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2025.06.28
▶講義・フィールドワーク「財政学」授業において前財務総合政策研究所所長による講演が行われました
6月16日、経済学部の授業「財政学」(担当:名方佳寿子准教授)において前財務総合政策研究所所長の渡部晶氏をお招きし「日本の財政政策及び財務省をめぐる諸課題~1987年から2024年までの役所勤務を踏まえて」と題した講演が行われました。
講演では、(1)近年日本が他の先進諸国と比較すると、国民負担率に比べて社会保障の恩恵の割合が高いことを示し、受益と負担の関係性を考えると今後税収を増やすか社会保障の削減が必要であること、(2)日本の財政収支は黒字はおろか、プライマリーバランスを守ることすらできておらず、累積赤字のGDP比率が先進国の中でも最悪の水準で極めて深刻な状況であること、(3)日本の40年国債の利回りが近年高くなる傾向があり、将来利子負担が増加する懸念があり、国債の格下げが行われると民間企業に悪影響が出ること、(4)所得税の103万円の壁の根拠を説明し、特定扶養控除の制度の見なおしがされることについて解説されました。また、今後については多額の累積赤字を懸念し、将来世代に負担が多く残されるのではないかと話されました。
講演後、学生からは、消費税をあげる場合は何%にする必要があるか、今後どのような増税がされると考えられるか?、なぜ日本は法人税率が高いのか、今後高齢化がさらに進み増税が難しい中どのような対策が必要かなど、税金や社会保障に関する多くの質問が相次ぎ、大盛況に終わりました。


