環境衛生学II
3年次(A〜Fクラス)・後期・1.5単位 担当者:上野 仁
授業概要・目的・到達目標
公衆衛生学分野に関する事項として、集団の健康と疾病予防、疫学と保健対策等に関する基本的知識と技能を習得する。
- C10生体防御(2)免疫系の破綻・免疫系の応用【予防接種】
- C10生体防御(3)感染症にかかる【代表的な感染症】
- C11健康(2)社会・集団と健康【保健統計】【健康と疾病をめぐる日本の現状】【疫学】
- C11健康(3)疾病の予防【健康とは】【疾病の予防とは】【生活習慣病とその予防】
- C18薬学と社会(3)コミュニティファーマシー【地域薬局の役割】
授業方法と留意点
教科書を中心に講義を進める。適宜、資料プリントを配布して厚生統計協会などの最新の統計結果を紹介する。
科目学修の効果(資格)
薬剤師として、地域医療や衛生行政に貢献するための知識と技能の一部を身につけることが出来る。
授業テーマ
回数 | 授業テーマ | 内容・到達目標 |
---|---|---|
1 | 受講ガイダンス、公衆衛生学の概要 【健康とは】【疾病の予防とは】 |
健康の概念、ホメオスタシス、疾病の自然史と疾病予防の概念を説明できる。 |
2 | 【疫学】I | 疫学の三大要因、観察的疫学研究、生態学的疫学研究、横断的研究、介入研究等の概念を説明できる。 |
3 | 【疫学】II | 観察的疫学研究の理論、記述疫学、分析疫学等の研究方法、解析方法の基本技能を修得する。 |
4 | 【疫学】III | 分析疫学のうち、コホート研究と症例-対照研究などの演習を行い、因果関係を判定する技能を修得する。 |
5 | 【感染症の現状とその予防】I | 疫学で得られた知識をもとに、感染源、感染経路、宿主の感受性の3つの角度から感染症予防対策の概念を説明できる。 |
6 | 【感染症の現状とその予防】II | 感染症予防対策として、感染症予防法、検疫法について説明できる。 |
7 | 【代表的な感染症】 【予防接種】 |
感染症予防対策として、最近の主な感染症の原因、特徴と予防対策、予防接種法とワクチンの種類と特徴について説明できる。 |
8 | 【保健統計】I | 国勢調査と人口静態統計、人口ピラミッド、年齢3区分別人口とその関連指標等の概念を説明できる。 |
9 | 【保健統計】II | 人口動態統計、生命表と平均余命、国民生活基礎調査、患者・病院報告等の概要を説明できる。 |
10 | 【地域薬局の役割】 | 一般衛生行政と地域保健、保健所の活動とその業務、学校保健と学校薬剤師の役割を説明できる。 |
11 | 【健康と疾病をめぐる日本の現状】I | 母子保健の統計的指標や新生児マススクリーニング、B型肝炎母子感染防止事業等の母子保健事業の概要を説明できる。 |
12 | 【健康と疾病をめぐる日本の現状】II 【生活習慣病とその予防】I |
過去から現在までの死因統計とその要因、生活習慣病とその予防対策、健康日本21と健康増進法の概要を説明できる。 |
13 | 【生活習慣病とその予防】II | 老人性疾患、成人・老人保健事業の概要を説明できる。 |
関連科目
環境衛生学I、微生物学I、微生物学II、免疫学、産業衛生学など
教材等
- 教科書
- 「最新公衆衛生学」第4版 佐谷戸安好 監、中室克彦 編、廣川書店
- 参考書
- 「国民衛生の動向・厚生の指標」臨時増刊2008年版、(財)厚生統計協会
- 「疫学 基礎から学ぶために」日本疫学会編、南江堂
学生へのメッセージ
疫学は一通りの体系を修得するのに特に時間がかかるので、前回の講義内容を常に把握し整理しておくことが必要です。法改正や統計データの変遷等によって毎年新たな内容が加わったり変更箇所があるので、定期試験対策に昨年以前の講義ノートのコピーには絶対頼らないようにして下さい。
評価方法(基準)
授業の出席は毎回取るが、主に定期試験によって評価する。