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お知らせ

 12月12日、イタリア・ミラノにあるILUM大学のVincenzo  Russo(ヴィンツェンツォ・ルッソ)教授が本学を訪問され、経済学部授業「社会経済学II」において、近年急速に発展・普及したニューロマーケティング(神経科学にもとづくマーケティング)の基礎と近年の展開などについて講演していただきました。

 授業の前半では、ニューロマーケティングが2000年代になって誕生したこと、それがマーケティングはもちろん、神経科学、行動経済学、消費者行動論、社会心理学といった様々な分野の学問の融合によって成立していること、そしてその学問がアイ・トラッキング(視線追跡)、脳波図、心拍計など新技術を用いた各種装置を積極的に利用して成果を出していることが、写真や動画を用いてわかりやすく解説されました。

 私たちはもっぱら、人が合理性や思慮にもとづいて行動していると考えがちですが、ニューロマーケティングでは、人が多くの場面で理性よりも感情や感覚にもとづいて行動していることを,脳波や表情の微妙な変化といった身体の反応を客観的に捉えることで明らかにします。授業の後半では,その具体的な事例が映像を交えて紹介されました。例えば,アメリカ最大のスポーツイベントであるスーパーボウルでのテレビCM枠は5億円とされますが,企業上層部が効果を疑問視していたCM作品がニューロマーケティングによる分析では高い効果が予測されたことで放映され、実際に同社製品の売上げを大きく伸ばすなど著しい成果を挙げたことが紹介されました。 

 英語での授業を初めて体験する学生が多かったようですが、ルッソ教授がたくさんの写真や映像を使ってわかりやすく解説してくださったおかげで受講者たちの理解は進んだようです。学問の最前線で展開される議論を熱心に聞き入る学生たちの姿が印象的でした。

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