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カナダでの活動報告をする平井さん カナダでの活動報告をする平井さん

ティナ・フォンテインさんへの追悼パフォーマンスを披露する吉田さん ティナ・フォンテインさんへの追悼パフォーマンスを披露する吉田さん

 3月22日~24日、寝屋川キャンパスで「地球共生ワークショップ2017」成果展示報告会を開催しました。このワークショップは地球共生を「地球上の全生命体の調和的共生」とする理念を提唱して、世界中の共生を妨げる多様な問題解決に向けた新しい取り組みで、住環境デザイン学科の白鳥武准教授と地球共生デザイン研究室の学生・院生らが、昨年8月にカナダ・ウィニペグ市とサギーン先住民保留地で行った現地調査と提案型のデザイン活動の成果を発表しました。

 本学は国連と大学とを結ぶパートナーシップ「国連アカデミック・インパクト」に参加しています。原則10の「異文化間の対話や相互理解を促進し、不寛容を取り除く」にかかわる活動として、「Smart and Humanグローカル共生」の研究を実施し、大学のブランディングでもConviviality(共生)を重視しています。

 展示と報告会では、「なぜカナダの先住民の悲劇が未だ止まないのか」「それに対する新たな挑戦と希望」を軸に、世界中で先住民が伝統的文化や言語を同化政策により奪われ負の連鎖を引き起こす「文化的ジェノサイド」が存在することを訴えました。

 また、マニトバ大のブライアン・ライス准教授は特別講演で、現在カナダが抱えている先住民の問題について7世代先を見据えて今を考える必要があると話しました。このほか、「MMIWGs(Missing & Murdered Indigenous Women and Girls)」と称される先住民に対する迫害や、カナダの社会問題を意識させるきっかけとなった、カナダの川で死亡した15歳の先住民の少女Tina Fontaine(ティナ・フォンテイン)さんへの吉田聡美さん(3年。当時)による追悼パフォーマンスなどを行い、先住民を取り巻く「今」を捉えました。

 社会開発工学専攻博士前期課程2年(当時)の平井彩夏さんは、修士論文の研究として、母なる大地と生きる文化への応答性のあるDIY住宅の建設、共生を訴えるイベント「END TO END FESTIVAL」の運営・企画などに携わり、先住民・非先住民に対する壁を解消し希望へと繋げる有形・無形の地球共生デザインが大切であると発表しました。

 報告会の最後に白鳥准教授は、「世界中で調和的共生へのビジョンが見失われ、非常に深刻な状況になっている。地球共生ワークショップでは世界の共生阻害問題を現地協同で考え、人との繋がりも同時に育む活動として続けて行きたい」と話しました。

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