経済学部
ミヒャエル・ライテラー駐韓国EU大使が来学されました。
3月15日、M.ライテラー駐韓国EU大使(インスブルック大学国際関係論客員教授を兼務)が、経済学部主催の国際セミナーで講演するため、来学されました。セミナーでは「EUと日本の連結性:経済連携協定及び戦略的パートナー協定の重要性(Connectivity between the EU and Japan: The importance of the recent EU-Japan agreements (EPA,SPA)」と題し、次の内容の講演をされました。
両地域は、合計すると世界GDPの20%以上に達するなど重要な地位を占めている。また、日本はEUにとって6番目に重要な貿易相手国である。一方、世界に目を転じると、ナショナリズムの高まり、保護主義の蔓延などがみられる。こうした環境変化の下、EUと日本は、貿易における多角間主義を維持・発展させること、自由な国際秩序を維持することについて利益を共有している。このほど両地域は経済面で「経済連携協定(Economic Partnership Agreement, EPA)」及び政治面で戦略的パートナーシップ協定(Strategic Partnership Agreement, SPA)を同時に締結したが、これらにより、両地域の連結性、あるいは協力関係、さらには世界のガバナンス強化のための確固としたベースが形成されたといえる。なお、連結性(Connectivity)とは、単に物理的なインフラを建設することだけではなく、人と人の接触を一層深め、安全保障や経済関係を強化しようとするものである。いまや、EUと日本のようなグローバル・プレーヤーにとっては、経済だけで政治については無関係といった関係はありえない時代に入ったといえる。
以上が本セミナーにおける同大使の講演内容です。
また、講演前、同大使は八木学長を表敬訪問されました。同大使はオーストリア人であるため、八木学長は経済学のオーストリア学派に属する著名な経済学者であるJ.シュンペーターなどについて話をされました。また、同大使は八木学長の著作に対して祝辞を述べられるなど、和気藹藹のうちに会談を終えました。その後、同大使は理工学部を訪問され、植田芳昭・白鳥武両准教授から研究内容について説明を受けました。同大使は、大変興味深い研究との感想を述べておられました。とりわけ白鳥准教授が研究されている「地球共生学」のアプローチについては、EUが進める気候変動に対する政策に沿ったものであると評価されていました。