環境にやさしい生産を目指して

本研究室では,生産設備の運用管理から加工技術まで,あらゆる視点から省エネルギー・低環境負荷につながる技術を開発します。(一部,あんまり関係ない研究もあります)


マイクロテクスチャによる切削加工面の機能性向上

良い加工面とはどのようなもでしょうか?寸法精度が高く,表面粗さが小さいことは非常に重要です。それに加えて,所望の特性を付与することも,加工の重要な役割です。当研究室では,切削加工面に意図的に凹凸を創成することによって,光沢や撥水性を付与・向上する方法を考えます。これによって,後工程の表面処理などが少なくなれば,環境負荷の排出を抑制できます。

*大阪工業大学との共同研究が含まれます。

5axis

難削材加工技術の開発

超硬合金などといった難削材を切削加工すると,工具はすぐに損耗します。工具の製造時に排出される環境負荷は多大ですから,地球のためには工具を長持ちさせることが重要です。加工中の工具刃先に何が起こっているのか?なぜ摩耗するのか?そのメカニズムを,実験と分析を通して明らかにします。そのうえで,工具の損耗を抑える方法を理論的に考えます。

*ダイジェット工業株式会社,および本学諏訪研究室との共同研究が含まれます。

消費エネルギーおよび環境負荷を低減する工作機械運用計画立案手法の開発

これまで多くの技術者が,工作機械ごとに最適な使い方を考えて,省エネを目指してきました。しかしながら,個々の省エネ最適化が,工場全体の省エネ最適化につながるとは限りません。本研究室では,複数の工作機械で構成される生産システムを対象に,デマンド値(単位時間あたりの平均消費電力)の抑制や環境負荷の低減を指向する生産計画立案手法を開発しています。

*本学諏訪研究室との共同研究が含まれます。

EP

工作機械の消費エネルギーおよび環境負荷の評価手法の開発

生産計画を立てるには,将来の消費エネルギーや,環境負荷排出量を知っている必要があります。本研究室は,エネルギー密度と材料除去率の関係性に着目した工作機械の消費電力モデルを構築しました。現在はこのモデルを拡張し,環境負荷排出量を予測可能とするモデルの構築をめざしています。

*本学諏訪研究室との共同研究が含まれます。

predict

クルマエビ陸上養殖技術の開発

エビの陸上養殖では,数ミリ程度の稚エビ(プランクトン)をたくさん仕入れ,数十センチになるまで成長させます。この途中で水槽が手狭になることから,定期的に間引き(出荷)が行われます。このとき,最終的により大きくなる雌を選別して残すことができれば,利益の最大化が狙えます。そこで本研究室では,AIによる画像診断を活用し,クルマエビの雄雌を判定する技術の開発を目指します。最も困難で重要なことは,大量の学習用画像データを準備することであり,そのためには学内でのエビの飼育が不可欠です。

*HOT株式会社(泉佐野市),大阪工業大学 杉川研と連携し,取り組みます。

ebi

その他

これまでに,複合フィルムのせん断における欠陥抑制や,放電加工による酸化を用いた濡れ性制御など,さまざまな加工に関する研究を行ってきました。また,2024年度は2足歩行ロボットを開発しロボワンへの出場を目指すなど,加工とは無関係な研究も一部行っています。