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強い雨風の中、フライト前の機体の最終調整を行うチーム 強い雨風の中、フライト前の機体の最終調整を行うチーム

いざプラットフォームへ。機体を運ぶ手に思わず力が入る(写真中央で両手を挙げているのが宇田さん) いざプラットフォームへ。機体を運ぶ手に思わず力が入る(写真中央で両手を挙げているのが宇田さん)

「さ!や!け!き!」チームに大声援を送る応援団 「さ!や!け!き!」チームに大声援を送る応援団

 7月27日、28日に琵琶湖・松原水泳場(滋賀県彦根市)で開催された「Iwataniスペシャル第42回鳥人間コンテスト2019」で「守口門真YEG×摂南大学」チームが滑空機部門に初出場しました。

 台風が接近する荒天の中始まった大会初日。会場は雨風ともに強く、荒れたコンディションでした。初めての挑戦にはあまりにも重い現実。そんな中でも、チームメンバーは明るく大きな声を出して機体を組み立て、目前に迫るフライトを心待ちにしていました。「チームのために、1mでも遠く大空を飛びたい」。本学航空研究部と大阪の企業城下町を支える守口門真商工会議所青年部がタッグを組み、実に年の差最大32歳のコラボチームが作り上げた機体「さやけき☆みらい号」に特別の思いを寄せているのはパイロットの宇田育生さん(機械工学科3年)。フライト前は緊張のあまり笑顔が消えることもありましたが、これまで取り組んできた練習の成果を見せる時が来たと気合は十分。穏やかな顔つきに内なる闘志を秘め、プラットフォームに向かう足取りは自信に満ちていました。

 待ちに待ったフライトの時が来ました。プラットフォーム上でフライトOKの旗サインが出ると、宇田さんが「3、2、1、GO!」とコックピットで叫び、補助員の助走のスピードが上がっていきます。メンバーの思いを乗せてテイクオフした瞬間、強い向い風が機体を襲い、風に持ち上げられた機体はそのままプラットフォーム付近に落下しあえなく着水。チーム初挑戦の記録は11.40mとなりました。

 機体着水後、陸に上がってきた宇田さんは応援団に頭を下げ、人目をはばからず大粒の涙をこぼしました。「もっと飛びたかったのにチームの期待に応えることができなかった」と悔しさで溢れる涙が止まらない宇田さんを両親が出迎え、抱き合うシーンに思わずもらい泣きする人も。会場へ応援に駆け付けた八木紀一郎学長も宇田さんに駆け寄り、「よくやりました。初めてにもかかわらず頑張りましたね」とねぎらいの言葉をかけました。応援席からも「宇田君、泣かんでええ!ようやったぞ!」と大きな歓声と拍手が起こり、ようやく宇田さんはほっとした表情を浮かべました。

 機体製作経験者ゼロの中、手探りで作り、努力を積み重ねてきたチームの初挑戦は幕を閉じました。航空研究部長の堂野将幹さん(同)は「初めての経験でしたが、プロセスも含めて楽しんで取り組むことができ、多くのことを学びました。今年の経験を糧に、来年もう一度チャレンジしたいです」と大会を振り返り、来年の大空への再挑戦に意欲を見せました。

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