World 世界で輝く

薬剤師にしかない価値を、実証したい。

英国での留学や就業中に最も驚いたのは、薬剤師に求められる役割の大きさでした。薬の専門家として、医師や看護師と一緒になって治療プランの検討を行うことが一般的で、「自分のやりたいことはこれだ」と直感しました。帰国して今の病院を選んだのは、欧米と同じように薬剤師が院内で活躍できる環境が整っていたから。現在は育児休暇中ですが、医薬品情報室に在籍し、院内での採用薬選定や適正使用のための情報管理などに関わっています。

ただ、こうした役割を今後日本で薬剤師が担っていくためには、臨床知識に強い薬剤師が必要になります。そこで私が今意欲的に取り組んでいるのは、そうした人材を育成する教育。英国での就労中に受けた研修などを日本に応用して取り入れています。現在は、日英の薬科大学と連携し、病院の臨床データを生かした研究に取り組んでいます。薬剤師だから担える役割を日本でも確立させ、医療現場の質をさらに高めていくことに貢献したいです。

聖マリアンナ医科大学病院 勤務
薬剤部 医薬品情報室
主任 薬剤師

上田 彩さん

profile

1999年 薬学部 衛生薬学科(現:薬学科)卒業
京都府 私立平安女学院高校出身

大学卒業後に渡英。ロンドン大学School of pharmacy臨床薬学修士課程に進学し、2003年に英国の薬剤師免許を取得。ロンドンで病院薬剤部、医薬品情報センターに勤務後、2007年に帰国、現職へ。現在は育児休暇中で、育児をしながら大学院で博士号取得に向けて学んでいる。