研究紹介

汎用新摩擦接合技術の研究

新摩擦接合とは、接合する部材の間に摩擦用の中間材を配置し、運動させることによって生じる摩擦熱によって部材の界面近傍を軟化させた後、圧力を加えて接合する技術のことである。
従来法では接合が不可能とされてきた融点または変形抵抗の大きく異なる異種材料の組み合わせの継手や、円形のみならず異形断面の継手については十分な工業化には至っていない。それを可能とする新たな摩擦接合法を開発するために、継手試験片の間に中間材を配し、並進または公転運動させ界面を摩擦発熱する。その際、破壊の原因となる金属間化合物の生成や金属の巻き込みを防止するとともに中間材の両面の発熱量を制御し、界面近傍温度を放射温度計で測定することによって、変形抵抗や融点の異なる材料の軟化度をほぼ同一とする方法を立案した。これにより摩擦接合継手の新市場を開拓する。



現行法の欠点の克服

・現行法





  1. A,B材を溶解させ強い力（摩擦力）をかけつつB材を回転させます。

  2. A,B材の界面が溶解または軟化した後、強い力（アプセット圧力）をかけ接合させます。




  1. A,B材は静置したまま、A,B材の間に配置した中間材（C材）を並進または公転させ発熱させます。
    この時、A材/C材またはB材/C材で摩擦圧力、摩擦係数を変更し、A-C間とB-C間の発熱量を変更することができる
  2. 中間材を抜き取りアプセット圧力により接合します。
    なお、界面近傍の温度測定を行い、変形抵抗を推定してほぼ同等の変形抵抗になったときにアプセット圧力をかけます.




  • 摩擦発熱は異種金属を直接接触させない（金属間化合物、金属巻き込み防止）
  • 摩擦発熱は回転ではなく、並進または公転による（自由な断面形状を得る）
  • 界面の発熱量を異種金属の間で変更する（軟化度をそろえる）






    • これまでに作成できた継手

    ・鋼同種

    1. SS400

    2. S45C

    *丸棒


    ・アルミニウム同種

    1. A6063

    2. A2017(ジュラルミン)

    3. A2024(超ジュラルミン)

    4. A7075(超々ジュラルミン)

    *丸棒　正方形　長方形　レール形


    ・銅同種

    1. C2801(六四黄銅)

    *正方形






    ・アルミ二ウム/銅　異種

    1. A2017 / C1100

    *丸棒

    *金属間化合物、金属巻き込み防止確認（SEM)



    ・レール形状継手

    1. A7075

    *レール鋼に展開






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