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S-Racingチームが「第17回学生フォーミュラ日本大会2019」に出場しました
8月27日から31日にかけて、学生フォーミュラチーム「S-Racing」が静岡県の小笠山総合運動公園で開催された「第17回学生フォーミュラ日本大会2019」に出場し、90チーム中総合69位で大会を終えました。
本大会は、マシンの設計や製作、コストレポートなどの静的審査と実際にマシンを走らせてタイムや走行性能、耐久性などを競う動的審査があり、この2つの合計点で総合順位が決まります。また、動的審査に進むためには、事前に「シェイクダウン」と呼ばれるテスト走行で不具合がないことを証明し、さらに会場で実施される車検を通過しなければなりません。車検ではマシンの安全性を確認するため、オイル漏れやマシンの重量試験のほか、ドライバーがコックピットから5秒以内で脱出する脱出試験、ブレーキ試験、騒音試験などの検査に合格する必要があります。
昨年総合順位を上げ、「今年はさらに上を目指します」と意気揚々と会場に姿を見せたチームをトラブルが襲います。車検のひとつであるブレーキ試験を通過することができず、再度ピットへ戻ってブレーキ周りを調整することになり、これまで車検を順調にパスしていたメンバーらの表情が一転します。「このままでは、2年前と同じになる・・・」。締め切り時間間際にサーキットを走行するオートクロス種目に滑り込んだ一昨年のことがメンバーの頭をよぎり、時間との戦いが続きました。2度目、3度目のトライもブレーキ試験を通過することができず、ピットに張り詰めた空気が漂います。
「ダラダラやってたらあかんで!何時にオートクロス走るねん!」と焦りを隠せないメンバーらが作業中に声を荒げる場面も出て、ピットは物々しい雰囲気に包まれました。背水の陣で臨んだ4度目のブレーキ試験。ここで通過できなければオートクロス種目を走ることができなくなる可能性もある中、メンバーは検査場で固唾を呑んでマシンを見守りました。「頼む、通ってくれ・・・」、じっとマシンを見つめるメンバー。その思いが通じたのか、4人の検査員が一斉に両手で○印を作り、辛うじてブレーキ試験を通過しました。喜びの余韻に浸る間もないまま、すぐさまオートクロス種目の順番待ちの列にマシンを移動させ、無事颯爽とコースを駆け抜けました。
昨年から総合順位を5つ落とし、メンバーらには悔いの残る結果となりましたが、「なかなか通過できなかったブレーキ試験など課題が多く見つかりました。一つ一つクリアしていきたい」と大会終了後には明るい表情も見せました。チームは来年へ向けてすでにマシンの改良をスタートさせています。キャプテンの西澤輝敏さん(機械工学科2年)は「マシンの完成が遅れるなど、全体的な工程の甘さがあったのが原因で今回の結果になってしまいました。今年の反省を教訓に来年は必ず順位アップを狙いたいです」と大会を振り返り、来年のリベンジを誓いました。