LAN環境にある教室ならメールを送信するための条件が整備されているうえ、学校から学生に与えられるメールアドレスも基本的に教育活動を目的にするものと解釈できます。解答メールを送信することは自身のメールアドレスを教員に明かすことを意味しますが、このアドレスの性格を考えれば、テストの採点、集計のためにメール送信を求めることに問題はなさそうです。ところが携帯電話は個人の所有物であり、そのアドレスおよび通信内容はプライバシーに属するものです。しかも通信費用は学生に負担させねばなりません。したがって教師が学生に対して携帯電話を使って解答メールの送信を求めるには十分な配慮が必要です。少なくとも以下の手続きは不可欠と考えられます。
@メールによって採点を行う目的や通信費負担について事前に学生に説明し、理解させねばなりません。そして教師が受信したメールは厳重に管理することを約束します。授業計画に明記したり所属長に趣旨を説明しておくのが理想的ででしょう。大学ならともかく、中学、高校では校内への携帯電話の持ち込み自体に否定的な見解もあるでしょう。教育現場ではとかく邪魔者扱いされがちな携帯電話ですが、テスト直後のフィードバックやフォローの重要性を強調するなどして、周囲の理解を求めることが重要です。携帯電話を所有しない者には解答用紙を提出させることになりますが、携帯メールを送信することに同意できない者にも紙による提出を認めねばなりません。
A学生のメールアドレスが流出するのを防ぐため、集計に使うPC自体を厳しく保管することはもとより通常はスタンドアロン環境に保つことが望ましです。それが難しいならアンチウイルスソフトやファイアウォールの導入およびその定期更新、WindowsやOfficeのアップデートなど万全の措置を施さねばなりません。
BOutlookでの受信メール一覧は、「差出人」の名前を登録していない場合メールアドレスを表示します。携帯電話から送信されたメールの受信一覧をプロジェクタなどで学生に確認させるときには、「差出人」の表示幅を調節して一部分だけを表示するなどの配慮が必要です。次へ
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