商社、金融、国際機関、NGOなど
経済データサイエンスプログラム
(共通プログラム)
データサイエンスや人工知能は単なる技術を超え、企業の競争優位のみならず国家の盛衰にまで影響を及ぼしうるものとしてその動向が注目されていますが、実は経済学とは切っても切れない関係にあります。「データサイエンティスト」という言葉を爆発的に広めたのは理論経済学の研究者であり、人工知能の根幹である「学習」には、経済学研究の中で発展してきた技術がふんだんに使われています。コア科目で学んだ経済学原理と各コースで実践的に学ぶ知見に、データ解析や機械学習の技術・アイデアを結び付けられる人材は、社会においてこれからますます求められていくことは間違いありません。経済学とデータサイエンスの知見を兼ね備えた人材は業種を問わず求められますが、特に新製品・サービス企画および起業との親和性は高いでしょう

人材育成目標
人工知能のように主流の技術が目まぐるしく変わる分野においては、そのときの流行を無暗に追いかけるのは効果的ではありません。本プログラムでは、プログラミング言語を用いてその根幹となる技術を習得したうえで、経済学の各分野とのデータサイエンスや機械学習等との関連について実践的に学ぶことにより、経済学の知識・知見を持ちながらそれを実践的に形にしていける人材の育成を目標としています。