★ CONTENTS ★
一 冊 の 本
国際言語文化学部 教授
上島 有
私は車で通学しているが、その途中信号待ちの若いトラックなどの運転手が、わずか1分か1分半の赤信号の間に、大急ぎで分厚い漫画の本を読んでいるのをよくみかける。おそらく渋滞などのときの、いらいら解消の「良薬」なのであろう。そういえば、私の大教室での講義のとき、後ろのほうの席で、私が注意しているのにも気づかず、漫画を読みふけっている学生がいた。京阪や阪急の車中には、よく漫画が読み捨ててあるし、わが摂南大学の教室でもときどきそれをみかける。これも一冊の本である。しかも、どうやら静かなブームをよんでいるらしい。
いま、NHK大河ドラマの影響で「太平記」に関する本が売れている。いつか、大阪梅田の紀伊国屋で「太平記」の特集コーナーを設けたこともあった。私はちょうどこの時代の歴史を勉強している関係で、できるだけそれを集めることにしている。本当に読み応えのある本もあるが、たいていは「いまでき」の「やっつけ仕事」のものである。いかにも大河ドラマ放映が決定してから、大急ぎで作ったといったものが多い。なかには、同じ文章を3冊の別の本に収めている猛者もいる。同じような本なので、どれを買ったのか忘れてしまって二重になったものもある。これも一冊の本である。
私の書斎の書棚に、相田二郎『日本の古文書』上下がある。上のほうの奥付をみると第一刷が昭和24年発行で、私のものは第二刷で昭和29年の刊行である。昭和29年といえば、私が大学を出てから4・5年の頃である。しかし、紙はまだそれほど上質のものではなく、薄くて少し黄ばんでおり、戦後紙不足の頃の画仙紙を連想させるものである。
それ以来、35年以上も私はこの本を座右において、常にその教えを受けている。したがって、製本も少しガタがきているが、まだ使えないことはない。本の内容は部分的には修正をしなければならない点もあるが、全体として現在でもこの書物を凌駕する古文書学の研究所はみあたらない。古文書学を専攻する私は、3日か4日に一度は必ず繙(ひもと)かなければならない本である。不朽の名著であるから、現在もきちっとした装丁で、良質の用紙を使って再版を重ねているが(ただし、専門が限られているので毎年売れるのはごく僅かである)、私はまだまだ、この少し黒ずんだ『日本の古文書』のお世話にならなければならない。これも一冊の本である。
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「顔」のないジャズ
経営情報学部 教授
伊藤 研一
いま、ウエストコーストが巻き返しを図っているらしい。といっても、リゾート地の話ではない。ジャズである。このところ、ジャズがブームらしい。そういえば、夏になると、有名無名を問わずかなりの避暑地でフェスティバルが開かれている。だが、会場にいったことはない。燦々と降り注ぐ陽光が私にとってはあまりにも目映く、また大きなお世話ではあろうが、聴衆の姿勢が妙に不自然に見え、一部に見られるリズム感の乏しさに至っては気恥ずかしさを通り越して何とも腹立たしくなってくるからである。だから、見に行かない。だが、ビデオに撮り、しっかりは見ている。それも、ナイターの消化試合の放送時間を気にしながら。予定通り番組が始まったことがない。見なければ腹も立つことはないのに、いかにも屈折している。そして、始末の悪いことに、この屈折した姿勢、態度こそがジャズファンの真骨頂だとかたくなに思い込んでいる。もちろん、屈折しすぎてはいけないことは一応承知している。日常生活に支障が出てくるからである。日常生活を辛うじて過ごせる程度の屈折、この微妙な「危うさ」がジャズに溺れる人間の特質だと勝手に信じ込んでいる。
私にとって「ジャズ」とはそもそも「危うい」音楽である。演奏者にはしっかりと危ない雰囲気がまとわりつき、聞き手も間違いなくうさんくさい。演奏される場所は、あくまでも薄暗く、汚く、そして紫煙の漂う、都市スラムの一角、それも地下に位置する。この三者が揃って限りなく危なく奏でられていた一発勝負の音楽こそ、ジャズであり、それ以外はジャズではない。真っ昼間に聞くなど、とんでもない。まして、絵にもならない乗りなど、とうてい許しがたい聞き方である。だから、見に行かない。自分で楽しめる状況を作るしかない。哀しいほど狭いという条件さえ我慢できれば(悲しいことに我慢するしかない)、自宅で聞くのが一番である。私の好きなジャズは50年代のそれである。レーベルでいうと、コテコテのジャズを聞かせてくれるブルーノートを筆頭に、プレスティッジ、リバーサイドが好きである。イーストコーストジャズが好みである。だが、コンテンポラリー、パシフィックを中心レーベルとするウエストコーストも捨てがたい。見たことはないが、カリフォルニアの抜けるような空の青さを感じさせてくれる洒落たジャズである。どちらも、ジャズがもっともジャズらしかった頃の雰囲気を伝えてくれる。イーストコーストが一目置かれている不良風であるならば、他方は育ちはいいがちょっと不良っぽい青年という印象を与えてくれる。いずれも危ういところがたまらない。
だが、「危ない」音楽だったジャズが「健全な」娯楽になりかけている。昨今のジャズブームのひとつの効用は、陽射しの中にジャズを押し出したことであろう。だが、いってみれば、24時間いつでも聞けるようになってきたということは、その危うさがなくなってきたということでもある。危うさを醸し出させていたものこそジャズメン、聞き手、場所の個性であるが、その個性がなくなりだしている。もっとも個性を失ったのは、何も最近のことでない。ずいぶん以前である。一般論でいうと、ビッチェス・ブリューを契機とするいわゆるフュージョンの台頭で、ジャズはジャズであることを止めた。私自身は時期について大いに異論はあるが、それはともかく、一世を風靡したあのウェザーリポートは間違いなく消えた。壮絶な死を遂げたジャコも、今では見向きもされない。その理由は簡単である。危うさを産んだ個性がなくなり、音楽の顔が不気味な能面になったからである。ファン層こそ増えたらしいが、それによってますます顔、個性の区別がつかなくなった。陽射しの中で演奏されているジャズも、その延長線上にある。ファン層の拡大という点ではフュージョンより質が悪い。まったく個性がなくなっている。陽光直下のお祭りで奏でられている音楽はジャズではない。
バブルの崩壊に喘ぎだした日本株式会社にも「顔」がないと評される。特に欧米の人々がこうした印象を抱くらしい。最近ではヨーロッパの気位の高いある国の首相が、日本をアリの国に例えてくれた。真正面から反論した政治家もいたし、ウィットで返した政治家もいた。アリがどのように反応するのか聞いてみたくもあるが、アリに問うまでもなく、われわれもそろそろ生き方の軌道修正をしてもいい時期に来ているように思われる。少なくとも個性的な、存在感のあるアリにはなれそうな時期にきている。「顔」のないジャズは消滅した。たかがジャズ、されどジャズ。
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トラベルガイドが勢ぞろい!!
湾岸戦争で一時的に落ち込んだ海外旅行者も回復し、旅行ブームはとどまるところを知りません。国内・海外を問わず、旅行に出かける学生諸君も多いことでしょう。
そこで、本館では普通図書室(6F)に世界各国・国内各地の観光・宿泊・グルメなど旅に関する情報を満載したガイドブック類を集めてみました。
配架場所は普通図書室入口から入ってすぐ右手の書架です。どうぞあなたの旅行プランに役立ててください。
<国内>
・エリアガイド(79冊)
・Uガイド(41冊)
・マップルガイド(30冊)
・車で行って遊んで泊まる(8冊)
・日本旅文庫(33冊)
・レジャーガイド(16冊)
・味シリーズ(25冊)
(以上昭文社)
・ブルーガイドパック(29冊)
・NEWブルーガイドブックス(34冊)
・ブルーガイドL(29冊)
(以上実業之日本社)
<海外>
・エアリアガイド(59冊)
・海外旅文庫(13冊)
・海外フリータイムガイド(15冊)
・海外旅ムック(3冊)
・海外旅行会話辞典(8冊)
・海外たべあるきショッピング(10冊)
・海外旅のデータバンク(5冊)
(以上昭文社)
・ブルーガイド海外版(7冊)
・ブルーガイドパックワールド(14冊)
・ブルーガイドパシフィカ(8冊)
・ブルーガイド旅行会話パック(7冊)
(以上実業之日本社)
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秋の推薦図書 大特集!!
毎年恒例の秋の推薦図書特集をお届けします各学部の先生方にはご協力をお願いし、17冊の推薦をいただきました。今回紹介した図書は、図書館すべて揃えていますのでどんどん利用してください。
@『ノーベル賞の光と陰』 科学朝日編(朝日新聞社) A『宇宙の大構造と銀河』 池内了著(丸善) |
工学部 助教授 田口 俊弘 |
@ノーベル賞受賞の裏話に関する本である。間違ったデータのお陰で受賞した人たちや、素晴らしい業績をあげながら受賞できなかった人たちなどのエピソードを交えてノーベル賞受賞の難しさ、それにかける科学者の意気込みが描かれている。 A宇宙に浮かぶ銀河の群れは全体的に見れば泡のごとき構造をなしているという。どんなものか想像できますか? 本書は最新の観測データから発見された「大構造」を理論的に解明することにより壮大な宇宙の姿に迫るものである。 |
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『エントロピー入門:地球・情報・社会への適用』(中公新書) 杉本大一郎著(中央公論社) | 工学部 助教授 池田 博一 |
自然科学のみならず、社会科学にも用いられるエントロピー。しかし、その概念は抽象的で捕らえどころのない面もあり、理解するのは容易ではない。本書では、基礎的な説明から現実の問題への適用まで丁寧に解説しており、エントロピーの理解に大いに役立つ。 | |
@『Made in Japan:わが体験的国際戦略』 盛田昭夫ほか著(朝日新聞社) A『Made in America:アメリカ再生のための米日欧産業比較』 マイケル・L・ダートウゾスほか(草思社) |
工学部 助教授 西田 修三 |
@は米国で出版されたソニー会長・盛田氏へのインタビューを翻訳したものである。内容的にはソニーなど日本企業、日本経済の成功の原因についてやや自己賛美的なところがあるが、最近の日米経済摩擦に関して日本の代表的企業家の考え方を理解するうえで必読の書である。これに対してAは米国マサチューセッツ工科大学の専門家からなる調査委員会が2年の歳月をかけて米・日・欧の企業を調査したもので、米国産業、特に8分野の製造業の現状分析と再生の方向に提言しいている。 これから社会に出る諸君にとって一読に値する書である。なお、日米経済摩擦に関連して『覇者の驕り』上・下、D.ハルバースタム著(NHK)もあわせて勧めたい。 |
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『画像から学ぶ流体力学』 種子田定俊著(朝倉書店) | 工学部 助教授 中林 幸三郎 |
流体力学は自然科学の分野で非常に重要な役割を果たしている。その中でも特に予測できない流れの構造、流れの挙動、流れのメカニズムをおこす粘性流体の流れには興味深いものがある。本書はそれらの現象を可視化技術を用いて撮影した結果を写真で示し、分かりやすく解説している。工学部の学生一読あれ。 | |
『総合安保と未来の選択』 衛藤瀋吉ほか著(講談社) | 国際言語文化学部 講師 土佐 弘之 |
世界システムの変化と日本の安全保障政策という大きなテーマを扱った啓発書。社会主義体制の崩壊、東西冷戦の終焉を迎え、国際環境が大きく変容を遂げている今、戦後の流れを安全保障政策に沿って総括・再検討してみる際、良い手引きになる。 | |
『劇場のシェイクスピア』 喜志哲雄著(早川書房) | 国際言語文化学部 助教授 高島 邦子 |
シェイクスピアに関する書物はいろいろあるが、本当に芝居好きが書いたものとなると数も限られてくる。本書は舞台の魅力や演劇体験を直に伝え、好きになることが研究の始まりであることを教えてくれる。 | |
『阿Q正伝・狂人日記』 魯迅著(岩波書店) | 国際言語文化学部 助教授 瀬戸 宏 |
中国現代文学を代表する一冊といえば、やはりこの本になるだろう。初めての中国現代文学に触れるという人には、本書の中の「薬」、「故郷」あたりから読み始めて表題の作品に進んでいってもいいかもしれない。 収録作品は70年以上も前に書かれたものだが、そこで扱われている問題は今日でも古びていない。本学図書館は他にも中国現代文学(翻訳)をかなり所蔵している。映画化され話題を呼んだ『古井戸』、『赤いコーリャン』などもぜひ読んでほしい。 |
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『ドン・キホーテの世紀――スペイン黄金時代を読む――』 清水憲男著(岩波書店) | 国際言語文化学部 講師 稲本 健二 |
ヨーロッパ文学の中でもっとも紹介が遅れているスペインの古典文学に関する研究書で、しかも日本語で読める文献としては稀少価値。言及されている作品のほとんどが未訳なのが難だが、とにかく著者の博覧強記ぶりにはただ脱帽するばかりだ。知的満足満点! | |
『「比較」統計学のすすめ:ちがいを見分けるテクニック』 鈴木義一郎著(講談社) | 経営情報学部 助教授 坂上 佳隆 |
日常生活に密着した問題が、比較という観点から取り扱われている。例題の多くは、実際のデータを用いて説明されており、図・表も多用されている。この本を読めば、"統計アレルギー"の人も少しは症状が軽くなるだろう。 | |
『ぼくでも社長が務まった』 山下俊彦著(東洋経済新報社) | 経営情報学部 講師 佐井 英子 |
昭和52年いわゆる"山下跳び"で松下電器の社長に抜擢された山下俊彦氏の足跡と人生観、哲学を語っているのが本書である。 "普通"の人であるかのように見える氏の自己啓発の努力、信念、幅広い視野、やさしさなど、学生諸君にとって示唆に富んだ一冊となろう。 |
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@『不滅の大国アメリカ』 J.S.ナイJr.(読売新聞社) A『冷戦後――同時代の現場で考える――』 船橋洋一著(岩波書店) |
法学部 助教授 亀井 紘 |
J.S.ナイは、過去のアメリカの覇権について、『プレイボーイ』が最近つまらなくなったという苦情に、「面白かったことはない」と答えたという編集者のエピソードを引用し、船橋は、「部下に絶対死んで貰いたくない」と公言するシュワルツコフのような司令官は初めてだと書いている。 | |
『斬(ざん)』(文春文庫) 綱淵謙錠著(文芸春秋社) | 法学部 講師 牧田 勲 |
本書は、近世において死罪、解死人など斬首の刑に関わった山田浅右衛門家の運命をテーマとする小説である。明治の刑法近代化の課程で翻弄される山田家の苦悩を小説として味わいながら、日本の近代刑法成立史を理解してもらえたらと思う。 | |
『楡家の人々』 北杜夫著(新潮社) | 薬学部 助教授 米田 幸雄 |
著者は歌人斎藤茂吉の次男であり、本書はその自伝的私小説である。明治・大正・昭和の3時代にわたる斎藤家(精神病院)の活動が克明に、時にはフィクションも交えて記述されている。著者自身も精神科医であるが、自他ともに認める躁鬱病患者であり、その作風は躁期と鬱期で極端に異なる。躁期では「怪盗ジバコ」のような娯楽作、鬱期では本書や「白きたおやかな蜂」などの純文学を得意とする。故三島由起夫氏は、本書の主人公の女性に絶賛を惜しまなかったそうである。 | |
『理科系の作文技術』 木下是雄著(新潮社) | 薬学部 助手 柳田 一夫 |
レポート、答案など学生時代に文章を書く機会は多い。しかし、文章を書くことはそれほど楽なことではない。この本は、「うまい」ではなく、「わかりやすく、ムダのない」文を書くためのコツを紹介している。一読を勧める。 |
喜劇とは人を笑わせる芝居のことか?
国際言語文化学部 教授
持田 担
このところ私は、17世紀のフランス古典喜劇に対して先駆的な役割を果たしたピエール・コルネイユ(1606-1684)の喜劇作品に入りびたりの状態なので、ここでもその話をさせてもらうことにしたい。「なあーんだ、今から350年も昔のことじゃないか」などと学生諸君はガッカリせずに、ほんのしばらくお付き合いをお願いしたい。
セーヌ河の下流のノルマンジーのルーアンの町で、祖父の代から法官の家に生まれ、自分も国王付弁護士の肩書きをもつコルネイユは、1630年に、かりそめに書き上げた喜劇<メリット>によって、パリで大評判をとる。彼は夢見心地で初めてのパリへ出て、自分の処女作がマレ座で観客を集めているさまをわが目で確かめる。ところが、この大成功にもかかわらず、彼は当のモンドリー劇団の役者たちから、<メリット>の作品としての欠点をいろいろ指摘される。コルネイユはここで、劇作者として考え、悩み始める。彼の悩みとは難であったろうか? それが結局、私が表題に掲げた問題であったといえるだろう。しかも、この問題は、彼がはじめてのパリで芝居を見てまわるうちに、段々重苦しいものになっていった。観客の笑いは、実は芝居をする劇団にとっては死活問題なのだということがわかってきたからである。どんな他愛もない笑いでもいい。ワアワア笑ってくれる観客があってこそ、劇団は興行の幟(のぼり)を立て、役者たちはその日のオマンマにありつけるのだった。だから、劇団は競って笑わせる喜劇を求め、作者たちは笑いを生み出す伝統手法を後生大事に守っていた。だからこの問題は、見かけよりは随分と深刻な劇団の生き残りがかかっている問題であったのだ。
しかし、唯一の救いは、コルネイユの喜劇<メリット>はその点で少し違っていたことだ。観客はワアワア笑わなかった。それでも大成功を収めつつある。コルネイユは真剣になり、考えながら自分の道を歩き始める。
それから4年後のこと、すでに6篇の新作をパリの舞台にのせ、新進作家の筆頭の評価を得たコルネイユは、自分の新しい喜劇観を明らかにし、かつ笑いの問題を解く一文を世に問うた(喜劇<未亡人>序文。1634年)。つまり、新しい喜劇はインテリの紳士淑女の生活を描写することであること。したがってこれら知的な教養人の生活には起こりえない荒唐無稽を喜劇的手段として使うことは許されないと彼は主張したのだ。
この当時の喜劇が、中世に生まれ、無知な民衆を主人公にし、無知な民衆を観衆とした笑劇la farceの強い影響下にあったことは知る人ぞ知る。これに対して、コルネイユが主張した新しい喜劇の主人公honnetes gensとは、要するに品もあれば、学問もあるブルジョワを意味し、これはこれからの社会を動かす新しい官僚層となりつつあった。彼らを描写せずして、新しい喜劇は他の何を描写するのか! これが強い自負心から出たコルネイユの意気込みであった。喜劇の観客としてのインテリはワアワア笑う民衆とは少し違う。彼らは笑いながらも、静かに味わう観客を構成するからである。
こういうわけで、フランスの喜劇は1630年代に、観客の社会層の驚くべき上昇を実現していった。世紀後半のモリエールの喜劇なども、この点から見れば早くも30年代に指呼の間に姿を現しつつあったといえるだろう。
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利用者の声
書庫の活用と所蔵検索機能について
国際言語文化学部 3年
藤本 昌伸
みなさんは図書館に保存書庫が設けられているのを知っていますか、書庫とは本のための保管庫、つまり本を蓄えているところなのです。
書庫には、普通図書室などの一般書架(7号館の4、5、6階で本が並べられているところ)にスペースの都合で並べられなかった本や雑誌、あるいは古い文献や、利用度の低い本などが保存されています。書庫にあるこれらの本も、レポートの参考文献に、あるいは専門の分野をより深めたい人などに意外と役立つことと思われます。
書庫の本を利用するには、図書館の人にその旨を申し出ればよいのですが、どんな本が並べられているのかわかりません。そこで活用したいのが図書の所蔵検索機。書庫にある本でも、すべて表示されます。
所蔵検索機は便利ですが、私たちが図書館を利用するとき、書架を眺めながらふと目にとまる本というのがあります。検索機では本の中身がわかりません。そこで、図書館にお願いしたいと思います。書庫にある本で、できるだけ借出可能な学生向けの本を、月に分野を決めて一般書架にコーナーを設けて配架してみてはどうでしょうか
そして所蔵検索機の機能の向上を図ってほしいものです。書名検索において、副題であっても、および書名の途中の語句からであっても同一の図書が表示されるように改善してほしく思います。というのも、例えば英和辞典であれば、新英和辞典をさがすためには"新"という文字まで入力しなければ、求める本が表示されないからです。一学生として図書館機能の一層の充実を望んでいます。
図書館へ行こう!!
薬学部衛生薬学科 3年
庄司 雅昭
今はJust the前期試験 その前 ちょっと前 一週間
焦る気持ちと裏腹に「久し振り」だと花が咲く
何をしてたと聞いたらば ちょっと待て長いぞ 武勇伝
ああして こうして こうなって 笑い転げる強者(つわもの)よ
Tripしたのも束の間で すぐに現実 Back all right
「勉強やった?」
図書館へ行こう 図書館へ行こう
おまえはあいつだ
おれこいつ 必ず探して見付け出す
ノートのコピー取るために
後ろで女性が聞いている「なあ、ここわからへんのやけど…わかる?」
ゴメンね 悪いね すみません 申し訳ないが溢れてる
すぐに男性が答えてる「ああ、これなあ…」
やるじゃん すげぇ 完璧じゃん 彼氏はテキパキ答えてく
でも 後ろの彼女は Question Markを頭に飛ばしてる
そして 彼氏が言ったのさ
「宿題やった?」
図書館へ行こう 図書館へ行こう
貸してよ 見せてよ 写させて 期限はいつなの? えぇ 明日!!
そんなの間に合うはずないじゃん 適当に書いて出しておこう
かわいそ図書館 かわいそ図書館
あなたは待合室じゃない あなたは勉強する所
コピーの出所 そうじゃない 本当は知識の出所さ
それでは時間となりました 最後に試験が終わっても
スッカラカンにならぬよう 休憩 放課後 惜しまずに 図書館へ行こう!!
最近入ったレファレンスブックの一部
<本館>
・人工知能大事典 丸善(R007.664)
・知的コンピュータシステム事典 産業調査会(R007.63)
・ワールド・アルマナック 1991世界データ事典 経済界(R059)
・国際人事典 毎日コミュニケーションズ(R281.03)
・ワールド・イミダス 集英社(R290)
・LAWDAS法律英語辞典 東京布井出版(R320.33)
・大衆文化事典 石川弘義編 弘文堂(R361.5)
・中国大学総覧 遠藤誉篇 第一法規(R377.222)
・CVDハンドブック 化学工業界篇 朝倉書店(R571.03)
・近代装飾事典 S.デュラント篇 岩崎美術社(R757.033)
<分館>
・日本薬局方解説書<第12回生>5巻 日本公定書協会監修 廣川書店(R499.121)
CD‐ROM「法律判例文献情報」が新登場!!
過去10年間の法律に関する文献情報や判例情報を瞬時にピックアップできる優れたCD−ROMが新しく本館参考図書室(5F)に登場しました。このCD−ROMは「文献検索」、「判例検索」をメインに3つのメニューで構成されており、「文献検索」では年間2万数千件の新刊書ならびに法律専門雑誌、研究紀要、新聞等約1000誌紙から調査採録された法律文献情報を検索できます。
また、「判例検索」では公刊されている最高裁各種判例集をはじめ全25誌の判例情報誌・雑誌から判例の標題、裁判年月日、裁判所名、裁判形式、事件番号、参照法案など判例情報を検索できます。さらに本CD−ROMの特長として文献・判例の相互検索が可能となっており、判例の検索後、該当判例の評釈がワンタッチで検索できる機能もついています。このように便利な機能を備えた「法律判例文献情報」の利用は無料ですので、利用希望者は参考図書室(5F)カウンターへ申し出てください。
軽雑誌コーナーが移動しました!!
パソコン、スポーツ、音楽、映画、ファッション、語学やホビー雑誌類を集めた本館の軽雑誌コーナーが従来の普通図書室(6F)から参考図書室(5F)と学術雑誌室(4F)に移動しました。参考図書室には総合雑誌や趣味・娯楽の雑誌など比較的ソフトな内容のものを中心に、また学術雑誌室には寄贈雑誌を中心に若干専門的なものを配架しています。軽雑誌に関する希望や不明な点などがありましたら、最寄のカウンター係員にお尋ねください。
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