1卷 107〜108ページ(第3話)
⑤ 診療報酬点数がつかない仕事への薬剤師の取り組み
(第3, 18話)
パネルディスカッションにて
1卷 107〜108ページ(第3話)
4卷 76〜77ページ(第18話)
片田佳希さん(2006年4月入学)
今、病院薬剤師として働いています。診療報酬点数がつかない仕事に関して、我々の業務に落とし込むと、例えば、救急外来や手術室内で業務することもありますが、ただ、そういったところは残念ながら診療報酬はつかないので、先進的な病院は別として、多くの病院ではそこに薬剤師を配置できていないと思うのです。一方、そういうところで、これまでは医師・看護師しかやっていなかったところに薬剤師の目が入ると、より質の高い薬物治療を提供できると思うのですが、令和4年に新設された周術期薬剤管理加算に該当する業務以外、診療報酬がついていません。我々としては診療報酬がついていないからやらないのではなく、薬剤師が関与することで医療の質が向上するといったエビデンスを出して将来的に診療報酬につなげなければならないと思っているのですが、その点、富野先生はいかがですか。
4卷 76〜77ページ(第18話)
富野浩充先生
私はやりたいのですが、別に第3話で心臓マッサージしているシーンがあって、あれも実は心臓マッサージを薬剤師がやっていた病院に私がいたことがあって、ただ、診療報酬はつきません。救急に薬剤師がいても。でも、関われるところは関わっていけたらいいなと思います。これも薬剤師の存在感にもなるし、いてくれて助かるというのもあるし。点数はつかないけれども、具体的に続けているというか、算定は週1しかつかないけれども、一応小児科の方は毎日顔を出すようにしているのですが、そういうところですかね。自分の患者と思ったら週1しか算定つかないけれども、週1しか行かないかって言ったらそうではなく、みるようにしています。ただ、難しいところですよね。上がどう言うかどう見られるかというところもあるし、無駄なことだから残業多いみたいに言われることあるし。例えばお薬手帳というのは自然発生的にできて後から点数ついたりしましたよね、今は点数つきませんが。続けていけば、おっしゃっていたように点数として認められてくるのかもとは感じるので、やること自体は良い活動ではないかなと思います。
1卷 107〜108ページ(第3話)
片田佳希さん
私は病院薬剤師ですので、そういったことはすごく思っています。今日の薬局でも、例えばがん領域では病院と薬局との連携に関して点数がつきますが、その他の領域ではまだまだ点数がつかないところもあります。だからといって点数がつかないからやらないのではなく、将来を見据えて取り組んで、アピールし、発信していく必要があると思います。
在校生(佐々木翔太、2019年4月入学)が考えたこと・感じたこと
これまで在宅患者訪問薬剤管理指導料(1994年)や病棟薬剤業務実施加算(2012年)の新設1)で薬剤師の業務が大きく変化してきました。対物業務から対人業務へと移行するにあたって薬剤師のニーズが高まっているように感じます。
臨床薬学実務実習先の急性期病院では退院時薬剤情報連携加算が2020年の診療報酬改定で新設される以前から地域の調剤薬局に退院時の情報を共有することに力をいれており、薬剤師に対する潜在的なニーズに応えて、退院時指導の必要性を発信されていました。片田先生のお話でもあったように救急外来のような薬剤師に対する診療報酬がついていないが、薬剤師が加わることで質の高い薬物医療が提供できることに取り組んで、薬剤師がその業務の必要性を多職種や社会へ発信していくことで診療報酬や調剤報酬として薬剤師の仕事を認められるのではないかと感じました。

メールでのお問い合わせは24時間365日受付中!
電話対応時間:平日9:00~17:00(定休:土日祝日)