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S-Racingが「第15回全日本学生フォーミュラ大会」に出場しました
9月5日から9日にかけて、学生フォーミュラチーム「S-Racing」が静岡県の小笠山総合運動公園で開催された「第15回全日本学生フォーミュラ大会」に出場し、出場94チーム中総合77位で大会を終えました。
本大会は、マシンの設計や製作、コスト管理などといった静的審査と実際にマシンを走らせてタイムや走行性能、耐久性などを競う動的審査があり、この2つの合計点で順位が決まります。事前に「シェイクダウン」と呼ばれるテスト走行で不具合がないことを証明し、さらに大会会場で実施される車検に通過しないと動的審査に進むことができません。車検ではマシンの安全性を確認するため、オイル漏れやマシンの重量、脱出試験(コックピットから5秒以内で脱出しなければならない)、ブレーキ、騒音など100項目以上の検査に合格する必要があります。チームは大会初日、2日目の車検を通過したものの、3日目のブレーキ試験をクリアすることができず、ブレーキユニットのメンテナンスを余儀なくされました。
予想外の結果を受け、ピットに戻ったメンバーの表情は真剣そのもの。制限時間内に車検を通過しないとマシンを走らせることができないため、時間との戦いで張りつめた空気が漂う中、焦りを隠せないメンバー間で大声が飛び交う場面もありました。ピットでマシンに対峙する彼らを見つめていた指導教員の一色美博教授(機械工学科)は、「彼らの鬼気迫る顔は見たことがない」と言葉を漏らしました。懸命なメンテナンスの甲斐あってチームは締め切り時間間際に車検を通過し、1周のラップタイムを競う「オートクロス」の種目に出場する権利を獲得しました。
オートクロスの種目では、チームは華麗な走りを見せ、大会4日目の複合コースを20周走行する「エンデュランス」に出場するも総合順位は昨年を下回る結果となってしまいました。ドライバーを務めた小嶋優斗さん(機械工学科2年)は唇をかみしめて「悔しい結果です。来年はマシンの製作着手時期を早めて、ドライバーが早く練習できるようにしたいです」と大会を振り返りました。1年間チームを鼓舞し続けたリーダーの今悠祐さん(同2年)は、穏やかな口調とは裏腹に来年への思いは熱く、「マシンのポテンシャルはありましたが、テスト走行等の準備不足は否めません。次は設計段階からさらに信頼性のあるマシンづくりを目標に取り組んでいきたいです」と話し、リベンジを誓いました。