葉緑体やミトコンドリアはシアノバクテリアや好気性細菌が原始真核細胞に入り込み、細胞内部に共生することによって誕生したことは細胞内共生説としてよく知られています。
それでは、細胞内共生はどのように進行していったのでしょうか?
この進化の謎に、池や湖に生息する光合成を行う有殻アメーバと巨大DNAウイルスのゲノム解析から迫ります。
有殻アメーバのポーリネラ ミクロポラ(Paulinella micropora)
10μmほどの大きさのガラスの殻を持つ光合成を行うアメーバで、細胞の中にソーセージ状の光合成を行う細胞小器官、クロマトフォアを持つ。
クロマトフォアは、葉緑体と同様にシアノバクテリアの細胞内共生によって誕生したオルガネラであるが、
由来となったシアノバクテリアの種類は葉緑体と全く異なる。
クロマトフォアは約1億年前に、海洋性シアノバクテリアSynechoccocusの仲間が有殻アメーバに共生することで誕生したと考えられている。
一方、葉緑体は10億年以上前にGloeomargariaと呼ばれるシアノバクテリアの仲間が原始真核細胞に細胞内共生することで誕生した推定されている。
葉緑体が10億年以上前に誕生したのに対し、
クロマトフォアは、葉緑体のたった10分の1以下しか共生進化の歴史を経ていない。
そのためポーリネラ ミクロポラは、細胞内共生進化の初期段階にある若い光合成生物と考えられている。
植物は環境ストレスに曝されると活性酸素種を作ります。活性酸素種は、シグナルとして傷害を受けた部位からそれ以外の部位へと伝達されていき、最終的に植物に様々なストレス防御応答を引き起こします。 この活性酸素シグナルを介した全身性ストレス応答に関連する遺伝子の機能を調べ、ゲノム育種による高いストレス耐性能を持つ作物の作出を試みます。