摂南大学薬学部環境衛生学研究室
発表論文
2003年度 発表論文
- セレン欠乏によるマウス組織中金属元素含有量の変化
- Biomed. Res. Trace Elements Vol. 14, No. 1 pp. 47〜56 日本微量元素学会 (2003.4)
- 奥野智史、矢坂裕太、沖津桂子、長谷川豪紀、井戸良子、上野 仁、田中 稔、中室克彦
- 生体試料中の微量金属元素量をICP-MSで高感度、かつ精度良く分析するために分析環境や前処理条件などを検討するとともに、確立した分析条件に従ってセレン欠乏状態のマウス組織中微量金属元素量を測定し、セレン欠乏によって引き起こされるセレン以外の金属元素含有量に及ぼす影響を明らかにした。
- 水源の異なる都市水道水の夏季及び冬季における変異原性の特徴
- 水環境学会誌 Vol. 26, No. 6 pp.369-374 日本水環境学会 (2003.6)
- 橋美津子、磯田信一、小泉 清、沖 恒二、齋藤治子、中室克彦
- Salmonella typhimurium TA98及びTA100菌株を用いて、ダム湖水や河川水など水源の異なる都市首位導水の変異原性活性の挙動を比較し、夏季と冬季における水道水の変異原性とそれらの水質との関連性についても報告した。
- 下水中エストロゲン様物質検出のための酵母two-hybrid法の最適化
- 水環境学会誌 Vol. 26, No. 11 pp. 737-742 日本水環境学会 (2003.11)
- 奥野智史、亀井孝幸、竹内 勉、坂崎文俊、上野 仁、中室克彦
- 人畜排泄物である17β-エストラジオールなどの有機物質が含まれる下水濃縮物を用い、フミン酸などの夾雑物質による妨害作用を最小限に抑えてエストロゲン様活性を感度良く、かつ定量的に測定できるように酵母two-hybrid法のアッセイpH条件について最適化を試みた。
2004年度 発表論文
- Apoptosis induction of mouse splenic cells by exposure to high-level 17β-estradiol and endocrine disrupting chemicals
- J. Health Science Vol.50, No.3 pp.248〜256 日本薬学会 (2004.6
- H. Sakazaki, H. Ueno, K. Nakamuro
- 高濃度の17β-エストラジオールや内分泌撹乱化学物質によってリンパ球の幼若化が抑制されるとともに、幼若化しない細胞はアポトーシスによって細胞死に至ることをフローサイトメトリーによる検討で明らかにした。
- 土壌・地下水汚染における環境リスクのとらえ方
- 地下水技術 Vol.46, No.8 pp.18〜28 地下水技術協会 (2004.8)
- 中室克彦
- 土壌汚染事例の比較的多いヒ素化合物のヒトの健康の観点から、ヒ素による土壌・地下水汚染が自然的あるいは人為的原因のどちらによるか、土壌・地下水汚染のリスクを評価する場合に重要な基礎的情報になると考えられるヒ素化合物の化学形とそれらの理化学的性状、自然界でのヒ素の存在形態とその挙動、ヒ素化合物の毒性およびこれらの生体内代謝などについて解説した。
- 環境中における有機リン系殺虫剤の分解
- 日本食品化学学会誌 Vol.11, No.3 pp.127〜136 日本食品化学学会 (2004.12)
- 平原嘉親, 上野 仁, 中室克彦
- 有機リン系農薬のモデル物質としてfenthionに着目し、その水中における光分解機構を解明した研究成果を詳細に解説した。
- 17β-Estradiol primes elicitation of inducible nitric oxide synthase expression by lipopolysaccharide and interferon-γ in mouse macrophage cell line J774.1
- J. Health Science Vol.50, No.3 pp.248〜256 日本薬学会 (2005.2)
- H. Sakazaki, R. Ido, H. Ueno, K. Nakamuro
- マクロファージによる一酸化窒素生成における17β-エストラジオールの影響を検討し、マクロファージ系樹立細胞株J774.1細胞の一酸化窒素合成酵素mRNA発現にエストロゲン受容体が一部関与する可能性を示すとともに、17β-エストラジオールがリポポリサッカライドやインターフェロン-γによって活性化される細胞内伝達機構に直接関与している可能性を報告した。
- ポリ塩化ビフェニル(PCBs)とその処理副生成物の健康影響
- 環境技術 Vol.34, No.2 pp.8〜15 環境技術学会 (2005.2)
- 中室克彦
- 高圧トランスや高圧コンデンサー等に含まれるPCBsや廃PCB等のPCB油をはじめとし、これらの触媒水素化脱塩素分解法による処理で副生する可能性があるビフェニル、クロロベンゼン類およびベンゼンなどの実験動物に対する急性、亜急性、慢性毒性、生殖・発生毒性やヒトへの影響等の毒性情報を調査し、考察した。
- オゾン化オリーブ油による酸化的細胞毒性ならびに免疫担当細胞に対する抑制作用《研究報告》
- 日本医療・環境オゾン研究会会報 Vol.11, No.4 pp.6〜9 (2004.11)
- 坂崎文俊, 奥野智史, 上野 仁, 中室克彦
- オゾン化オリーブ油によるマウスリンパ球幼若化反応やマクロファージによる一酸化窒素合成に及ぼす影響、ならびに抗酸化酵素高発現培養細胞株を用いて酸化的細胞障害性から、オゾン化オリーブ油の炎症抑制作用を検討した。
- セレン《解説》
- 日添協会報 Vol.23, No.10 pp.32-35 日本食品添加物協会 (2005.1)
- 中室克彦
- 哺乳動物にとって微量必須元素であるセレンの毒性発現や生理学的な利用について、セレンの代謝機構を踏まえて詳細に解説した。
- 日本の水環境シリーズの出版事業を振り返る
- 水環境学会誌 Vo.28, No.1 pp.5〜6 日本水環境学会 (2005.1)
- 中室克彦
- 日本水環境学会の支部担当理事として、「日本の水環境シリーズ」の出版事業に携わり、出版に向けた動き、編集委員会の設置の経緯、支部活動に基づく編集活動などを振り返り、今後の学会の新たな出版企画について提言したもの。
- 平成16年度版 化学物質環境実態調査―化学物質と環境―
- 環境省環境保健部環境安全課 (2005.3)
- 中室克彦, 奥村為男, 中杉修身, 中野 武, 矢木修身, 他6名
- 環境省の物質選定委員会で選定された物質について調査を実施し、初期環境調査検討作業部会およびモニタリング・暴露量検討作業部会において評価・検討された上で、中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会での審議を経てまとめられたもの。担当部分:評価、編集第1章「平成15年度初期濃度環境調査結果」の評価ならびに編集pp.25〜122, 総ページ 398ページ