社会のさまざまな場所に、経済成長のヒントはある。
分析やフィールド調査を駆使して、経済の現在と未来を探る。
労働経済といった身近な話題から、地球環境と資本主義の関係を探るグローバルな問題まで、多彩なテーマを設定した各種ゼミナールを開講。将来の目標に合わせ、専門的な研究活動を行うことができます。
観光経済を通じた地域経済の活性化を探る
准教授朝田 康禎
私のゼミのテーマは「観光経済を通じた地域経済の活性化」です。近年、日本への外国人観光客が急増していることは日常的な出来事になってきました。ただし、観光経済といっても、私のゼミでは広い意味での観光と地域経済の結びつきを探っていこうとしています。例えば、都市部でも地方でも地域を活性化させるために人々を集めたり、他地域との人々交流したりする活動に取り組んでいますが、それらはすべて観光に関わるものと考えています。また、私のゼミの特徴として①フィールドワークに取り組むこと、②地域に現状をデータによって示すことを重視しています。フィールドワークによって地域の実情を自分たちで確認し、それを説明する(プレゼンなど)時には客観的なデータを使って示すことがわかりやすい発表になります。このようにして観光によって地域経済の可能性を探っていくゼミを目指しています。
地理空間データから地域の特徴を発見する
教授植杉 大
ゼミでは、経済学と地域研究をベースとし、地理空間データサイエンスと実践的なフィールドワークを融合した研究を行っています。過去、私のゼミ生たちは、日銀グランプリ、財務局論文コンテスト、産学連携ツーリズムセミナー等でのグランプリ受賞など、多くの学外コンテストで優れた成果を上げてきました。さらに、地域活性化や観光振興、復興支援に向けた活動にも注力しており、和歌山県由良町での住民ワークショップ開催、神戸市南京町での「気仙沼復興屋台村イベント」開催など、実践的なプロジェクトを学生主催で実施してきました。理論と実践をバランスよく学び、社会貢献活動を通じて実務スキルを磨く機会が豊富に提供されているのが特徴です。
スポーツを経済学で分析する
教授郭 進
私のゼミでは、プロのスポーツチームとのコラボを通じて経済学への理解を深め、スポーツ市場の課題解決に挑戦します。ゼミの内容は実践的で、まず経営の第一線で活躍するプロスポーツチームの職員からスポーツビジネスや球団運営に関する講座を受けます。次に、球場での観戦やアンケート調査などのフィールドワークを通じて、「スポーツファンの消費行動」や「チームの優勝が地元にもたらす経済効果」などの課題に取り組みます。最後に、スポーツを通じて地域経済を振興させる方法を考案し、提案力を高めていきます。データを制する者は時代を制すと言われている今、スポーツに関するデータの活用と分析をゼミで習得し、現実問題を経済学の力で解決する能力を養います。
観光業と地域振興:町おこしに必要なものとは?
教授小塚 匡文
当ゼミでは「地域振興」をキーワードに、テーマパークなど観光施設の歴史や地域の観光振興策について学びます。その一環として、2年次には京町家を改装した旅館での就業体験を実施します。3年次には他大学との合同ゼミに参加し、テーマパークなど各種観光施設や地方の観光振興の取り組みについて調べ、グループ単位で発表します。
観光施設には建設の意図や工夫があり、そこから成功要因や失敗要因、社会への影響が見えてきます。地域の観光振興策についても同様です。当ゼミでは、これらについて考察を深め、学んでいきます。ただしここに絶対的な正解はありません。しかし、こうした学びで得た思考力や分析力は、正解のない実社会においても役立つはずです。
地域医療と地域活性化
教授田井 義人
私のゼミでは、地域経済の活性化策を研究しています。地域の発展を支える健康管理に着目し、これらには医療と介護(福祉)の情報連携およびサービス連携が必要です。国家レベルでの連携システムの構築が少子高齢化社会の到来を鑑みると利用者あるいは患者の効果的な治療や福祉サービス提供のための環境整備として必要と考えられます。また世代間の協働体制による地域共生社会の実現が少子高齢化への対策の一助になると考えています。そして、地域活性化の研究のため地域イベントへの参加や発表体験を推奨しています。市町村からの提案あるいは地域で独自の取り組みに参画し実践的な視点での地域活性化を研究しています。
国際経済の中における日本の課題を考える
准教授道和 孝治郎
私のゼミは、国際経済の中で生じている日本経済の現状や課題について理解を深めることを目的としています。例えば、近年の円ドルレートの円安化は物価を高騰させ、一般的に家計の生活を困窮させたと言われています。他方、円安はインバウンド需要(つまり、日本に訪れた外国人の日本国内で生み出された商品やサービスへの需要)等を拡大させるので、日本経済に対してプラスの面もあります。それゆえ、一つの経済現象を多面的な側面から判断することは重要です。このゼミでの学習は、国際経済環境の中で自分自身がどう振る舞う必要があるかを考える機会になるとともに、政府の政策手段の在り方も学べます。また、国際経済状況に関して、家計や企業がどう感じ、どう対応しているかについてヒアリングすることも企画しています。
日本経済の問題点を考える
准教授名方佳寿子
私のゼミでは「日本経済の問題点を考える」というテーマで、現在の日本が直面している様々問題について学生に考えてもらっています。具体的には、児童虐待問題、子どもの学力について、少子高齢化問題、女性の社会進出、正社員と非正規社員の差などです。ゼミではこうした経済の問題の中から、自分たちの興味のあるテーマを選び、その課題の背景について仮説を立て、データに基づいてその仮説を検証するというプロジェクトをグループで行っていただきます。そのプロジェクトを通じて 「積極性・主体性」「協調性・リーダーシップ」「考える力」 といった社会人になっても重要な3つのスキルを鍛えてもらい、来るべき社会でどんな困難に直面しても自ら切り拓ける力を手に入れてほしいと思います。
持続可能な経済と社会のあり方について考える
准教授野口義直
現在、地球温暖化問題やプラスチック汚染問題、食品ロス問題など、地球規模でさまざまな環境問題が発生しており、経済社会の変化が求められています。このゼミでは、環境問題と経済との関わりや環境問題の解決策について調査・研究しています。
学生自身が主体的に意欲をもって卒業論文を書くことが、このゼミでの最終目標です。研究活動を通じて、様々な能力が身につきます。自分の疑問を大切にし、研究テーマを設定する力。情報を収集、整理、分析する力。自分の分析結果をレジュメ発表や論文の形式で表現する力。他者の発言を傾聴し、自らの疑問や意見をわかりやすく伝える力。以上の研究活動で培った力を、自分の進路選択においても役立ててほしいと思います。
企業や地方自治体を分析して、経済の現場を理解する。
教授野長瀬 裕二
地域産業、企業の分析について、基礎から学んでいきます。
特定自治体の産業の分析、特定企業の分析を実践していきます。
分析を通じて地域の行政、金融機関などの産業活性化における役割を学んでいきます。34の自治体とのネットワークを構築していますので、希望者は実践演習において自治体の課題解決について考える機会があります。
卒業研究に向けて、テーマ候補の選定、参考文献の選定などを徐々に行っていきます。
企業や自治体の分析で得た知識を用いて、キャリアプランのブラッシュアップを行います。
さまざまな観光事象と観光振興
教授野村 佳子
コロナ禍が一段落し、世界の大都市や有名観光地で観光客の急増による弊害が問題になっています。本ゼミでは、“地域住民”と“観光客”双方にとって望ましい観光を実現するためにはどうするべきかを研究のテーマとし、さまざまな観光事象も取り上げながら、観光振興のあり方をテーマに研究を行っています。
人口減少時代に入った日本において、観光は今後の経済活性化の大きな切り札になります。本ゼミでは、理論と実践の双方を理解することを目的として、フィールドワークや学外研修を取り入れ、観光産業や自治体と連携した活動も行っています。また、ゼミ活動を通して、異文化に対する理解を深め、グローバルな視点も育成していきたいと考えています。
企業の経営戦略や経営状況を探る
教授朴 景淑
ゼミでは、経営学の理論・事例研究・フィールドワーク・グループワークなどを通じて会社が競争で生残り成長していくための手法を修得します。また、財務分析を通して会社および業界の業績状況を分析します。具体的には①新製品開発戦略・市場(販売)競争戦略・出店戦略など経営戦略の理論を学習、②会社の実務で実際に採用されている様々な管理手法について学習(事例研究)、③理論に基づいて町に出て実地調査を実施(フィールドワーク)、そうして④実地調査内容を分析しながらデスカッションしたり、プレゼンテーションを行ったりしながら新たな戦略を工夫(グループワーク)します。
日本経済の制度分析
教授原田 裕治
私のゼミは「日本経済の制度分析」をテーマに行っています。経済というと、「売り」と「買い」が出会う市場という場でその動きが決まると考えられがちですが、現実経済の動きを見ると、市場での取引ばかりでなく、最低賃金や公的年金などのさまざまな制度(ルール)が人々の行動に影響を与えて経済の動きを決めていることがわかります。このゼミでは、こうした制度の役割に着目して、日本経済で生じているさまざまな問題において制度やルールが果たす役割について考えていきます。
その際各種統計資料を利用して、日本経済の現状をデータにもとづいて客観的に把握する一方で、企業見学などを通じて経済社会の実態を直観的に理解することで、現実を立体的にとらえるよう努めます。
キャリアを経済学で分析する
教授平尾 智隆
ゼミのテーマは「キャリアの経済学」です。キャリア、すなわち個人の人生を経済学的に考える取り組みは、自分の就職活動や将来の仕事が研究テーマになりえます。一方で、古今東西を問わず、キャリア形成は、人が社会で生きていく上で避けて通れない実践的課題です。不確実性の高いこれからの社会の中で「どう生きるか」は個人的に重要な意味を持つだけでなく、社会全体としても考えなければならない問題でもあります。このゼミでの学習は、自分自身の就職活動やキャリア形成を考える機会になるとともに、社会の問題として人材育成についても学ぶことができます。ある意味、一粒で二度おいしいというのが魅力といえます。また、百聞は一見に如かずで、学外で会社・工場見学を実施するほか、企業人事部の方を招いた講演会なども企画し、キャリア形成を多様な方法で学んでいます。
国際協力に関する実践的な学びを通じて、課題解決を探る
准教授村瀬 憲昭
経済のグローバル化が進み、国境を越えた人や物の行き来が活発になるにつれて、地球温暖化や自然破壊、貧富の差の拡大など地球規模で取り組むべき課題が増えています。私のゼミでは、主に経済発展を遂げつつあるアジアの開発途上国が抱えている経済的・社会的格差や環境悪化に関する課題に着目し、各国の政府・企業・市民による取り組みと、それを支援する国際協力について学びます。また、開発途上国でビジネスを行っている企業や海外協力隊経験者など途上国で活躍された方々のお話しを聴く機会を設けています。タイ・バンコクを訪れ、国際協力の現場訪問や現地学生との交流も行いました。このような実践的な活動で得た学びも活かして、自ら取り組むテーマを見つけ、調べた結果を論理的にまとめ発表する能力を養います。
観光の現場で学ぶ観光経済
教授持永 政人
持永ゼミでは実際に活動している地域産業や観光産業のフィールドにおいて、主に学外での調査・事例研究を通し、地域・観光にかかわる産業・企業のあり方を実践的に研究しています。具体的には観光の現場である観光地、観光施設の視察や実際にそこで活動する方々のレクチャーを受講したり、またゼミ生が主体的に企画する街歩きツアーを実施するなどの活動をとおして観光経済を学びます。
デジタル化社会のビジネス(プラットフォームビジネス)研究
教授柳川 隆
GAFAMをはじめとする巨大テック企業がアメリカを中心に繁栄して好景気を牽引しています。デジタル化社会のビジネスの特徴の一つとしてプラットフォームビジネスがあり、従来のビジネスとは異なって、多面的な取引相手を対象にした企業戦略が重要となります。また最近では巨大テック企業の市場独占を妨げようとする政策や裁判が進行しています。日本はプラットフォームビジネスで出遅れているところであり、デジタル化社会での日本経済再生は喫緊の課題です。ゼミではアメリカのテック企業の歴史・現状・課題について学ぶとともに、日本のプラットフォームビジネスの成功・失敗や課題、あるいは欧米や日本でのプラットフォームビジネスへの規制のあり方について研究します。
問題解決にデータと分析で挑む
准教授若城 康伸
みなさんは「経済学」という学問にどのようなイメージを持っているでしょうか。「お金に関する学問」だと考えている人も多いと思います。もちろん、それも正解です。しかし、経済学はもっと幅広く人間や組織(会社や政府)の「行動」について考える学問でもあるのです。
一方、世界を見渡してみましょう。人類は気候変動をはじめとした多くの問題に直面し、世界各地に対立や紛争が溢れています。対立している人々が価値観を共有することは難しいでしょうが、「事実」と「論理」なら共有の可能性があるはずです。本ゼミでは、事実を「データ」で切り取り、論理を「分析」で積み重ね、人々の行動への知見を「経済学」から借り、問題解決に取り組む基礎力を養います。