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比バンタヤン島支援プロジェクトの成果を報告
理工学部住環境デザイン学科と建築学科、法学部、経済学部の学生・院生24人と教員2人の計26人が夏休みの8月にフィリピン・バンタヤン島で実施した「地球共生ワークショップ」の展示報告会と特別講演会が10月29日、寝屋川キャンパス1号館1階ロビーで開かれました。
このワークショップは「ものづくり海外インターンシップ」の一つ。白鳥武・住環境デザイン学科准教授、寺本俊太郎・都市環境工学科講師の指導のもと、学生らがフィリピンのサンカルロス大学の教員や学生と連携し、2013年の巨大台風ヨランダで大きな被害を受けたバンタヤン島の4つのコミュニティーを支援するプロジェクトです。
同大学とは昨年も協同で貧困被災者用シェルターの製作と、貧困者が製作・販売できるプロダクト製品の開発に取り組みましたが、今年は実際に島に渡って住民と交流・協同して15もの企画に取り組みました。ワークショップの4カ月も前から同大学の学生とスカイプで会議をしながら企画を練り上げていきました。
「持続可能(サステナブル)」がキーワードで、地元の素材を利用し、住民自身の手で今後も続けられる提案ばかりです。貧困を脱するための経済(生業)活性化策として、地元の貝を加工するアクセサリー作り、多機能の家具製作、厳しい環境でも収穫可能な農作物の作付け、大量に獲れる魚ダンギットの新メニュー作り、などを実施。生活向上策として、自然素材での土窯作り、風力発電などによる照明設置。またコミュニティー活動の場としてのシェルター建設にも取り組みました。
さらに今回のプロジェクトの大きな試みとして4つのコミュニティーの住民を集めた「FESTIVAL OF UNITED ONE(一つになる祭り)」を提案し開催しました。祭りでは約100人の子どもたちがダンスを披露。学生が音楽やダンスを創作し、現地で子どもたちに指導しました。祭りが交流のあまりなかったコミュニティー同士の連帯感も生み出しました。
このワークショップに2年続けて参加したリーダーの社会開発工学専攻博士課程前期1年、平井彩夏さんは「今年は有形、無形のたくさんの提案をコミュニティーの住民協力のもと実施できました。島に滞在したのは8日間ほどで徹夜もあった作業でしたが、学年や学科というタテとヨコの壁を越えることでメンバーが連携して大きな成果を得ることができました」と話していました。
またこの日は北海道からアイヌの口承文芸を伝承する川上容子・将史夫妻による特別講演会も開かれ、「地球共生」の文化を大切にしてきたアイヌの生活の説明やアイヌ語による英雄叙事詩の紹介がありました。