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2.システムの要件と諸設定
2.1.必要なもの
2.1.1.学生側

メールが送信できる環境にあるPC・携帯電話・PHSおよび任意のメーラー(Webメールを含む)。
2.1.2.教師側
メールが受信できる環境にあるPC。教室で集計するならLANでインターネットに接続します。教室がLAN環境になければ無線によるモバイル環境を用意します。メール受信にはMicrosoft Outlook2000以降(Macintosh版Officeでの動作は未確認)。集計にはフリーのツール「メールde採点」を使用。Sanpeco氏のサイトからダウンロードしてください。普通教室で集計結果を提示する場合はプロジェクタやTVモニタを利用します。
2.2.受信(教師)側の設定
2.2.1.Outlookでの設定

初回の採点集計ではOutlookでの設定が必要です。メールの使用状況をもとに4つのケースに分けて解説します。
@Outlookを常用メーラーとしてではなく集計専用に用い、かつ集計専用のアドレスを用意している場合。
これが最も手間要らず。アカウントが登録されてメールが受信できる状態になら何も設定する必要はありません。Outlookはデフォルトで「受信トレイ」にメールが入るので、ツールにはここを読み込ませることになります(後述)。解答メール(以下、テストの解答を一定の書式にしたがって記述し送信する電子メールをこのように呼ぶことにします)はHotmailなどのWebメールサービスから送信することもできます。




AOutlookを常用メーラーとしながら集計専用のアドレスを用意して、二つのアカウントが登録されている場合。
通常のメールと解答メールをそれぞれ別フォルダに振り分ける設定をします。通常メールが「受信トレイ」に入るようになっているなら、解答メール受信専用のフォルダを新規に作成します。「ファイル」→「新規作成」→「フォルダ」→「個人用フォルダ」の下に「test」など任意名のフォルダを作成します。次に「ツール」→「自動仕訳ウィザード」→「新規作成」→「新しいルールを作成」にチェックを入れて「次へ」→「受信メール用に独自のルールを作成する」→「次へ」→「指定されたアカウント経由で受信した場合」をチェック、「仕訳ルールの説明」欄の「指定された」をクリック→集計専用のアカウントを指定する→「次へ」→「指定フォルダへ移動する」をチェック、「仕訳ルールの説明」欄の「指定」をクリック→うえで作成したフォルダ(ここでは「test」)を指定する→「OK」→「完了」→「OK」。これで集計専用アドレスに届くメールはすべて「test」フォルダに振り分けられます。


BOutlookを常用メーラーとしながら集計にも用い、集計専用のアドレスを用意していない場合。
ここでもケース2と同様、通常のメールと解答メールをそれぞれ別フォルダに振り分ける設定をします。通常メールが「受信トレイ」に入るようになっているなら、解答メール受信専用のフォルダを新規に作成します。「ファイル」→「新規作成」→「フォルダ」→「個人用フォルダ」の下に「test」など任意名のフォルダを作成します。次に「ツール」→「自動仕訳ウィザード」→「新規作成」→「新しいルールを作成」にチェックを入れて「次へ」→「件名に特定の文字が含まれる場合」にチェックを入れて、「仕訳ルールの説明」欄の「特定の文字」をクリック→「件名に含まれる文字」を指定する。「虎虎」など通常メールの件名として普通考えられないような字句を選ぶ。漢字を使った字句がおすすめ。なぜなら大文字/小文字または全角/半角の区別がないのでトラブルが生じにくいからです。→「追加」「OK」→「次へ」→「指定フォルダへ移動する」にチェック、仕訳ルールの説明欄の「指定フォルダ」をクリック→「test」を指定して「OK」→「完了」。これで「虎虎」などと指定された件名をもつメールはすべて「test」フォルダに振り分けられます。


COutlookを集計専用のメーラーとしながら、集計専用のアドレスを用意していない場合。
解答メールに通常メールが混入すると集計後の処理が面倒なので、ここでもBの方法を使って通常メールと解答メールを自動仕訳すること。つまりBでの事情にほぼ同じですが、他のメーラーで通常メールの送受信をしているなら、下の二つの点にも注意が必要です。
一つはOutlookで受信操作をする時に、通常メールも取り込む可能性があるということ。ただし解答メールがその特異な件名をキーとして処理用フォルダに振り分けられるようBでの設定が行われているなら採点や集計に問題は生じません。問題は通常メールです。この時に取り込まれたメールはOutlookのデフォルト設定ではサーバ上から消去されてしまいます。したがってこの時Outlookが受信したこのアカウント宛の通常メールは、そのあとに同じPCの他のメーラー、あるいは他のPCのメーラーで受信操作をしてもも取り込むことができません。そこで、Outlookでサーバ上のメールを消去しない設定にしておきます。新たにアカウントを設定する場合とすでに設定してあるものを使う場合のいずれでも「ツール」→「オプション」→「メールセットアップ」→「電子メールアカウント」→「電子メール」項目のいずれかをチェックして「次へ」→「変更」または「追加」→アカウント設定する場合はここでデータを入力→「詳細設定」→「詳細設定」タブ→「サーバーにメッセージのコピーを置く」にチェックを入れる。これにより職場や自宅に宛てたメールは採点集計操作を行ったあとでも同じPCの他のメーラーや他のPCで遺漏なく取り込むことができるようになります。
二つ目は教室での集計に使うPCと自宅などのPCとで同じメールアカウントを使用している場合、集計時に後者がメール受信を実行しない状態にしておきます。具体的にはPCの電源をオフにしておいたり、メーラーの定期受信機能をオフにするなどの措置をとります。集計時に他のPCが同アカウントのメールを受信した場合、解答メールの一部または全てが別のPCに取り込まれてしまう可能性があるからです。上述の設定を採点場所以外のPCに加えてもよいのですが、この場合一定日数後に「サーバーから削除する」ようにしておきます。

2.2.2.Excelでの設定
本ツールの実体は、すでに述べたとおり専用のシートとマクロが登録されているExcelファイルです。ツールを複数の授業で使用する場合は、授業の数だけのファイルを用意してデスクトップなど適当なところに置きます。ます。ファイル名は授業名などユーザにとって分かりやすい名前に変更すればよいでしょう。テスト実施前に以下の準備を行います。順番は任意。「環境設定」については解答メールの書式(2.2.2.2.)などテストでの環境が常に同じなら初回だけ行います。

2.2.2.1.環境設定
ツールを開く時に「mail_toolxxxxはマクロを含んでいます……」というメッセージが表示されたら「マクロを有効にする」を選択。ツールが開いたら「環境設定」に入って、「解答書式」などの項目を設定します。ここでいう「解答書式」とは学生がテストの解答データをメール作成ウインドウに入力する際の記述形式を指し、「一行列記式」と「番号縦列式」のどちらかを選択します。これから行おうとするテストに適した書式を選ぶことになります。次に「環境設定」の設定項目について具体例を挙げて説明します。

2.2.2.2.一行列記式
解答メールの本文が図のように3行だけで記述される書式を指します。
1行目は学籍番号、2行目は氏名またはニックネーム、3行目は実施されたテストの解答番号です。1行目と2行目の末尾で改行記号の挿入によって改行が行われなければなりません(3.1.2.を参照)。各行はあらゆる文字種が使用できます。ただし、全角文字と半角文字の区別、英字の小文字と大文字の区別は正誤の区別として使用できません。学生の誤入力による意図しない判定を防ぐために全角文字と大文字はそれぞれ半角文字と小文字に変換されて処理されるからです。上の例は5肢択一式問題が計10題出題された場合に作成された解答メールの例です。この書式は、選択肢の見出しに振られている数字や英字を選ばせる多肢選択タイプの問題には適していますが、2個以上の文字列を解答とする記述式問題には使えません。入力字数を最小限に抑えたシンプルな形式なので、携帯電話から解答を送信させるのに向いています。

2.2.2.3.番号縦列式
第1・第2行は上と同じ。第3行以下は1問ごとに「解答番号(『1』に始まる連続した数字)+解答判別記号(教師が「環境設定」で指定する半角文字)+解答(あらゆる種類の文字、文字列。ただし、大文字/全角の文字は小文字/半角として処理される)」という書式で解答を記述し、これを改行によって縦一列に並べた形式です。
数字やアルファベットなど任意の文字種を使った多肢選択問題に対応するだけでなく、単語やフレーズ、センテンスを記入させる記述問題に用いることもできます。上の例のように選択問題と記述問題が混在させることも可能です。中国語簡体字にも対応します。しかも試験問題上の問題番号とメール上の解答位置を照合しやすいので多くの設問数に対応できます。またテストを進行させる過程で特定の設問を取り消したり、テストを問題番号順に進行させないケースでもこの形式なら混乱を避けることができます。ただし問題番号や改行を逐一挿入せねばならないことから、入力の手間が「一行列記式」より多くなります。単語やセンテンスを答える記述問題の場合、正答と判定される条件としてコンマなどの各種記号やスペースなどを含めて教師側の正答と完全一致する必要があるという点でに注意が必要です。


2.2.2.4.解答判別記号
「番号縦列式」の解答書式を選択した場合、学生に問題番号と解答の間に半角記号を挿入させることで、ツールはその記号の右に入力された文字または文字列を解答と見なします。ここでは任意の半角文字を指定します。携帯電話で解答を送らせる場合はできるだけ入力しやすい記号を選ぶのがよいでしょう。デフォルトは「@」を指定してあります。Webメールで本文末尾にしばしば挿入される署名や広告について触れておきます。「一行列記式」ではメール本文の第1〜3行だけを有効な情報としてシート上に取り込むようになっており、「番号縦列式」では問題番号「1」の行から連番の最大値行までを有効な情報として取り込むことになっています。しかもツール上で正答が入力されていない行は採点の対象外となるので、署名や広告を考慮する必要はありません。

2.2.2.5.「問題数上限値」「受講者数上限値」「授業回数上限値」
これらはツール上での処理が無駄なく行われるための設定であり、実際に予想される数値にいくらか余裕を加えた値を設定しておけばよいでしょう。これにより高速な集計処理が期待できます。デフォルトでは大学での語学授業で行われる一般的なショートテストや定期試験を想定した値が設定されています。

2.2.2.6.メールの読み込み元
解答メールをOutlookのどのフォルダから取り込むかをここで指定します。Outlookでの設定で解答メールが「受信トレイ」に入るようになっているなら、ここでも「受信トレイ」にチェックを入れます。新しいフォルダを作成して解答メールをそこに振り分ける設定をしているなら、そのフォルダの場所にチェックを入れたうえ、そのフォルダの名前を正確に入力します。デフォルトでは「test」となっているので、適宜Outlookで作成したフォルダ名にしてください。英数字によるフォルダ名の場合、大文字小文字や全角半角の区別をきにする必要はありません。

2.2.2.7.設定ボタン
上での諸設定は「設定ボタン」を押すことによってツールに反映されます。集計作業後、ツールを終了する時に上書き保存の操作をすればここでの設定も同時に保存されます。したがって次回以降では、解答書式など環境の変更がなければ「環境設定」の必要はありません。

2.2.3.正答を入力する
集計作業を実行する前(通常は授業開始以前)に、正答データを入力しておきます(授業時間後に採点する場合は授業後でもよい)。前回テストの正答はあらかじめすべて削除しておいたほうがよいでしょう。「クリア」ボタンを使うと便利です。英字と数字は全角を入力しても強制的に半角変換されます。このツールは英字における大文字と小文字および英数字における全角と半角をあえて区別しない仕様になっています。途中に空欄がある場合、空欄以降の設問が正しく判定されないので注意が必要です。

2.2.4.配点を入力する
1以上の値を入力します。配点がまったく入力されていない状態で「採点集計」ボタンを押すとエラーが表示されます。一部の配点のみ空欄になっている場合は、その設問については正誤にかかわりなく0点として扱われます。次へ

Last Update : 05/02/02
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