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2024.05.22

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郭進教授の共著論文が国際学術専門誌Energy Economicsに掲載されました

 経済学部の郭進教授の共著論文「Understanding the spillover effects of ethanol production and energy prices on African food markets: A time-varying approach」が、エネルギー経済学分野のトップジャーナルであるEnergy Economics(2023年のインパクトファクター: 12.8)に掲載されました。

 いま、国際紛争やパンデミックなどの世界的な不確実性の中で、アフリカ諸国は食料安全保障を実現することがますます困難になっています。
 この論文では、最新の計量経済分析を用いて、バイオ燃料生産や農産物に対する投機などの外部要因が、アフリカのエチオピア、ガーナ、南アフリカ、タンザニアの国内食料価格に与える影響をそれぞれ分析しました。論文の結果からは、バイオ燃料生産がすべての4つのアフリカ諸国の国内食料価格に影響を与え、特に2011年から2012年にかけてその影響が顕著であることが明白になりました。また、エチオピアとタンザニアに比べ、ガーナと南アフリカの国内食料価格は農産物に対する投機からより大きな影響を受けていることが明らかになりました。さらに、国際エネルギー価格の動向が、アフリカ諸国の国内食料価格の変動に重要な役割を果たしていることが示されました。
 これらの結論から、アフリカ諸国の国内食料価格の安定化を図るためには、アメリカでのバイオ燃料生産に関する促進策の再検討が求められています。また、アフリカ諸国の食料安全保障を実現するためには、国際農産物市場に対する投機を抑制し、国際エネルギー価格の安定化が必要であることを示唆しています。
 本研究は、日本学術振興会(JSPS)科研費24K09100(研究代表者:郭 進)の助成を受けたものです。
 
論文のリンク先:
https://doi.org/10.1016/j.eneco.2024.107583