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お知らせ

 経済経営学研究科では、6月9日に国際セミナー『EU経済の課題とリスク』を開催しました。現在、EU経済は、ギリシャユーロ危機、難民流入の急増、イギリスのEU離脱問題など様々な課題に直面しています。その結果、EU統合の行方についても疑念が生じるようにもなっています。

こうしたEUの課題について、経済学・国際関係論など複数の視点から論じようとするのが本セミナーの目的でした。冒頭、八木学長から挨拶があった後、本学経済経営学研究科 久保廣正教授から、「イギリスのEU離脱問題」について報告がありました。久保教授は、何故にイギリスでEU離脱に関する国民投票が実施されるようになったかを説明した後、もし、同国がEUから離脱するようになれば、イギリス及びEU、さらには世界経済に深刻な影響が及ぶ可能性があることについて報告がありました。

  続いて、関西学院大学 市川顕准教授から、「EU統合の危機-EUの規範性の揺らぎ-」と題する報告がありました。市川准教授は、EUが持つパワーの源泉を"規範力(ノーマティブ・パワー)"に求めつつ、貿易交渉など具体例をあげながら、EUの持つパワー、さらにはEU統合そのものの危機について論じました。また、神戸大学の萩原泰冶教授および松林洋一教授は、「ヨーロッパにおける期待利潤率」と題する報告のなかで、膨大なEU企業の財務データを分析することにより、①EU全体として期待利潤率は低下しつつあること、②ただし、国によって大きなばらつきがあることなどを紹介しました。

 これらの3つの報告に対し参加者から様々な質問・問題指摘があり、終了予定時刻を超えるまで白熱した議論が行われました。全体として、複数のアプローチによりEU経済が抱える問題について浮き彫りになった国際セミナーとなりました。

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