経済学部
摂南経済ゲストレクチャーでクラブツーリズム・京の旅デザインセンター顧問の宮本茂樹氏が講演
6月15日、摂南経済ゲストレクチャー(後藤和子教授担当)において、クラブツーリズム・京の旅デザインセンター顧問の宮本茂樹氏をお迎えし、「観光産業の過去、現在、未来」についてご講演いただきました。
日本では、2007年に、観光立国推進法が制定され、観光産業が基幹産業の1つに位置づけられました。その理由は、当時の観光消費額が25.5兆円と大きく、その経済波及効果は53.1兆円、雇用誘発効果も462万人など、自動車産業を上回る効果があることが分かったからです。加えて、観光は、地域経済への波及効果もあり、地域間格差を是正する効果もあると見込まれたからです。
宮本氏は、「未来を予測し、わずかに先を行く、このわずかな部分に利益がある」という視点で、クラブツーリズムの観光事業を立ち上げてきた経験を語ってくださいました。その1つが、2007年、当時珍しかった「着地型観光」です。着地型観光では、目的地にある旅行会社がツアー企画を作るため、多様な顧客のニーズに応える「ワクワク、ドキドキ感を満たす」ツアーが実現できます。これまで、バリアフリー旅、ひとり旅、大人の社会科見学等、シニア世代に特化した多様な観光市場を開拓してきました。
また、顧客がエコスタッフ(有償ボランティア)として会員誌を配布し、フェローフレンドリースタッフとして、繁忙期の添乗員になる等、顧客参加の経営スタイルも生み出しました。これにより、他社より高い利益率を実現しています。
今後は、観光分野でも、高付加価値の専門性を結合する異業種提携が進むとともに、地域ではDMO(観光地経営)化が進むため、専門性を踏まえた総合力のある人材が求められるという話に、学生たちは大いに興味をそそられました。