ベトナム社会科学院のPhan Cao Nhat Anh(ファン カオ ニャット アイン)先生の対面ゲスト講義[森ゼミナール]



UPDATE 2025-01-20

私たち摂南大学国際学部森ゼミナール4期生は、2024年10月29日(火)3限にベトナム社会科学院南アジア・西アジア・アフリカ研究所副所長(Deputy Director Genera l/ Vietnam Institute for South Asia, West Asia and African Studies / Vietnam Academy of Social Sciences)のPhan Cao Nhat Anh(ファン カオ ニャット アイン)先生をゲストスピーカーとしてお招きし、対面でゲスト講義を開催しました。講義は、すべて日本語でお話ししていただきました。

当日の講義では、ゼミ生8人が事前に考えてきたベトナムに関する質問に答えていただきながら、日越関係や韓越韓関係について深くお話しをしていただきました。

ゼミ生から多かったベトナムに関する質問は、ベトナム人の海外出稼ぎ労働者やベトナム人の持つ日本・韓国へのイメージでした。近年、日本に住む在日外国人の数が増えてきていますが、在日ベトナム人の数は中国人に次いで2番目です。アイン先生に伺ったところ、ベトナム人は日本と韓国に出稼ぎに行く労働者が多いということでした。

まず、ベトナムでは、2000年代以降のインターネットの普及により日本に対するイメージが良くなり、日本語学習者の数が増えたことを教えていただきました。また、先進国であることや日本製品の性質の高さといったところから技術を学びに来日する留学生も増えているそうです。

一方で、ベトナム人は、最近の世界的な韓国ブームや技術の発展、経済発展している点において韓国に魅力を感じ、韓国に出稼ぎに行く労働者が増えていると仰っていました。その他にも日本・韓国がベトナム人の働き先・留学先として人気がある理由として、食文化や宗教文化という面でベトナムと日韓の文化が似ていて過ごしやすい環境であることが挙げられるということでした。私(本稿筆者=吉田)は、ベトナムは、タイやインドネシアなど東南アジアの方が日韓よりも文化面で近いと思っていましたが、日韓の方がベトナムに似ていると聞き、驚くのと同時に親近感を持ちました。

最後に、私たちゼミ生の研究テーマでもある「韓国の公共外交(Public diplomacy)」について、ベトナムでの捉え方を伺いました。アイン先生は「公共外交の概念とその範囲は各国によって違いが大きい」と留保をつけながらも、現在のベトナムでは、日本文化よりも韓国文化、特にK-pop・韓国ドラマ・美容・韓国料理などの人気が高いと語ってくださいました。さらに、ベトナム中部の大都市ダナンは韓国人に人気の観光地であり、また同地には多くの韓国人が住んでいることを教えていただきました。

私たち森ゼミナールは韓国の文化や現代史を勉強しています。ゼミ4期生は韓国の公共外交を中心テーマに共同研究を行っています。日韓以外の国見た日本や韓国について客観的な立場からお話しいただいたことで、今後のゼミナールの活動への学びに活かせる機会になりました。

また、今回アイン先生の授業を受けて私(吉田)はベトナムへの関心も高まり、いつかベトナムを訪れたいと思いました。

お忙しい中、森ゼミナールのゲストスピーカーに応じてくださったアイン先生に心より感謝申し上げます。貴重なお話しをありがとうございました。

(文責:国際学部3年生 吉田百花)