単一工程システムの分析・評価
表計算ソフト(以下エクセルを対象とする)を用いて,M/M/1システムのシミュレーションを行う.
■ M/M/1システム:
- 単一機械で処理する.
- 単位時間あたりのジョブ到着数はポアソン分布にしたがう.
- ジョブの加工時間は指数分布にしたがう.
シミュレーションの要領
テンプレートのダウンロード

メイン画面の作成
- 2行目に学籍番号と氏名を入力すること.
- A列およびB6〜D6の項目を入力する.
- B3およびB4に指定した(適当な)数字を入力しておく.
- B7〜B13は,B4およびB4をパラメータとする式を入力する.
データ画面の作成
以下のG列〜M列では,ジョブの個数は10000とする.
- G列(到着間隔)とH列(処理時間)のデータは指数乱数で与える. 指数乱数はRAND関数を用いて,
-(1/m)*LN(1-RAND())
で生成することができる. ただし,B3もしくはB4がパラメータmに相当する.
乱数値について |
セルのコピーなどの操作を行うたびに乱数値は変わる.これを避ける場合は,次の処理で対応する.
・ 別のワークシートに到着間隔と処理時間の指数乱数をそれぞれ10000個発生させる.
・ これら2つのの数値列を,図3.2のG列とH列にそれぞれ貼り付ける.
([編集] --> [形式を選択して貼り付け] ,[値]にチェック) |
- I列(到着時刻)の各値はG列の累積値である.J列(開始時刻)の値は,「到着時刻」と「直前の客の完了時刻」を比較し,大きい方を割り当てる.
- K列(完了時刻)の値は,開始時刻にサービス時間を加えたものである.
- L列(待ち時間)の値は,開始時刻と到着時刻との差である.
- M列(滞留時間)の値は,完了時刻と到着時刻との差である.

G列〜M列の数式:
- G2=-(1/$B$3)*LN(1-RAND()) をG3以降のセルにコピーする.
- H2=-(1/$B$4)*LN(1-RAND()) をH3以降のセルにコピーする.
- I2=G2. I3=I2+G3 をI4以降のセルにコピーする.
- J2=G2. J3=IF(K2>I3,K2,I3) をJ4以降のセルにコピーする.
- K2=J2+H2 をK3以降のセルにコピーする.
- L2=J2-I2 をL3以降のセルにコピーする.
- M2=K2-I2 をM2以降のセルにコピーする.
【レポート課題】 実験データの整理と分析
(A) 稼働率,平均待ちジョブ数(Lq),平均待ち時間(Wq),平均滞留ジョブ数(L),平均滞留時間(W)の理論値およびシミュレーションによる測定値(実験値),およびそれらの誤差を表にまとめなさい。
(B) 客数10000人の場合で,次の3種類のグラフを作成せよ。グラフのサンプル
- 横軸:ジョブ数(F列),縦軸:開始待ち時間(L列)
- 横軸:ジョブ数(F列),縦軸:滞留時間(M列)
- 横軸:待ち時間(L列),縦軸:滞留時間(M列)
(C) グラフ1とグラフ2について,時刻経過にともなう開始待ち時間および滞留時間(縦軸)の変化をわかりやすく述べ,その上で対象システムの混雑具合や製造リードタイムについて考察しなさい。
(D) グラフ3の結果から,開始待ち時間と滞留時間の関係性を考察。
レポートの提出と作成要領
2021年度
- Wordで作成する。
- 7月9日(金)の1限目に回収します。
作成時の留意点(評価ポイント)
- レポート1頁目は,レポート課題名(14pt・中央揃え)で始まり,1行空けてから学籍番号および氏名(12pt・中央揃え)で書く。本文は4行目以降に記す。
- 本文のフォントサイズすべて10.5ptとする。
- 見やすくするために,適度に章に分けること。
- 図のタイトルは,図の下側に 図△: 説明 とする。△は通し番号。
- 表のタイトルは,表の上側に 表□: 説明 とする。□は通し番号。
- 結果に対する考察は十分に吟味してかつ論理的に書くこと。
- 事実と考えられること・主張が明確となるような文章を心掛ける。
- 「すごく」「見て取れる」など,抽象的あるいは工学レポートに不向きな表現は使わない。
- ※ フリーフォーマットゆえに,レポートの形式やExcelグラフが類似したレポートは一律に減点します。