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「更年期・老年期女性の排便障害の実態調査」に協力いただいた寝屋川市民の皆様へ(ご報告)
本学看護学部の名草みどり助教が研究課題として取組んでいる「更年期、老年期女性の排便障害の実態と関連要因」について、2014年7月から2015年3月の間、寝屋川市主催の骨粗鬆症予防教室に参加した市民の皆様に調査協力をいただきました。
その結果の概要を取りまとめましたので、ご協力いただきました寝屋川市民の皆様を含め、ご報告いたします。
【調査結果(概要)】
40~75歳の女性を対象に、妊娠・分娩がその後の排便障害の有無や排便障害の程度に影響しているかをアンケート調査しました。
その結果、加齢に伴い「一日中の残便感」「肛門周囲の腫れ」の症状が増加していることが分かりました。
近年、女性の尿失禁について知られるようになり、心理社会的にも強い影響を及ぼしていることが分かってきております。しかし、排便障害については、まだ、研究が少なく、最近、わが国において便失禁に悩む人は500万人と推計され、特に女性に多く※、その予防や治療が注目されています。〔※味村俊樹他:本邦における便失禁診療の実態調査報告-診断と治療の現状-、日本大腸肛門病学会誌、65(3)、101-108、1012〕
排便障害の予防として、まず取り組むべきことは、「食物繊維を多く含む食品を食べること」と「骨盤底筋体操」があります。食事については、厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準(2015年版)において、食物繊維を1日18g以上の摂取を推奨しています。
また、骨盤底筋体操は尿失禁予防においても広く行われ、便秘や便失禁にも効果があります。排便障害を予防するためにも、毎日の食事において、食物繊維を多く含む食品をとり骨盤底筋体操を毎日行いましょう。
<排便障害の予防策>
▼骨盤底筋体操
骨盤底筋体操には様々なものがあります。一例として、1日1~2回、10分間、仰向けで膝を立てた姿勢か、腰かけた姿勢、立った姿勢で、1分間に12~14秒の割合で骨盤底をしめる(尿道・肛門・膣をしめる感覚)。残りの46~48秒間は完全に力を抜く。肩、腰、腹、脚、足の力はできるだけ抜きましょう。
▼食物繊維を含む食品の摂取
生のアボガド約1/2個には、4。2~5。3gの食物繊維が含まれています。また、納豆50gには、3。3g、かぼちゃ90gには3。2gの食物繊維が含まれています。1日18g以上の食物繊維の摂取をめざし、野菜、豆類、果物等の食物繊維を多く含む食品を食べましょう。
以 上