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摂南大学薬学創立40周年記念行事/パネルディスカッション

④ 現代医療に対する信頼性への薬剤師の取り組み
(第29話)

パネルディスカッションにて

 
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『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
6卷 110ページ(第29話)
©️荒井ママレ/コアミックス

檜井栄一さん(1994年4月入学)
 「現代医療に対する信頼性」という課題でお母さんが子供に対してワクチンを受けさせないことが原因で入院するという題材についてです。例えば、最近ですと、コロナワクチン接種等の問題で、そういった問題が顕在化していると思うのですが、薬剤師として現代医療を受け付けないまたは拒否をするような患者・家族に対して、どういう接し方をするのか、富野先生のご経験などがあれば、教えていただければと思います。

 
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『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
6卷 110ページ(第29話)
©️荒井ママレ/コアミックス

富野浩充先生
 そうですね。本当はHPV(子宮頸がん)のお話をしたいところでしたね。明らかにデータだけ見たらワクチン接種した方が良いというのはあると思いますし、接種によって感染リスクが下がるというのもありますが、自分から行くという面で少し抵抗があるのはわからなくはないな、とは思いますね。病気はかかるかどうか分かりませんが、私でしたら「自分の子供には打たせるよ」とか、「自分だったらこれは打つ」みたいな言い方を、少しずるいですけれども、そうしています。実際はどうですかね。どうかとは思うのですが、そういう感じですね。

在校生(高谷悠真、2019年4月入学)が考えたこと・感じたこと

 コロナワクチンについて(厚生労働省2023年4月1日更新)
オミクロン株流行下では、感染予防・発症予防効果の持続期間等は2~3か月程度であり、重症化予防効果は1年以上一定程度持続することに加えて、流行株に合わせたワクチンの追加接種を行うことで、追加的な重症化予防効果等が得られます。
接種率(首相官邸 令和5年11月14日公表)
・全体   1回目:80.9 %   2回目:79.9 %   3回目:67.4 %
・高齢者  1回目:92.9 %   2回目:92.7 %   3回目:91.7 %
・小児   1回目:24.5 %   2回目:23.8 %   3回目:10.1 %
・乳幼児  1回目: 4.3 %   2回目: 4.0 %   3回目: 3.1 %

予防効果
・5-11歳
‒ ワクチン接種から2-4週経過後:60.1% [95%CI:54.7ー64.8]
‒ ワクチン接種から5-8週経過後:28.9% [24.5ー33.1]
・12ー15歳
‒ ワクチン接種から2-4週経過後:59.5% [44.3ー70.6]
‒ ワクチン接種から5-8週経過後:16.6% [8.1ー24.3]
追加接種から2-6.5週経過後の発症予防効果は71.1% [65.5ー75.7]であった。

HPV(子宮頸がん)ワクチンについて(厚生労働省2023年4月1日更新)
効果:子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染予防。
種類:2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)
小学校6年~高校1年相当の女性は、予防接種法に基づく定期接種として、公費によりHPVワクチンを接種することができます。
接種回数
・サーバリックス:1か月以上の間隔をあけて2回接種し、1回目の接種から6か月以上あけて3回目の接種を受けます。
・ガーダシル:1か月以上の間隔をあけて2回接種し、2回目の接種から3か月以上の間隔をあけて3回目の接種を受けます。
・シルガード9:1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合、6か月以上あけて2回接種します(合計2回で完了)。
1回目の接種を15歳になってから受ける場合、2か月以上の間隔をあけて2回接種し、2回目の接種から6か月以上の間隔をあけて3回目の接種を受けます(合計3回で完了)。

エビデンス(厚生労働省2021年10月1日公表)
・子宮頸がんの累積発生率(10万人あたり)
接種群:47例    非接種群:94例

・ワクチン効果の持続性
ワクチン初回接種から84ヶ月の時点で 、HPV16型に対しては 2価、4価の両群とも全ての対象者で抗体陽性であり、抗体陽性率はHPV18型に対しては2価で100%, 4価で97%が陽性である。

・感染率予防効果
2007年と2015-16年でワクチン型HPV(6/11/16/18型)感染率は、20-24歳、 25-29歳でそれぞれ、78%の減少(13.1→2.9%)、38%の減少(8.1→5.0%)を認めた。

ワクチンに関する意見
 ワクチンの効果は十分に補償されていると思います。そのためワクチンにおいての問題は認識の違いや情報の錯乱にあると思います。私自身ワクチンは症状を軽減させる効果が期待されるものというイメージを持っています。しかし一部はワクチン接種すると病気にかからないと思っている方がいると思います。このあたりの認識の違いをなくすことは非常に大切になり、また、一番の問題は偏った情報が報道されていることだと思います。ワクチンに限った話ではないが情報が正しいのかを確認し無数の情報の中で必要な情報を判断することが大切になります。偏った意見だけを鵜呑みにしないことが問題の解決につながると感じています。

 

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