向井グループ
研究: データサイエンス(ビッグデータの解析など)
★ 医薬品副作用データベース(JADERおよびFAERS)の解析による副作用の探索
★ 医薬品副作用データベース(JADERおよびFAERS)の解析による副作用発現時期の予測
★ AI・機械学習によるドラッグリポジショニング
★ AI・機械学習によるの副作用予測モデルの作成
研究内容について
・医薬品副作用データベース(JADERおよびFAERS)の解析
厚生労働省やFDAは有害事象の情報を集約したビッグデータを有しています。
我々はそのビッグデータを解析することにより、これまで不明であった医薬品と有害事象の関連性を明らかにするとのと同時に、副作用発現時期の解析を行っています。
・AIおよび機械学習によるドラッグリポジショニング
新薬を作るのには多額の資金と膨大な時間および労力が必要です。
新薬候補の薬物についても、予想外の副作用などにより開発が中止することがあり、新薬開発は年々難しくなっています。
そこで、すでに副作用などが明らかとなっている既存の医薬品を転用して別の疾患に有効な新たな薬効をみつけだす「ドラッグリポジショニング」という研究が近年盛んに行われています。
我々は、AIや機械学習を利用し既存医薬品の新規薬効の探索を行っています。
・AIおよび機械学習による副作用予測
新薬開発では、数千万の化合物から数個の候補に絞るプロセスを経て臨床試験が行われ、有効性および安全性が確認された場合に承認され販売となります。
臨床試験を終えるまで10年から15年もの長い年月と多額の研究開発費が必要とされるが、対象となる医薬品の副作用を把握するには短すぎる期間であり、その全てを把握するには市販後も調査し続けることが求められています。
市販後に明らかとなる副作用が重大であった場合、被験者の健康を害するだけでなく、販売中止により開発にかけた期間や資金の損失など社会的損失が大きいことが問題となっています。
そこで、我々はAIや機械学習を用いて新規医薬品の副作用を予測するモデルの開発を行っています。
教育
向井グループでは、臨床現場(特に病院)で活躍できる薬剤師の育成に力をいれています。
勉強といえばテストに向けての暗記と考える人もいるのではないでしょうか。
しかしながら、テストのみを意識した短期記憶の勉強法は社会に出てからは通用しません。
向井グループでは、研究や臨床および社会的な課題を通して論理的に考える訓練を行っています。
また、1年生から3年生で学習した内容を定着させる勉強法について指導を行っています。
具体的には、「処方箋解析」や「症例問題」などに取り組み、病態や薬物治療などの知識の向上を目指すとともに、それらの理解の基となる薬理学、薬剤学、生物学や化学の知識の定着を行っています。
また、薬剤師になったあとに「がん専門薬剤師」や「感染制御専門薬剤師」を目指したいと考えている学生さんに対して、今から何をするべきかについて指導し、卒業後もサポートしています。