経済学部
『教員に見る、摂南大学経済学部の学び』VOL.13 野村ゼミ
日本の地域活性化に貢献し
グローバルな視点も育む、
観光産業への理解を深める。
◆野村 佳子教授
新型コロナウイルス感染拡大前は、観光客の急増が地域に悪影響を与える「オーバーツーリズム」が世界の大都市で問題になりました。私は、こうした問題に対して“地域住民”と“観光客”双方にとって望ましい観光を実現するためにはどうするべきかを研究のテーマとしています。ゼミでは、学生とともに観光振興をテーマに取り組んでいます。人口減少時代に入り、大都市に人口が集中する日本において、地域活性化が重要視される中、観光産業はこれからの大きな切り札になります。また、ゼミ活動を通して、多様性や異文化に対する理解、グローバルな視点も育成していきたいと考えています。
私のゼミは、理論と実務の両方を理解することを目標に、文献研究はもちろん、フィールドワークや学外研修を多く取り入れ、観光産業の企業のほか、自治体の観光振興担当や外国の政府観光局などと連携した授業を行うのも大きな特色です。空港やホテルの視察を通してサービスの現場についての理解を深めたり、観光振興担当者へのヒアリングなどを実施する中で、マナーや常識、課題発見力や課題解決力といった社会人基礎力も身につけてほしいと思っています。答えのない社会の課題に取り組んでいくことこそ、大学での学びです。主体的に学び、深く考えることが求められますが、その際必要となるのは広い視野です。私は、航空会社に勤務していた自身の経験などからも、学生に海外経験を積むことを薦めています。視野を広げるためにも、学びはもちろん、多様な経験を大学時代に積んでくれることを願っています。