摂南大学薬学部環境衛生学研究室
発表論文
2005年度 発表論文
- 調剤業務トータル支援Information Technologyシステムの導入による調剤ミス低減化の実践
- 日本薬剤師会雑誌, vol. 57, pp. 487〜492, (日本薬剤師会), (2005.4.1)
- 片寄勝邦、川村典子、梶田賢司、宗本忠典、尾上慶幸、中村信也、中室克彦
- 薬局における調剤ミスを減少させるため、医薬品棚に貼付したバーコードを照合するシステムを導入し、有効性の検証を行った。「別物エラー」は0.23%から0%になり、「数量間違い」および「脱落」は約7分の1に減少した。
- Purification and characterizaion of mouse hepatic enzyme that converts selenomethionine to methylselenol by it's αγ-elimination
- Biological Trace Element Research, vol. 106, pp. 77〜93, (World Biomedical Selenium Society), (2005.7)
- T.Okuno, S. Motobayashi, H. Ueno, and K. Nakamuro
- L-セレノメチオニンからαγ-脱離反応を通じて直接メチルセレノールを生成する酵素をマウス肝臓から生成し、酵素学的特徴を明らかにした。この酵素は肝臓の他、大腸、脳、筋などに分布していた。精製した酵素は分子量が約160 kDaの4量体タンパク質であり、ピリドキサール-5'-リン酸を補酵素とすること、L-セレノメチオニンの他にも数種のアミノ酸を分解することを見出した。
- 清渓川(チョンゲチョン)の復元−韓国ソウル特別市の新しい国際都市づくり−
- 環境技術, Vol. 34(7), pp. 530〜532, (環境技術学会), (2005.7)
- 中室克彦
- 韓国ソウルの新しい都市計画の一環として行われている清渓川の復元事業について、歴史的経緯と着工前の状況、今後の計画を紹介した。
- オゾンは「食品添加物」に登録されている
- 日本医療・環境オゾン研究会会報, Vol. 12, No. 4 pp.72〜73, (日本医療・環境オゾン研究会), (2005.11)
- 中室克彦
- 「食品衛生法及び栄養改善法の一部改正に関する法律」における食品添加物規制を概観し、食品添加物としてのオゾンの規定を解説した。
- 土壌・地下水汚染における環境リスクのとらえ方−鉛化合物および水銀化合物−
- 地下水技術, Vol. 47(9), pp.23〜36, (地下水技術協会), (2005.9)
- 中室克彦
- 土壌汚染および地下水汚染の原因となる重金属のうち、鉛と水銀に着目し、汚染の実態、食品汚染の実態、環境内代謝、排出源および理化学的性状や毒性について概観し、解説した。
- Identification of mouse selenomethionine αγ-elimination enzyme
- Biological Trace Element Research 108, 245-257, (World Biomedical Selenium Society), (2005.12)
- T.Okuno, S. Motobayashi, H. Ueno, and K. Nakamuro
- セレノ-L-メチオニンのαγ-脱離反応を触媒する酵素を同定した。マウスの肝臓から精製した酵素をトリプシンで消化したのちMALDI-TOF-MASS法で解析したところ、この酵素のアミノ酸配列はシスタチオニンγ-リアーゼと一致する部分を有していた。さらに、ペプチドシークエンスタグ法の解析やKm値およびVmax値の評価から、この酵素はシスタチオニンγ-リアーゼであることが明らかになった。
- Cystathionine γ-lyase contributes to seleno- methionine detoxification and cytosolic glutathione per- oxidase biosynthesis in mouse liver
- Biological Trace Element Research 109, 155-171, (World Biomedical Selenium Society), (2006.2)
- T. Okuno, S. Motobayashi, H. Ueno, and K. Nakamuro
- セレノ-L-メチオニンのαγ-脱離反応を触媒するシスタチオニンγ-リアーゼについて、セレンの解毒代謝と細胞質型グルタチオンペルオキシダーゼ生合成における役割を明らかにした。毒性量のセレノメチオニンはシスタチオニンγ-リアーゼ活性を増加させないことから、本酵素はセレンの解毒と利用の両方に関与していると示唆された。またセレンはグルタチオンペルオキシダーゼの生合成に関与していることが明らかとなった。
- 都市河川水の水温に及ぼす下水処理場放流水の影響
- 水環境学会誌, Vol. 29, pp.177〜181, (日本水環境学会), (2006.3)
- 中室克彦、奥野智史、高田聡子、田口 寛、井上知明、上田彬博、福永 勲、加賀城直哉、服部幸和、厚井弘志
- 都市河川水の水温に影響を及ぼす要因を明らかにするため、1968年以降の気温ならびに河川に流入する下水処理場放流水のデータ解析を行い、水温は気温に依存して変動すること、下水処理場放流水は河川水よりも水温が高く、とくに冬季に河川水温に影響を及ぼすことを報告した。