体験型特別実習(事後申請型)発表会が開催されました



UPDATE 2025-02-10

 国際学部の「体験型特別実習」科目にはいくつかのタイプがあり、事後申請型は、学生が自主的に計画・参加した社会的活動の内容や成果を日誌やレポート、プレゼンテーションの形式で事後に報告し、審査に合格することで単位が認定されます。「社会的活動」とは、学部のディプロマ・ポリシーに合致する自主研究活動やインターンシップ、ボランティアなどを指します。

 昨年の春休みや夏休みを利用して活動に取り組んだ計4名の学生が、事前授業、自主活動、申請書類の提出、事後授業を経て、2025年2月4日(火)に、この科目の最終授業であるプレゼンテーションに臨みました。

 地中海のマルタはイタリアの近くに位置しますが、かつてイギリスの植民地だったことから英語が公用語です。そのマルタで英語を学ぶ6週間のプログラムに参加した学生は、ヨーロッパや南米の学生と共に学び、ホームステイやシェアルームでの生活を経験しました。こうした活動を通じて、授業中でも活発に質問を投げかける雰囲気や、感情を率直に表現する文化に触れ、語学以外にも貴重な学びを得たことを報告しました。

 農学部から国際学部に転学部した学生は、マレーシア・サラワク州で「オランウータンの森再生プロジェクト」に参加しました。過度な伐採で失われた森を植林によって再生する活動です。日本での生活とマレーシアの環境問題とのつながり、現地少数民族のバディとのインドネシア語での交流、発光バクテリアによって光る神秘的な木、活動をやり遂げて自身の可能性を発見したことなどを、豊富なビジュアル資料を示しながら発表しました。

 日本語教師を目指し、日本語教員養成課程を履修している学生は、ベトナム・ホーチミン市の日本語学校でインターンシップを行いました。受け入れ校の学生は、すべて日本での就労を目指し、日本語を習得することを目的としています。与えられた課題は、日本語の授業外で彼らの日本就労を支援するためにできることを考えることでした。学生たちの目的やレベルに合わせたゲームを考案・実践し、学生からのフィードバックをもとに課題を解決したことや、自身がこの活動でコミュニケーションに積極的になったことを報告しました。

 教員を目指して教職課程で学んでいる学生は、小学校時代の先生の紹介を受け、大阪市内の小学校で授業や職員室業務の補助を行うボランティア活動に取り組みました。教材の作成や素材選びといった労力と時間を要する業務を経験し、自身の小学生時代と比較しながら多くのことに気づいたことを報告しました。また、教育技術が進歩する一方で、業務量の多さに対して教員数が不足している現状を認識したこと、多忙な中でも子どもと触れ合う時間の大切さを実感したという発表には説得力がありました。

 これらの発表には、聴衆として参加した国際学部の学生や教員から多くの質問が寄せられ、和やかな雰囲気の中で活発な議論が交わされました。

 

(国際学部 教授 中西正樹)

 

2024年度「基礎ゼミナール成果発表会」を開催しました



UPDATE 2025-02-05

  国際学部1年生が受講する科目「基礎ゼミナール」では、1クラス16名程度に分かれ、各クラスで様々なテーマを設定して学習します。本発表会は、その学習の内容や成果を共有し競い合うことを目的として行うもので、2024年度は13クラスから約220名が参加する大きなイベントとなりました。本年度は「第1会場」・「第2会場」と2つに分けての開催となりました。

   発表会当日は、各クラスの代表者が学習の成果を発表し、その内容やプレゼンテーションの力を競いました。聴講する学生や教員から発表内容に対する質問が出されると、発表者の学生は積極的に回答しており、大学生になってからわずか1年間での優れた学習成果は教員に感銘を与えたのみならず、学生にも大きな刺激となったことでしょう。

  審査は「基礎ゼミナール」を担当した国際学部教員が担当しました。審査の結果、入賞者は下記の通りに決定しました。入賞の学生には、賞状と副賞が授与されます。

【第1会場】

     優勝    中村 星斗さん

   テーマ:ZINE「鹿の魅力~奈良の風景を彩る生き物たち~」

     準優勝   田原 舞衣子さん

   テーマ:ZINE「学校給食 魅力と歴史」

【第2会場】

     優勝    上野 龍太郎 さん

   テーマ:「投資信託」

     準優勝   政川 晴南 さん

   テーマ:「世界遺産アッシュール―謎多きアッシリア帝国最初の首都―」

 

第1会場 中村さんによる発表の様子

第2会場 上野さんによる発表の様子

(文:国際学部講師 原田 豪、写真:国際学部准教授 加来 奈奈)

 

ウトロ平和祈念館 金秀煥(キムスファン)副館長のゲスト講義[森ゼミナール]



UPDATE 2025-01-20

摂南大学国際学部森ゼミナール(4期生)では、2024年7月23日(火)3限にウトロ平和祈念館の副館長である金秀煥(キムスファン)さんに、実際に摂南大学まで足を運んでいただき、ゲスト講義をしていただきました。ゼミとして金秀煥さんとお会いするのは二度目で、私たちが2024年5月12日にウトロ祈念館に訪問した際にはウトロ平和祈念館の紹介や、展示物について1つ1つご説明をしてくださいました。今回の講義では「ウトロ平和祈念館の実践と可能性について」というテーマのもと、じっくりとお話をしてくださいました。

ウトロ平和祈念館は2022年4月30日に宇治市伊勢田ウトロで開館しました。ウトロの歴史や自分たちの生活を守るために戦ってきたウトロの人々の姿を通して、人権や平和の大切さを伝えている場所です。また、地域住民や日韓市民の交流、近隣学校および企業の人権研修の場ともなっています。

金秀煥さんによると、ウトロ平和祈念館を創設するにあたり「私たち関係者の強い思いはあるが、人々は本当に訪ねてくれるのだろうか。ウトロと在日コリアンというテーマは戦前戦後につながる日本社会に存在した人権問題であるが、このテーマは人権問題の中でも、日本の人々の関心外ではないだろうか」という不安があったとおっしゃいました。しかし、2022年に開館して以来、1万3000人を超える来場者がウトロ平和祈念館を訪れたという結果から、「日本の人々は『ウトロは自分とは関係のない地区だ、違う問題だ』という線引きをしなかった。人権問題に真剣に目を向けるために現場を訪れて歴史から学ぼうという人たちは私たちが想像した以上にいらっしゃることに気づいた」と話しておられました。

本記事筆者(永岡)が、金秀煥さんのお話の中で一番印象に残った内容は、近隣学校である立命館宇治高校の共同人権研修プログラムでのお話です。立命館宇治高校では、映画制作という授業をおこなっており、単なる映像製作ではなく、学生たちが直接現場に足を運び関係者の話を聞いて取材をするそうです。そして、取材の結果を踏まえて、ウトロの人権問題とはどういう問題なのか、それを乗り越えるためにはどうするべきかを討論しショートムービーにしたということです。

「ウトロの今を伝える 立命館宇治高生が記録映画を作成」『朝日新聞』DIGTAL(2024年2月4日)https://www.asahi.com/articles/ASS2375B7S1SPLZB00R.html

金秀煥さんによると、立命館宇治高校の学生たちは「現場に来て直接話をすることはとても大事な経験になる」と話したそうです。つまり、学生たちにとってウトロを訪問する前は、人権問題は「重い」「暗い」「かわいそうな人たち」「自分とは違う人達である」というイメージだったのが、記録映画製作はそのようなイメージを払拭するきっかけになったというのです。

このお話を聞いて、本稿筆者(永岡)は2023年5月に一人でこのウトロ平和祈念館を訪ねたた時のことを思い出しました。筆者の場合は、人権問題に関心があって訪れたというわけではなく、大学の授業で元「徴用工」問題について調査していたため、そのつながりでウトロ平和祈念館を訪れました。事前学習で、元「徴用工」問題のことについて調べれば調べるほど、日本に強制的に連れてこられ、働かされ、最低ギリギリの生活を強いられた韓国・朝鮮人の姿が見えるような気がしました。筆者(永岡)は、ウトロ平和祈念館に、そのような歴史を勉強するために見学しに行きました。もちろん、そのような歴史も学ぶことができますが、筆者が実際にウトロで見たのは、明るく、助け合い、情にあふれる在日コリアンの姿でした。歴史上、ウトロでは差別や人権問題は存在していたのは事実でしょうが、その状況下でもいつでも前をみて、少しでもよりよい生活をしたいと願い闘ってきた人々の姿が祈念館には大事に残されています。あらゆる形でコミュニティを守っていく方々の思いや情熱を一気に浴びた思いがしました。あらゆる問題について考えるときでも、現地に赴き自分の目で見て感じることが重要だとあらためて感じるきっかけになりました。

金秀煥さんは、夏休みにウトロ平和祈念館の一階を開放し、一階で勉強した小学生・中学生・高校に対してかき氷を無料でプレゼントするという夏休み企画も実施していると教えてくださいました。

「こどもカフェ(2024年夏休み期間)」(ウトロ平和祈念館ホームページ)

https://www.utoro.jp/2504/

金秀煥さんを始めとしたウトロ関係者の皆様とまたお会いできる日を楽しみにしております。この度は貴重なお話をありがとうございました。

(国際学部森ゼミナール 永岡多恵)

ベトナム社会科学院のPhan Cao Nhat Anh(ファン カオ ニャット アイン)先生の対面ゲスト講義[森ゼミナール]



UPDATE 2025-01-20

私たち摂南大学国際学部森ゼミナール4期生は、2024年10月29日(火)3限にベトナム社会科学院南アジア・西アジア・アフリカ研究所副所長(Deputy Director Genera l/ Vietnam Institute for South Asia, West Asia and African Studies / Vietnam Academy of Social Sciences)のPhan Cao Nhat Anh(ファン カオ ニャット アイン)先生をゲストスピーカーとしてお招きし、対面でゲスト講義を開催しました。講義は、すべて日本語でお話ししていただきました。

当日の講義では、ゼミ生8人が事前に考えてきたベトナムに関する質問に答えていただきながら、日越関係や韓越韓関係について深くお話しをしていただきました。

ゼミ生から多かったベトナムに関する質問は、ベトナム人の海外出稼ぎ労働者やベトナム人の持つ日本・韓国へのイメージでした。近年、日本に住む在日外国人の数が増えてきていますが、在日ベトナム人の数は中国人に次いで2番目です。アイン先生に伺ったところ、ベトナム人は日本と韓国に出稼ぎに行く労働者が多いということでした。

まず、ベトナムでは、2000年代以降のインターネットの普及により日本に対するイメージが良くなり、日本語学習者の数が増えたことを教えていただきました。また、先進国であることや日本製品の性質の高さといったところから技術を学びに来日する留学生も増えているそうです。

一方で、ベトナム人は、最近の世界的な韓国ブームや技術の発展、経済発展している点において韓国に魅力を感じ、韓国に出稼ぎに行く労働者が増えていると仰っていました。その他にも日本・韓国がベトナム人の働き先・留学先として人気がある理由として、食文化や宗教文化という面でベトナムと日韓の文化が似ていて過ごしやすい環境であることが挙げられるということでした。私(本稿筆者=吉田)は、ベトナムは、タイやインドネシアなど東南アジアの方が日韓よりも文化面で近いと思っていましたが、日韓の方がベトナムに似ていると聞き、驚くのと同時に親近感を持ちました。

最後に、私たちゼミ生の研究テーマでもある「韓国の公共外交(Public diplomacy)」について、ベトナムでの捉え方を伺いました。アイン先生は「公共外交の概念とその範囲は各国によって違いが大きい」と留保をつけながらも、現在のベトナムでは、日本文化よりも韓国文化、特にK-pop・韓国ドラマ・美容・韓国料理などの人気が高いと語ってくださいました。さらに、ベトナム中部の大都市ダナンは韓国人に人気の観光地であり、また同地には多くの韓国人が住んでいることを教えていただきました。

私たち森ゼミナールは韓国の文化や現代史を勉強しています。ゼミ4期生は韓国の公共外交を中心テーマに共同研究を行っています。日韓以外の国見た日本や韓国について客観的な立場からお話しいただいたことで、今後のゼミナールの活動への学びに活かせる機会になりました。

また、今回アイン先生の授業を受けて私(吉田)はベトナムへの関心も高まり、いつかベトナムを訪れたいと思いました。

お忙しい中、森ゼミナールのゲストスピーカーに応じてくださったアイン先生に心より感謝申し上げます。貴重なお話しをありがとうございました。

(文責:国際学部3年生 吉田百花)

ベトナム社会科学院Phan Cao Nhat Anh(ファン・カオ・ニャットアイン)博士のゲスト授業―国際学部の授業「世界を学ぶ」― 



UPDATE 2024-12-29

国際学部の授業「世界を学ぶ」は「世界と向き合うために必要な考え方の基礎」を身に着ける1年生の必修科目です。2024年度は、「世界の食文化」(担当:加来准教授)、「地理学的な観点からの考察」(担当:大谷講師)、「日本と東アジア諸国との関係」(担当:森准教授)の3つを主なテーマとし、それぞれの教員によるオムニバス形式で進めました。 

2024419日(金)の授業では、ゲストスピーカーとしてベトナム社会科学院南アジア・西アジア・アフリカ研究所副所長(Deputy Director General, Vietnam Institute for South Asia, West Asia and African Studies (ISAWAAS)  , Vietnam Academy of Social Sciences (VASS))のPhan Cao Nhat Anh(ファン・カオ・ニャットアイン)博士をお招きし、「日越(日本ベトナム)外交関係」というテーマでオンライン講義をしていただきました。 

ニャットアイン先生は、日本社会論(主に福祉政策)がご専門で、日本研究のキャリアは20年以上です。近年は、西南アジア諸国のみならず、アフリカを含めた国際関係についても活発に研究をすすめていらっしゃいます。VTV(ベトナムテレビジョン)を始めとした主流メディアのニュース番組にも多数出演され、特に日越関係や東アジア国際関係について解説をご担当です。 

ニャットアイン先生は講義で、2024年が日越外交関係樹立50周年であり、ベトナムにとって日本は「包括的戦略的パートナーシップ国(外交上最も重要視される2国間関係)」あることに触れ、大学1年生の理解が深まるように日本語で平易にお話しくださいました。ベトナム中部の都市ホイアンに16世紀末に形成された日本人街や有名な「来遠橋(日本橋)」(ベトナムの貨幣2万ドンに描かれている)の存在、近代における日越の人的交流、1940年の日本軍によるベトナム占領、ベトナム戦争下での日本との関係、日越国交正常化後の日本のベトナム支援(政府開発援助や医療援助など)に至る日越関係史の話を学生は興味深く聞いていました。質疑応答の時間には、学生がベトナムにおけるポップカルチャーの状況を尋ねるなどしました。 

講義後、学生からは「ベトナム語を少し学んで、ベトナム人と交流してみたいと思いました」「普段ベトナムについて触れることがなく、今日のこの機会でベトナムと日本の外交関係について知ることができ、親しみが湧いた。これからもっと深く知って行きたい」といった感想が寄せられました。   [文・写真:(国際学部准教授 森類臣)] 

韓国MBC訪問記:スタジオ見学と関係者インタビュー[森ゼミナール]



UPDATE 2024-12-29

2024年2月15日(木)に、私たち森ゼミナール3期生は、韓国MBC(Munhwa Broadcasting Corporation/문화방송/文化放送)を訪問してスタジオ見学をしました。森ゼミナールによる韓国現地調査の一環です。壇国大学のカン・ネウォン教授(メディアコミュニケーション学部教授)の紹介で実現しました。日常生活では絶対に見ることのできないものを見ることができ、新しい学びへと繋げることができました。

スタジオ見学

 いつも何気なく見ていた音楽番組のセット作りをされている場面では、こういった裏方と呼ばれる多くの方々がいてこそ成り立つものだと再確認できました。同時に、やはり私達が映像として見ているものはほんの一部に過ぎないということに気付かされました。

【スタジオでの番組準備の様子】

 また、ニューススタジオを見させて頂いた際には、ニュースカウンターに一人一人座っての記念撮影もできました。そこにもまた、当然ではありますが、ディレクターや照明担当、カメラ担当の方々がいて、毎日のニュースを届ける準備をしていらっしゃいました。

【ニューススタジオでの撮影(森先生とゼミメンバー)】

音響室では、それぞれの機材の説明を丁寧にしていただき、部屋のひとつひとつにしっかりと意味があることがわかりました。

今回のMBC訪問で改めて学んだことは、どこの場所でも、目立つところ目が行きがちですが、その裏ではいろいろな人たちの支えがあり、そのサポートがあってこそ成り立っているということです。一つの番組を作るのにもたくさんの人が関わっていて、一人でも欠けたらできない仕事であり、これはどの業界でも同じことが言えると思いました。

今回MBCスタジオ見学を案内してくださったキム・テホン先生(メディア解説者、元MBC職員。現在、白石芸術大学教授)含め多くの方々に深く御礼申し上げます。私たち摂南大学外国語学部(国際学部)森ゼミナールは、今後も学び続けたいと思います。ありがとうございました。

パク・ドンヒョク部長(デジタルニュース編集チーム)へのインタビュー

同日に、私たちは、デジタルニュース編集チームのパク・ドンヒョク部長のインタビューも行いました。そこでは、色々はお話を聞きましたが、私(太田)が1番印象に残っていることを1つ紹介します。私がパク部長に「プロデューサーという仕事を長年務められて大変だったことは何でしょうか」ということをお聞きした時に、「人の死に携わるニュースを扱うときです」とおっしゃられていました。私はプロデューサーの仕事は忙しいだけでなく、あらゆる現場に向きあう仕事なのでストレスがかかる仕事だと考えていました。私のこのような想像をはるかに超えて「人々の死に触れる内容を扱う度に深く考える」とおっしゃったことが一番衝撃的でした。また勤務してきた20年を通して1番変化したと感じたことはメディアの多様化だそうです。

 お忙しい中、私たちのインタビューに真摯に答えてくださったパク部長に心からお礼を申し上げます。

【インタビュー後にパク・ドンヒョク部長と囲んで撮影】

(摂南大学外国語学部 森ゼミナール 池上愛利・太田彩夏)

Shakespeareの例のScottish Playを上演しました



UPDATE 2024-12-05

Shakespeare原作の演目の中で、劇場内でタイトルを言うと不吉なことが起きる、という噂もあるお芝居 Macbeth を、2024年10月8日(火)10号館7階の小スタジオで上演しました。

 
今回はオーストラリアの劇団THATによる、聴衆が何人も参加する演出です。学生たちは、有名な3人の魔女のうち2人、主人公と共に予言に人生を動かされたバンクォー(亡霊としても登場)、父王が暗殺された皇太子マルコム、伝令や暗殺者、といった役どころを、原作を反映した英語のセリフで演じました。

参加した学生の声:

「俳優さんの眼力がすごかった」

「暗いところでこっちに向かってくる迫力があった」

「シェイクスピアの英語でセリフを覚えるのを、がんばりました」

「プロは一人で何役も演じていて、全部ちがう感じになっていた」

この日は国際学部2年・3年・外国語学部4年と、卒業生が教員になったクラーク高等学院天王寺校インターナショナルコースの2年生のみなさんが集まりました。国際学部の1年生は残念ながらこの時間帯に必修科目があり、「観たい~」という声をあげながらも次回の学内公演のチャンスに希望をつなぎました。英語科の教職課程で学ぶ学生にとっては、この日の朝に教職学生向けに開催された劇団THATの俳優によるドラマワークショップに続いて、全身を使ったコミュニケーションの効果を実感する機会となりました。ぜひ、来年度も海外の俳優をお迎えしたいと願っています。

(国際学部教授 齋藤安以子)

IUのコンサート会場でインタビュー調査を行いました[森ゼミナール]



UPDATE 2024-08-07

私たち摂南大学国際学部森ゼミナール4期生は、2024年7月6日Asueアリーナ大阪で行われた「2024 IU H.E.R. WORLD TOUR CONCERT IN OSAKA」において、このコンサートに参加する方たちにインタビュー調査を行いました。

このインタビュー調査は、私たちゼミ生の研究テーマでもある韓国の公共外交や韓国ポップカルチャーの波及力の基礎調査となりました。韓国アイドル(アーティスト、俳優)が、海外のファンにどのような影響を及ぼしているのかをインタビュー調査を通して把握できればと思い行いました。当日は、私たちゼミ生7人が2人もしくは3人のグループに分かれて調査を実施しました。会場付近でコンサート開場を待っているIUの公式ファンクラブ「UAENA(ユエナ)」の方々など15組にご協力いただきました。

 

 

インタビューイ(インタビュー対象者)に対しては、必ず質問する必須項目を設けました。項目は次の通りです。

①IUを好きになったきっかけ

②韓国を訪れたことはあるか

③IU以外に好きな韓国の歌手/グループはいるか

④日韓関係が「悪化」していたといわれる時期はどのようなファン活動をしていたのか。

⑤IUへの好意は韓国への印象にどのような影響を与えていると思っているのか。

これら必須項目を踏まえた上で、内容の発展可能性が見込まれれば、インタビューイの関心をさらに深く探っていく手法(半構造化インタビュー)を取りました。

①の項目では、歌手活動だけではなく、俳優としても活躍するIUへの熱い回答をたくさん聞くことができました。また、本記事筆者(川内)のチームが⑤の質問をすると、インタビューをしたすべての方たちが、「(IUを通して)韓国のことをもっと好きになった」と回答したのが、最も印象に残っています。

筆者が尋ねてみたかった質問は「IUが広告モデルになっているという理由で買った商品はあるか」というものですが、この質問には「ニューバランスのスニーカー」と回答したファンの方がいました。IUのコンサート会場ではニューバランスのスニーカーを履いているファンが多いという「噂」を聞いたことがありましたが、実際にそうしている人の声を直接聞くことができました。また、実際にファンの足元を見ていると、ニューバランスのスニーカーを履いている人たちがたくさんいました。この「噂」についてはある程度実証できたのではないかと思います。IUが持つ知名度と影響力を把握できました。

ここで、インタビュー調査をしたゼミ生の感想を少し紹介したいと思います。

「現場でインタビュー調査をするのは初めてだったので、1組目に声をかける時はとても緊張しましたが、大変丁寧に答えていただきました。話すのが楽しく感じてきて、2組目以降はあまり緊張せずに挑めました。 最後に、中国から来た方々にもインタビューできました。言語の壁もありましたが、とてもいい経験になったと思います。 私たちの研究に役立つようなお話を沢山聞くことが出来て、インタビュー調査をして良かったと思いました!」

「IUだけを長年応援している人が多いと感じた。K-POPでは、マーケティングの戦略として、同一会社に所属しているアーティストらがコラボしたり、楽曲を互いにカバーすることで、オーディエンスが違うグループにも関心を持つようなことも行っている。その結果、いくつかのグループに同時に関心を持ったりする人が多いようだ。しかし、IUのファン場合は、他のアーティストには目移りせずIUだけを応援しているように見えた。さらに、IUが今までの芸能活動で歌手以外(俳優など)の活動もしてきた影響からだろうが、ドラマで見てIUを好きになったと話した人も多かった。私もIUが出ているドラマを何作か見たことがあるが、歌手が本職であるとは思えないほど演技力もすばらしく、ドラマからIUに関心を持つ人が多いことも理解出来た。今回会場を見た限りでは、男女比において圧倒的に女性が多かった。年齢比はそれほど大きく偏りがないように見えた。10代に見える若い人もたくさんいたが、年配の方も多く見かけた」

どのゼミ生にも共通していた感想は、初めは緊張をしていたが、ひと声かけると緊張はほぐれ、楽しくインタビューをすることができたというものでした。筆者も、このインタビューを通し、座学では学ぶことが難しい、貴重な現場の声を聞くことができました。

なお、筆者は、実際にこの日行われたコンサートに参加してきました。IUのコンサート自体が初めての経験だったので、座って鑑賞するスタイルにはすごく驚きました。また、この日参加していた「UAENA(ユエナ)」の方たちは、IUが話す言葉を、通訳者の翻訳を通す前にリアクションをしている方たちが多く、韓国語を理解できる日本人の方が多いのではないかと感じました。そして公演中のIUは、約10年ぶりの大阪公演ということもあり、関西弁を話してくれる姿をたくさん見せてくれました。たくさん感動し、忘れることのできない一日になりました。

【ジウニ(IUの本名イ・ジウンをより親近感のある呼び方にしたもの)のその一言も、その笑顔も、イルエナ(日本のIUのファンの愛称)にとっては大きな意味】

最後になりますが、当日のインタビューにご協力してくださった皆様、特に「UAENA」の皆様に、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。

(国際学部3年生 森ゼミナール 川内双葉)

スペイン語プレゼンテーションコンテストを開催しました Concurso de Ponencia en Español



UPDATE 2024-07-28

2024725日(木)、国際学部3年生科目の「スペイン語を通して学ぶラテンアメリカ社会」の授業においてラテンアメリカの社会文化についてのプレゼンテーションコンテストを実施しました。この授業はスペイン語を学びながら、スペイン語圏であるラテンアメリカの社会文化を深く知ることを目的としています。学期の終盤には各自が特に興味を持った事象を探究し、スペイン語で発表しました。 

学期を通してラテンアメリカ各国の特徴や文化、社会問題についてスペイン語の文章を読みながら、知識を得て、受講生それぞれが関心を深めてきました。このコンテストでは受講生それぞれがラテンアメリカの文化や社会問題をひとつ取り上げて、3週間にわたってリサーチして、スペイン語でスライド5枚と原稿を作成しました。発表時間は45分でした。 

受講生が選んだテーマは以下の通りです。 

  • 「メキシコのチョコレート」 
  • 「ボリビアのオルーロのカーニバル」 
  • 「フィデル・カストロの名言」 
  • 「ラテンアメリカの先住民文化~民族衣装と食文化~」 
  • 「コロンビアの花祭り」 
  • 「ブラジルの自然エネルギー事業」 
  • 「メキシコのマリアッチ」 
  • 「グアテマラのコーヒー」 

1位は「オルーロのカーニバル」のプレゼンを披露した三澤夢花さん、2位は「グアテマラのコーヒー」について発表した山本竜誠さんでした。受賞者の発表に限らず、すべての発表が、歴史を踏まえたうえで現代におけるラテンアメリカ文化の多様性や面白さを感じさせる内容でしたし、フェアトレードや代替エネルギーといった現代世界が取り組むべき問題についてもリサーチされており、濃い内容の発表になりました。 

全員が教員の想定以上の長文の原稿を用意してくれました。その分、話す内容の暗記には苦労した様子で、所々言葉に詰まりましたが、最後までスペイン語で一貫してスペイン語で説明してくれました。1年後期からスペイン語の学習を始めて2年間、スペイン語学習に真剣に取り組んできた成果が、発音やイントネーション、作文力に表れていました。実践的な場面でスペイン語の発話の回数を増やせれば、大きくスキルアップすると思われます。これからもスペイン語圏への関心を深めるとともに、スペイン語の学習も続けてくれることを願っています。 

(文・写真:国際学部教授 藤井嘉祥) 
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チームメンバーの価値観を共有するワークショップ



UPDATE 2024-07-24

 2024年7月23日(火)3時限目(13:20~14:50)、京都府京田辺市「南部まちづくりセンター(通称:ミライロ)」を拠点に活動なさる市民・学生団体のみなさまにお越しいただき、国際学部小林基ゼミの3回生9名のためのワークショップを実施していただきました。

 お越しいただいたのは、地域の子どもたちのための企画イベントを行う「三山木まちづくり協議会子ども部会」および、ミライロの土曜カフェ「亜細亜屋台系喫茶 日々あらた」の松下 唯さん、学生たちと社会人の交流を促進する企画イベントを行う学生主体のグループ「接続使」メンバーの安田なつみさん、村上優太さんです。

 当該ゼミではまちづくりをテーマとしており、「まちの人々とかかわりながら自分を知ろう」を目標に掲げています。この日は、さまざまな社会活動を行う際にメンバー同士の多様な価値観を共有するためのカードゲーム「エンゲージメントカード」を体験し、メンバーが大事にする価値観をお互いに知ることを目指しました。

ファシリテーションをする松下さん

 カードには「友情」「愛」「向上心」「知性」などと、多様な価値を表す88パターンのキーワードが書かれており、その中から取捨選択して最終的に自分が最も重視したい7つのキーワードを残します。それらをグループでシェアすることで、自分たちが活動をしていく上でどんなことを目標にすべきか、どのようなチームを作りたいかを言語化して検討することができます。

 学生たちは接続使のみなさんといっしょに、入念にご準備いただいた松下さんのファシリテーションの下で、楽しく熱心にワークショップに取り組みました。お互いの手元に残ったキーワードを共有し合う際には、「意外!」とか「イメージ通り」といった感想が飛び交いました。自分や他のメンバーが大切にする価値観についてあらためて熟考する貴重な機会になりました。

 さらに追加のワークショップとして、「地域の伝統を受け継いでいくために地域住民同士が協力できること」についてのブレインストーミングを行いました。ゲストのみなさんとともに、学生たちは地域貢献のアイデアをたくさん提案することができました。

 

4人一組で実施したブレインストーミング

 自分たち自身の関心ややりたいことが地域社会への貢献といかに無理なく結びつくのか。ゲストのみなさまとの交流を通じ、学生の視野は広がりつつあります。引き続きまして、みなさまより学生たちの成長を見守っていただきたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

<関連リンク>

・「亜細亜屋台系喫茶 日々あらた」インスタグラム https://www.instagram.com/hi.bi.arata(外部リンク)

・「接続使」インスタグラム https://www.instagram.com/setsuzoku_shi_/(外部リンク)
小林基ゼミナール | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)

(国際学部講師 小林基)