戴容秦思教員の共著論文が日本農業市場学会2021年度学会賞を受賞しました


食農ビジネス学科研究成果
UPDATE 2021-07-12

2021年7月2日(土)に開催された日本農業市場学会2021年度会員総会で、戴教員(食農ビジネス学科・講師)らに、日本農業市場学会の学会賞の一つである学会誌賞(湯沢賞)が授与されました。日本農業市場学会の学会誌賞(湯沢賞)は戴教員が2度目の受賞となりました。

受賞論文:中国内モンゴル自治区における生乳出荷形態の再編論理―大手乳業向け出荷契約解消後の生乳生産者の分析― 

受賞者:鄭 海晶(北海道大学大学院)、戴 容秦思(摂南大学)、根鎖(中国・内モンゴル農業大学)、清水池 義治(北海道大学)

掲載誌:『農業市場研究』第29巻第3号(通巻115号)2020年12月

 

 

選考理由:

食品の安全性に係る深刻な事件が発生する度に中国政府が採用してきた、加工企業直営農場を含む大規模農場優遇政策の結果、そのメインルートから排除されつつある中小酪農経営の生乳出荷形態の変遷とその論理を明らかにしており、その中で自発的な集団的販売対応も取り上げている。
上からの管理のみでなく、農業者自らの集団力によって品質管理を担う、農協共販の萌芽とも考えられ、分析の論理性と実践的な価値の両面を有している。

 

受賞論文の概要:

本稿の目的は、大手乳業メーカーとの契約を解消した生乳生産者の出荷形態と、その再編論理を解明することである。分析の結果は以下の通りである。
まず、事例地域の生乳生産者の半数がメラミン事件に大手乳業メーカーとの契約を解消し、4類型を通じて生乳出荷を行っている。すなわち、中小乳業契約型、市内商人介在型、市外商人介在型、および出荷組織経由型を通じて出荷されている。
次に、事例生産者の一部は、特定の出荷形態に留まらず、時間の経過とともに出荷形態を変更していく傾向が見られる。
また、取引・乳価・乳代回収の面における出荷形態の比較の結果、大手との契約解消後の出荷先の選択には、中小乳業契約型をまず選択し、次いで市内商人介在型、市外商人介在型へと変更していく傾向が見られた。出荷組織経由型は、近年になって登場した新しい出荷形態である。
つまり、出荷形態の再編論理は、生乳生産者の自らの酪農経営にとって制約条件の少ない生乳出荷形態を選択するということである。