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摂南大学薬学創立40周年記念行事/パネルディスカッション

⑥ 薬剤師としての将来設計に対する実務実習の影響
(第43話)

パネルディスカッションにて

 
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『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
9卷 66〜67ページ(第43話)
©️荒井ママレ/コアミックス

上田彩さん(1995年4月入学)
  実務実習について、採用に役立てるぞと気合を入れている薬剤師さんのコメントが第43話であったのですが、採用につなげるコツとかはありますか。

 
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『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
9卷 66〜67ページ(第43話)
©️荒井ママレ/コアミックス

富野浩充先生
 研究志向であって現場志向でない学生はうちの病院には来ないですね。実習に来た時点で決めている学生も多いですが。

岡田美由紀さん(2003年4月入学)
 病院薬剤師のなり手が少ないのはどこも同じと思います。応募してくれる人数が減っているし、入職しても数年でやめることも多いです。実務実習中に忙しい姿を学生に見せてしまっているせいかなとは思っていて。中には病院薬剤師になりたいと言ってくれる学生もいるので、そういう学生には本音の所を伝えたりしていますが、私が働いているこの病院に来てとは言わないようにしています。働いている姿をみて何か感じてもらえたらいいなと思いながら日々働いています。

白坂善之さん(1998年4月入学)
 大学教員の立場からは、学生には診療報酬点数にとらわれない姿をみせて、薬剤師の本質的な部分をみせてあげてほしいと思っています。目の前の患者と向き合うとか言っているのに、薬を出すことが優先で、患者と向き合っている姿は見えず、そもそもそんな忙しさを理由に学生放置ということがざらに起こっていて、そんな姿をみせられて薬剤師にあこがれる学生がいるのかって感じてしまいます。事実、そういう声は、学生からも挙がっていますし、これらは特に都会で顕著だと感じています。

富野浩充先生
 指導薬剤師に余裕があれば学生をみることもできるかな、と。忙しくて心がなくなっていると学生に対する当りも厳しくなってくるので、特に都会では、今働いている人のケアができてないのではないかなと。

在校生(大嶋桃果、2019年4月入学)が考えたこと・感じたこと

 パネルディスカッションを受けて、学生という立場の私として、就職先や業界を決めるうえで実務実習による影響は非常に大きいと考えます。
令和 3 年度厚⽣労働⾏政推進調査事業費補助⾦による薬学 5・6 年⽣ Web アンケート調査結果1)をみても、実務実習の前後で、就職先の希望が変わった学生は1230人中372人おり、3割の学生が実務実習を経て就職先を変えています。就職先を変えなかった学生の中にも実務実習に行ってから就職先を検討した学生もいたと考えられるため、就職先や業界を決めるうえで実務実習における影響は大きいことがわかります。また同アンケートにおいて、就職希望先の選定理由の第1位は1230人中537人が業務内容・やりがいを挙げており、最も多い回答になっています。このことから、実務実習で体験した業務内容や感じたやりがいが就職先検討の上で大きな参考材料になっていると考えられます。実際に、学生をぞんざいに扱ったり、日々の実習をルーティーンに感じてしまうような実習先に行った学生は、その実習先だけでなく、その業界に行かないという選択をする場合もあると感じています。一方で、診療報酬点数にならないことでも患者にしてあげたいという思いからの行動をみせてくれる薬剤師がいる実習先や様々な業務を体験させていただける実習先に行った場合は、薬剤師の職能を感じ、あこがれる対象となっている傾向があるように感じています。他にも、薬剤師の働く環境にも目を向けて就職先を選択するという意見もあります。一切休憩をとらない薬剤師がいる環境があったりなど、働く環境面においても学生側はよく観察していると思います。
 そのため、実務実習を受け入れる側として、実務実習を採用につなげたい場合は、まず職場環境を良くする、その上で学生側に様々な体験をさせてあげたいという姿勢を示し、薬剤師として働くやりがいを感じられる職場であることが必要なのではないかと考えます。

 

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