特別講演

医薬連携で推進する統合失調症の
トランスレーショナルリサーチ-
 藤田医科大学 精神神経病態解明センター
 山田 清文
<職歴>
昭和58年大塚製薬(株)徳島研究所 研究員
(平成5年3月まで)
昭和62年米国ジョンズホプキンス大学医学部留学 訪問研究員
(平成元年5月まで)
平成5年名古屋大学医学部附属病院薬剤部 文部技官薬剤師
平成10年名古屋大学医学部附属病院 助教授・副薬剤部長(併任) 
名古屋大学医学部附属病院 副臨床治験管理センター長(兼務)
平成14年金沢大学薬学部 教授
同 大学院自然科学研究科医療薬学専攻 専攻長
平成16年金沢大学大学院自然科学研究科 教授
(部局化に伴う配置換え)
平成18年金沢大学薬学部薬学科長
平成19年名古屋大学医学部附属病院 教授・薬剤部長(併任)
名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学 教授
名古屋大学医学部附属病院 病院長補佐
令和6年名古屋大学 名誉教授
藤田医科大学・精神神経病態解明センター 客員教授
<受賞歴>
平成9年第12回 日本薬理学会 学術奨励賞受賞
「学習記憶過程における一酸化窒素の役割に関する研究」
平成20年平成20年度 日本薬学会 学術振興賞
「学習記憶および情動の制御機構と異常に関する神経精神薬理学的研究」
平成29年日本学術振興会 科学研究費助成事業 審査委員表彰
令和元年日本医療薬学会 功績賞
令和4年日本医療薬学会 日本医療薬学会賞
「遺伝および環境要因を踏まえた神経精神疾患モデルの創出と医療薬学研究への応用」
令和5年日本病院薬剤師会 病院薬学賞
職歴受賞歴
昭和58年大塚製薬(株)徳島研究所 研究員(平成5年3月まで)平成9年第12回 日本薬理学会 学術奨励賞受賞
昭和62年米国ジョンズホプキンス大学医学部留学 訪問研究員(平成元年5月まで)  「学習記憶過程における一酸化窒素の役割に関する研究」
平成5年名古屋大学医学部附属病院薬剤部 文部技官薬剤師平成20年平成20年度 日本薬学会 学術振興賞
平成10年名古屋大学医学部附属病院 助教授・副薬剤部長(併任) 「学習記憶および情動の制御機構と異常に関する神経精神薬理学的研究」
名古屋大学医学部附属病院 副臨床治験管理センター長(兼務)平成29年日本学術振興会 科学研究費助成事業 審査委員表彰
平成14年金沢大学薬学部 教授令和元年日本医療薬学会 功績賞
同 大学院自然科学研究科医療薬学専攻 専攻長令和4年日本医療薬学会 日本医療薬学会賞
平成16年金沢大学大学院自然科学研究科 教授(部局化に伴う配置換え)「遺伝および環境要因を踏まえた神経精神疾患モデルの創出と医療薬学研究への応用」
平成18年金沢大学薬学部薬学科長令和5年日本病院薬剤師会 病院薬学賞
平成19年名古屋大学医学部附属病院 教授・薬剤部長(併任)
名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学 教授
名古屋大学医学部附属病院 病院長補佐
令和6年名古屋大学 名誉教授
藤田医科大学・精神神経病態解明センター 客員教授
要旨
統合失調症(SCZ)は10代後半から30代にかけて発症する代表的な精神疾患であり、幻覚妄想などの陽性症状、感情平板化などの陰性症状と認知障害を示す。この重篤な精神疾患のアンメッドメディカルニーズは高く、特に陰性症状や認知障害に有効な抗精神病薬の開発は喫緊の課題である。SCZの病因は不明であるが、その発症には遺伝要因の影響が大きく、現在、世界中で疾患関連遺伝子の解析が進められている。名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学分野の尾崎紀夫教授を中心とする研究グループは、エフェクトサイズの大きい遺伝子バリアントとして日本人SCZ患者のコピー数バリアント (CNV) の解析を進めており、我々は、尾崎らと共同でCNV解析の結果を基点としたトランスレーショナルリサーチを行っている。本講演では、(1)日本人SCZ患者から同定されたARHGAP10遺伝子欠失バリアントを模倣したSCZモデルマウスおよび同患者由来iPS細胞を分化誘導したSCZモデル神経細胞の解析を通して明らかにしたRhoキナーゼ阻害薬の抗精神病薬様作用(ゲノム創薬)、(2)RELN遺伝子欠失バリアントを模したSCZモデルマウスにおける脳内リン酸化タンパク質の網羅的解析から同定したReelinの新規下流シグナル分子Twinfilin-1のリン酸化による機能制御と脳神経発達への影響について紹介する。
<要旨>
統合失調症(SCZ)は10代後半から30代にかけて発症する代表的な精神疾患であり、幻覚妄想などの陽性症状、感情平板化などの陰性症状と認知障害を示す。この重篤な精神疾患のアンメッドメディカルニーズは高く、特に陰性症状や認知障害に有効な抗精神病薬の開発は喫緊の課題である。SCZの病因は不明であるが、その発症には遺伝要因の影響が大きく、現在、世界中で疾患関連遺伝子の解析が進められている。名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学分野の尾崎紀夫教授を中心とする研究グループは、エフェクトサイズの大きい遺伝子バリアントとして日本人SCZ患者のコピー数バリアント (CNV) の解析を進めており、我々は、尾崎らと共同でCNV解析の結果を基点としたトランスレーショナルリサーチを行っている。本講演では、(1)日本人SCZ患者から同定されたARHGAP10遺伝子欠失バリアントを模倣したSCZモデルマウスおよび同患者由来iPS細胞を分化誘導したSCZモデル神経細胞の解析を通して明らかにしたRhoキナーゼ阻害薬の抗精神病薬様作用(ゲノム創薬)、(2)RELN遺伝子欠失バリアントを模したSCZモデルマウスにおける脳内リン酸化タンパク質の網羅的解析から同定したReelinの新規下流シグナル分子Twinfilin-1のリン酸化による機能制御と脳神経発達への影響について紹介する。