田中 樹〔教授〕地域活性化や生態系保全に資する農的価値創造と実践的アプローチを探る |
風人土学舎 |
居 室8号館 213教員室 |
担当科目アグロ・エコロジー論、比較農業論、農業開発論など |
専門分野環境農学、地域開発論、土壌学 |
キーワード地域活性化、生態系保全、農耕技術、農的価値創造 |
国内外の地域社会をフィールドに、教育・研究・社会実践を織り交ぜながら、人びとの知恵や経験則に学び、潜在的な地域資源を発掘し、それらを活かして実践技術や生業を創る研究に取り組みます。そこでは、脆弱環境(人間活動により容易に劣化する社会や資源、生態系)の扱いや地域の人びととの協働を意識し、貧困問題や生態系保全、地域活性化など複合的な課題の解決を目指します。
長年にわたる人びとと自然との関わりのなかで育まれた経験知と科学を融合させ体系化したものが農学です。このことは、旺盛な好奇心と前向きな姿勢があれば、誰もが農学者(農的価値を創造する者)になれることを意味します。さまざまな「学びのフィールド」に立ち、これまでとは違う風景と自分に出会ってみましょう。
● 地域活性化に向けた産品や実践技術の開発
主に国内の過疎高齢化地域での、潜在的な地域資源の発掘、地域産品の形成、省力的な技術体系の形成に関する研究。アロマ材料となる有用植物の植栽や山菜の栽培化、スパイス(バニラやカルダモン)の栽培試験などが含まれます。対象地域は、滋賀県米原市の山間地(甲津原地区)、鹿児島県奄美大島など。
● アフリカやアジアの脆弱な生態系の保全と在地生業の強靭化
東アフリカ内陸部、タンザニア島嶼部ザンジバル、ベトナム中部、インドネシア・スラウェシ島などで、樹木性・永年性のスパイス作物を軸とする樹園地システム、放牧性の小家畜(野生鶏交配種、在来ミニブタ、ホロホロ鳥、ヤギなど)の飼養や養蜂(セイヨウミツバチ、野生ミツバチ)、飼料作物(ソルガムなど)の多作季栽培や発酵飼料化、地域産品の形成などを複合し、地域の人びとの生計向上と生態系保全を両立する実践アプローチの形成と展開を目指します。