その他
副専攻課程「地域と私」の履修学生が、由良町でフィールドワークを行いました
6月25日、7月2日の両日、今年度スタートしたソーシャル・イノベーション副専攻課程のコア科目「地域と私」を履修する約150人の学生が和歌山県由良町でフィールドワークを行いました。学生は、少子高齢化や過疎化が進む由良町について大学で事前学習した後、「地域経済・経営」「地域政策・文化」「地域環境・防災」「地域医療」の4つの領域に分かれ、今回のフィールドワークに臨みました。当日は、それぞれの内容について関係者からの話を聴講したほか、関連施設などを視察しました。
「地域環境・防災」領域では、廃校になった中学校で「空き家」についての説明を受けました。由良町の人口は20年前の約8,000人から毎年100人ずつのペースで減少しています。それに伴い空き家が増加、同町職員の調査によると、現在約350戸もあるとのこと。空き家増加によって防災・防犯・衛生・景観に与える悪影響や空き家撤去に関する所有者との問題のほか、使われなくなった公共施設の利活用などについて学びました。その後、町内を歩いて現状を視察。点在する空き家の多さに、参加した学生たちは驚きを隠せない様子でした。
このほか、「地域経済・経営」領域では、由良町の観光に関する取り組みや、地域で収穫された甘夏(みかん)を使って開発した商品や地域特産品の販売について学習。「地域政策・文化」領域では、小学校と中学校で陸上教室やソフトテニスの活動を見学したほか、同町の社会体育の現状と高齢者へのスポーツ促進に関する課題について説明を受けました。「地域医療」領域では、廃園となった保育所を通所型デイサービス施設として利用している「えなの家」や社会福祉協議会を視察し、福祉の現状などについて理解を深めました。
今回のフィールドワークを踏まえ、学生は後日、由良町関係者へ調査の成果報告・課題への提言などを行います。
この科目では、4つの領域に分かれて調査研究を行っていますが、少子高齢化や過疎化の進む地域では、これらの問題は互いが密接にかかわるもの。それぞれの調査内容を共有し、地域の抱える課題の全体像を把握します。「地域と私」の履修学生は、まだ1年生。これからの大学生活で主体的に学びを進め、自ら地域の課題を発見し、解決できる人材になってくれることを期待します。