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夢の「交野市シティホール」の設計案を市長らにプレゼンテーション
1月10日、交野市役所で理工学部住環境デザイン学科3年生22人による設計演習Ⅳ「市民に開かれた公共施設の提案」の講評会を実施しました。包括連携協定を結ぶ交野市の未来の公共施設をテーマにして、7チームがそれぞれの設計案を黒田実市長、奥野副市長をはじめ7人の市幹部を前にプレゼンテーションし講評を受けました。
キャンパス内での閉じた授業ではなく、現実に市民を支える方々の目に設計案を開いて提示し、自身が積み上げた建築デザインの能力・表現力を客観的に確認しようとする実体験型授業です。学生ならではのアイデアは好評でしたが、市職員の観点からの鋭い指摘もあり、学生たちには貴重な経験になったようです。黒田市長、奥野副市長からは、今後の市民のための公共建築を考えていくうえで「大変興味深いものがあった」と称賛されました。
昨年9月から始まった演習で、同市の協力で公共施設等の見学や中間発表に対するアドバイスも受けてこの日の最終発表になりました。パワーポイントと模型と図面を使って各チームが約15分ずつ発表。道路で分断されている公共施設としての機能をどう生かすかや、周辺の景観や史跡にも配慮し、市民により開かれた施設という課題に、多くのアイデアが提案されました。
市民が集まりやすく憩えるように広場やテラスを大胆に取り入れた案が目立つ中、議場をガラス張りにし1階に配置するなど、市議会をもっと開かれたものにするための工夫や、膨大な資料を収納するために各執務室の壁全面を本棚にする、など斬新なアイデアやデザインも見られました。講評では「こんな施設で働いてみたい」「議場の傍聴席を逆にするのはなるほどと思える」など高い評価も得ました。一方で「コストの問題がありそう」「木造だと耐火性などに問題はないか」「議会がなく議場が使われない期間は何に使うのか」などの指摘も受けました。
審査の結果、4チームが表彰され、最優秀の「市長賞」には「かたのサイズのシティホール」を提案したチーム(池口奈由子さん、北本順子さん、保田健太さん)が選ばれました。市の基本計画にある「ひとりひとりのサイズがつながって町を形づくる」という言葉に着目して、様々な形、高さ、大きさの建物を大・中・小の広場でつなげたシティホールです。ガラス張りの部分を木製ルーバーで覆う優しいデザインも特長的です。メンバーの保田さんは「人の動線を生かすよう広場の配置を工夫しました」と話していました。同学科の稲地秀介准教授は「実際にある公共施設を題材にできて学生たちにはとてもいい勉強になります。これからもこのような授業を他の学年にも広げていきたいです」と演習の手応えを感じたようです。