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「学園広報誌FLOW」71号で出水宏輝さん(外国語学科4年)を紹介
フラメンコの巨匠に弟子入り 成果をソロリサイタルで披露
中学2年でフラメンコダンサーとしてプロデビューした出水さんは、文部科学省の「官民協働留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム~」の第1期生として、憧れの現代フラメンコ界の第一人者ファルキート氏に師事する夢を果たし、帰国後も新たな挑戦を続けています。
留学中に広げた100人の友だちの輪
スペイン南部のアンダルシア地方で発達したロマ起源のフラメンコ。踊り、歌、ギターが一体となった情熱的な舞台は日本でも特に女性に人気で、趣味で教室に通う人もいます。出水さんはそんな教室に通う母親の発表会でフラメンコに魅せられ、小学5年でフラメンコギターを、小学6年で踊りを習い始めました。才能はすぐに開花し中学2年で「ファロリート」の芸名でプロデビュー。スペイン留学をしたくて、提携校のサラゴサ大学への留学制度がある摂南大に進学しました。「トビタテ留学に応募したのは留学費用が支援されることだけでなく、『芸術分野などで活躍が期待できる人材』も選考対象になっていたからです」。8カ月のサラゴサ大学での語学研修と4カ月のフラメンコ学校でのレッスンなど1年間の綿密な留学プランを自分で考えて、競争率8.7倍の難関を突破しました。
サラゴサ大学では他の留学生と積極的に交流。「自分のクラス以外にもどんどん出て行って友だちを作りました」と振り返ります。約100人と連絡先を交換しました。一方、語学研修中もフラメンコの勉強は欠かしませんでした。憧れの巨匠ファルキートの個人レッスンを受けることもできました。それができたのは留学前から来日公演や講習会など機会あるごとにファルキートに猛アタックし、その熱意に好感を持たれていたからです。北部のサラゴサから南部のセビーリャのファルキートの自宅へ何度も通いました。家族ぐるみで受け入れてくれたファルキートからは「ステップでは足より腰が大事」「どんなことにも対応できる瞬発力をつけろ」と厳しく鍛えられました。最後は「アレグリアス」という曲のオリジナルな振り付けまで考えてくれ、大きな宝物になりました。
出水さんは「スペイン語がよく分かるようになって自分の踊りに深みが増したように思います」と留学を振り返ります。その成果は11月21日、アルカスホール(寝屋川市)での初のソロリサイタル(摂南大協賛)で披露。「明るい曲なのに実は戦争の悲しみの歌詞だったり、フラメンコは奥が深いです」と話す出水さんには、能など日本の伝統芸能とのコラボなど新たな挑戦でフラメンコの魅力をもっと広めようという夢も生まれました。「海外留学するといろんなものが見えてきます。ぜひ経験してください」と後輩たちが続くことを期待しています。