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2023.12.25
▶お知らせ小塚匡文教授の共著論文がJournal of The Japanese and International Economies に掲載されました。
経済学部の小塚匡文教授の共著論文“Stock market response to public investment under the zero lower bound: Cross-industry evidence from Japan”(宮崎智視・神戸大学教授、平賀一希・名古屋市立大学准教授との共著)がJournal of The Japanese and International Economies (2023年のインパクトファクターは2.9)に掲載されました。
この論文では、公共投資が株式市場に及ぼす影響を検証しています。特に、ゼロ金利期とそれ以外の時期でその影響を比較し、さらに製造業と非製造業の株式のデータを用いて検証しています。実証分析に際しては、公共投資ショックをBernanke et al.(2005)によるFAVARモデルを用いて抽出しています。さらに、Jorda(2005)で提唱されたLocal Projection Methodに適用してインパルス応答関数を推計することで、公共投資ショックの株式投資収益率への影響を計測しています。実証分析の結果、ゼロ金利政策下では公共投資ショックが株式投資収益率に対して大きく影響を及ぼしており、この傾向はそれ以外に時期には観測されなかったことが示されました。さらに、製造業の株式投資収益率についてはインパルス応答関数が有意に正であることも示されました。これらの結果をもとにして、この研究では、政府がゼロ金利下で株式市場を下支えするために公共投資を増やすべきであること、そして経済が流動性の罠に陥るおそれがなくなればその動きを抑えるべきである、と提唱しています。
掲載サイト
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0889158323000576?via%3Dihub