食品産業研究室(山本ゼミ)の3年生5名が徳島県でフィールドワークを実施しました≪ゼミ視察旅行Day3≫


食農ビジネス学科一般公開
UPDATE 2026-09-03

 最終日の8/26(水)は、朝8時にホテルを出発し、徳島県の南部、阿南市椿町に向かいました。その目的は、本年5月に開所され、高度衛生機能を併せ持つ徳島県立椿泊漁港荷捌き所【写真1】と、同地区でチリメン加工や水産物卸を手掛ける有限会社竹内水産の加工場【写真2】の視察です。

 徳島県立椿泊漁港荷捌き所の見学にあたっては、まず徳島県農林水産部で水産基盤整備等をご担当されている福島裕樹課長補佐から施設整備の経緯や狙い、高度衛生化の取り組み等についてレクチャーいただき、参加者からの質問に丁寧にご回答いただきました。同荷捌き所は阿南市内にある7漁協の水揚げ・集散拠点として、徳島県が国の補助事業等を活用しながら巨額の資金を投じて開設・整備した高度衛生型の最新施設で、その運営管理は指定管理者制度を導入し、椿泊漁協がその役割を担っています。市内に分散する水揚げや取引を集約し取引ロットの増強を図ることで、仲買業者の購買を促し、それを以て魚価の向上、ひいては漁業経営や漁村の活力を向上させる、そのような狙いがあると理解しました。

 レクチャー及び質疑応答後は、長靴と見学者帽子を着用し、実際に荷捌き所を見学しました。当日は台風の影響で出漁している船も少なく、活魚水槽にハモ等を見かけた程度でした。ただ、荷捌き所内は衛生管理のみならず、ベルトコンベアの敷設や電子入力システムなど省人化の工夫が随所にみられ、同荷捌き所の設計に際して入念な検討が行われてきたことを痛感するものとなっておりました。

 その後、竹内水産を訪問し、竹内昌平常務取締役にご案内いただき、同社シラス加工場の施設や機器を見学させていただきました。同社は国内を代表するシラス加工メーカーであり、豊洲市場のシラス取扱いでトップクラスのシェアを持つ有力業者です。見学の途中、代表取締役の竹内正社長もご挨拶にお越しいただき、同社のシラス加工の他社との違いや優位性、事業効率化に向けた設備投資やDX化等についてもお話をうかがいました。次回、豊洲市場内に行く際には「飛べ、シラス。」と書かれた竹内水産の商品箱を探したいと思います。


 今回のゼミ視察旅行では、徳島魚市場グループに全面的にご協力・ご支援をいただき、普段、一般人は到底立ち入れないディープな水産の現場を視察するとともに、直接ご担当の方々にお話をうかがう機会を得ました。徳島魚市場㈱の吉本社長、槙内取締役はじめ同社グループ企業の皆様、未だ一般公開が認められていない新設荷捌き所内の見学受入について関係各所にお働きかけいただいた椿泊漁協組合長で徳島県漁連会長の久米順二様ほか、お世話になりました皆様方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

食品産業研究室(山本ゼミ)の3年生5名が徳島県でフィールドワークを実施しました≪ゼミ視察旅行Day2≫


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UPDATE 2026-09-03

 ゼミ視察旅行2日目(8/25(火))は、早朝5時の徳島市中央卸売市場水産物部でのセリ取引見学からスタートしました【写真1】。当日は、県内産地を中心にハモやサワラ、マナガツオ、マダイなど多種多様な活・鮮魚が入荷しており、5時半の卸売開始のチャイムをとともにセリ人の威勢の良い掛け声で取引が始まり、セリ場に並んだ多数の魚介類が順次素早く落札されていく様子を見学しました。セリ視察中は、徳島魚市場第一鮮魚部の佐野氏らが商品や産地等について解説いただき、参加学生は気になることを適宜質問している様子が見受けられました。

 その後、同市場の仲卸業者の中でも強い加工機能を併せ持つ株式会社丸長の場内加工場を見学しました。見学時にはちょうど川下需要者向けのサーモンのフィーレ・真空加工等が行われており、-30℃のアルコール凍結の仕組みや手順についても機器を実際に見ながら解説いただきました。セリ場に並んだ商品が、その後どのような処理を経て需要者に仕向けられるのか、その一端を理解する絶好の機会になったと思います。

 7時頃、徳島市場を後にし、次に向かったのは鳴門市北灘町ですだちぶりの養殖を手掛ける生産者、株式会社ハマノです。同社は、徳島魚市場グループの旭物産株式会社が本年6月に養殖生産から事業を引き継ぎ新たに設立した養殖会社です。当該地区には8業者がブリ養殖を手掛けており、うち5業者が徳島魚市場グループと連携し、すだちぶりの養殖生産を行っています。北灘漁港に到着後、すぐに岸壁でライフジャケットを着用し、船で沖の養殖漁場(生簀)での給餌作業に同行しました【写真2】。同社は現在、縦横25m×深さ30mの生け簀12基(最大14基まで設置可能)を用いてハマチ・ブリを養殖しており、昨シーズンの年間出荷量は15万尾を数えます。給餌を行った生け簀1基には、現在3㎏/尾程の魚が14,000尾収容されており、今後、年末にかけて尾数を8,000尾程度まで減らしながら魚体重を5㎏程に大きく育成するとのことでした。養殖漁場において生け簀に船を横づけし、船に装備された給餌機から餌(EP:エクストルーデッドペレット)が生簀中央に向けて噴出されると、魚が勢いよくそれに食らいつく様は圧巻です。学生の中には、EPを手に取り、生け簀内に投げ入れる「手まき」を体験している者もいました。養殖漁場の視察は水産学部の学生であっても、そう容易に体験できるものではないため、非常に貴重な機会・体験になったものと思います。

 その後は、海の駅北灘に立ち寄った後、徳島県立渦の道を訪れ、大鳴門橋の橋桁内(車道下)の海上遊歩道を散策しました。また、午後14時から、鳴門市にある創業200年の老舗醤油蔵である福寿醤油株式会社を訪問し【写真3】、9代目社長の松浦亘修氏の同社の歴史や醤油製造工程のいろはについて解説をいただきながら醤油蔵を見学しました。また、見学後は、様々な醤油やポン酢等の試飲をさせていただき、日ごろ何気に使用している醤油の奥深さを知りました。食品産業研究室としては、非常に興味深いお話、見学体験でした。

食品産業研究室(山本ゼミ)の3年生5名が徳島県でフィールドワークを実施しました≪ゼミ視察旅行Day1≫


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UPDATE 2026-09-03

 8月24日(月)、午前11時に徳島魚市場株式会社を訪問し、代表取締役の吉本創一社長、取締役の槙内弘典氏、鮮魚部の中山氏、山本氏から主要魚種別に同社の集荷・販売や商品化の取り組みについて説明を受けました。

 まず、第二鮮魚部の中山氏から徳島県産アユの「すだち鮎」「阿波よしの鮎」の産地・生産や集荷・販売概況について、第三鮮魚部の山本氏からは同社が県内養殖業者と手がける「すだちさば」開発の経緯やその商取引について、そして吉本社長からは同社の事業の方針や養殖生産、加工、仲卸段階の垂直的な事業統合、グループ間連携についてその意義等をまじえつつ解説いただきました【写真1】。その後、参加学生の疑問・質問に丁寧にご回答いただきました。すだちさばの開発が、主な養殖対象魚であるハマチ・ブリの閑散期を穴埋めし、養殖業者の収入源を確保する術として取り組みが始まったことや、徳島県の特産品であるすだちの絞りかすを農家が費用を支払い廃棄している現状を踏まえつつ、それらが持つ抗酸化作用が変色を遅らせる効果があることに注目し「すだち」を用いた養魚開発に同社主導で取り組まれたこと、それは単なる自社ブランドの開発としてだけではなく徳島県産品ブランドの創出として進むことなど、参加学生にとっては商品化の裏側や意味を知る非常に良い機会になりました。

 その後、14時30分頃に上記のすだち鮎の生産者である有限会社岩崎商店の養魚場を訪問し、専務取締役の岩崎傑氏のご案内・解説のもと実際の養殖生産の現場を見学させていただきました【写真2】。数十万尾の鮎を飼う大規模な養殖施設も圧巻でしたが、敷地内ではソーラーシェアリングの下の水槽を活用し、チョウザメ養殖(キャビア生産)が行われており、その魚体の大きさ(大きいもので20㎏級)や飼育期間の長さ(8~10年前後)に学生も驚いている様子でした。

 初日の夜は、徳島魚市場株式会社の吉本社長、槙内取締役、細田卓志総務部長兼塩冷部部長と会食し、同社が手掛けるすだちぶりや徳島県産魚に舌鼓を打ちながら学生ともども懇親を深めました。